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本来の力

実家に帰ってきたけど、寒すぎる。。

早く一人暮らしの所に戻りたい。。

 慶太たちがライガと戦っている間、ユウリたちはゼハード迷宮へと向かおうとしていた。


「ルーシェ、悪いが俺たちはゼハード迷宮へ向かう」

「ええ、お願いする。こちらももうすぐ強力な助っ人が戻ってくるので、戻り次第、そちらに向かわせよう」

「分かった。みんな、行こう」


 ユウリはルーシェに伝えると、フェルカたちと共に部屋を出た。


 ユウリたちはそのままギルドを出るとゼハード迷宮の位置を確認し、人混みを一気に抜けて、ゼハード迷宮へ向かった。


 ゼハード迷宮へ近づくにつれて魔力が強くなってきており、戦闘の音が聞こえてきた。


 ユウリたちが急いでゼハード迷宮へ向かっていると、両刃斧を持ったライガが倒れている慶太に振り下ろそうとしているのが見えた。


「ーーッ!?」


 それに気付いたユウリは脚に魔力を集中させ、勢いよく走り出した。


 そして、走りながら剣を抜いて、慶太に振り下ろされた両刃斧をを受け止めた。


「・・・・・・ユウ、リ」

「おう。助けに来たぜ、慶太」


 ユウリはそのまま両刃斧を弾くと、ライガは後方へ下がった。


 ユウリは現状を知るため辺りを見回すと、端の方で雅と皐月が倒れていた。


 すると、ユウリの後方からフェルカたちが追いついて来た。


「ユウリ!大丈夫!」

「ああ。着いて早々だが、フェルカとセリナは魔物の対処を頼む。アンナとルリは怪我人の手当をしてくれ」

「分かったわ」

「かしこまりました」

「うん!」

「・・・ユウリはどうするの?」

「俺はこいつの相手をする」


 ユウリはフェルカを見ると、不安そうな顔をしていたので頭を撫でた。


「フェルカ、みんなを頼む」

「・・・うん!」


 フェルカはユウリに頭を撫でられると照れくさそうに笑うと、剣を抜いてセリナと共に魔物の対処に向かい、アンナとルリは怪我人に所へ向かった。


「・・・・・・なあ。アンタ、邪神教なんだっけ?」

「・・・ああ。俺は邪神教のライガだ。・・・お前、何者だ?」

「・・・は?何者って。こいつの親友」


 ユウリはそう言って慶太を指した。


 ライガは予想外の答えにポカンとすると、少しずつ笑い出した。


「ハハハハハッ!!そうかそうか!慶太の親友か!・・・なら、お前も強いよな?」

「さあな。何なら確かめてみるか?」

「いいぜ!!」


 そう言うとユウリとライガは同時に走り出し、お互い剣と両刃斧を振った。


 互いの武器がぶつかると、火花を散らし弾いた。


「ーーおりゃっ!!」


 ライガは弾かれた両刃斧を持ち直し、ユウリに向かって振り回した。


 だが、ユウリはライガの攻撃を回避しながら、攻撃の隙を伺っていた。


 ユウリは攻撃を回避し続けていると少し大振りの攻撃がきたので、それも回避して攻撃につなげた。


「ーーッ!?マジか!?」

「・・・攻撃が甘いぜ!!」


 ユウリが隙ができた一瞬に攻撃をすると、ライガは持ち手の部分でユウリの剣を止めた。


 ライガはユウリの剣を押すと、両刃斧を振り抜いた。


 ユウリは剣が押されるとすぐに後方へ下がり、ライガの攻撃を回避した。


「・・・危ねえ。《ダーク・バレット》ッ!」

「《バーニング・カウンティング》ッ!」


 ユウリは闇魔法の魔力弾を撃つと、ライガは魔力を上乗せさせ、ユウリに撃ち返した。


 ユウリは剣に魔力を込めて撃ち返された《ダーク・バレット》を切った。


「・・・強いな。ならーー」


 ユウリはライガに向かって走り出し、ライガの目の前で《シャドウ・ミスト》を使い、ライガの視界を奪った。


 ユウリはライガの不意をついて、攻撃を仕掛けた。


「考えが甘いんだよ!《フレア・バーン》ッ!」

「ーー何ッ!?」


 ライガはユウリの攻撃が届く前に、自分の周りに炎の柱を出現させ、ユウリの攻撃を防いだ。


 さすがに炎の中に飛び込む事はできず、ユウリは攻撃をせず、後方へ下がった。


 黒い霧が晴れるとライガは《フレア・バーン》を解いたと同時に、ユウリに両刃斧を振り下ろした。


 ユウリはライガの両刃斧を受け流すと、ライガに蹴りを入れた。


 しかし、ライガは蹴りを防ぐと、両刃斧を大きく振りかぶった。


「ーーッ!?ユウリ!大技がくる!避けろ!」

「《ヴォルケイノ・インパクト》ッ!」

「ーーくっ!?」


 ライガは両刃斧を地面に叩きつけ噴火のような衝撃波を放ったが、ユウリは慶太の助言もあり、ギリギリのところで回避ができた。


「・・・くそっ、決め手に欠ける。やっぱりあの力を使わないとダメか・・・」


 ユウリはディレスとの戦い以降使っていないあの魔力を、身体の中から探った。


 すると、その魔力が自分の中に広がっていくのが分かった。


「・・・・・・よし」

「おいおい!ぼさっとしてんなら、殺しちまうぞ!!」


 そう言ってライガが再び両刃斧を振りかぶると、ユウリはライガに向かって走り出した。


(あの時は無我夢中だったが、今回は自分の意思でこの力を使いこなしてやる!)

「ーー吹き飛べッ!!《ヴォルケイノ・インパクト》ッ!!」


 ライガが両刃斧を地面に叩きつけ、衝撃波を放つとユウリはその場で跳び、衝撃波の力を利用し、さらに高く跳んだ。


 ライガはユウリの行動は少し予想外だったが、すぐに攻撃に備えて両刃斧を構えた。


 すると、ライガはユウリの禍々しい魔力に悪寒が走った。


「【彼の者は全てに怒り、嘆き、絶望した。それ故に、願ったのは焼却である。あらゆるものを焼き尽くし、地獄の光景を見せたまえ。】ーー《インフェルノ・ドラグーン》ッ!!」

「ーー帝級魔法かッ!?クソッ!!《バーニング・カウンティング》ッ!!」


 ユウリが詠唱を終わらせると魔法陣が出現し、そこから黒炎のドラゴンが現れた。


 前回は炎だけだったが、今回は明確な意思で使ったので、本来の力を発揮できたようだ。


 黒炎のドラゴンは炎を溜めると、ユウリが剣を振り抜いたと同時に、ライガに向かって最大火力のブレスを放った。


 ライガはブレスを弾き返そうと、燃えた両刃斧を押し込むが、黒炎の威力の方が強く、押し返される。


 それどころか、黒炎はライガの両刃斧が纏っている炎を飲み込んでいき、ライガ自身も飲み込まれた。


「がああああぁぁッーー!!!」


 黒炎のドラゴンはブレスをやめると、黒炎の中から焼き焦げたライガが出てきた。


 しかし、ライガはまだ倒れず、死に物狂いで両刃斧を構えた。


「・・・まだ、だ。俺は、まだ、戦える。・・・戦いたい!!」

「いや、終わりだ!ーー来い、ドラゴンッ!」


 ユウリがそう言うと、黒炎のドラゴンはユウリに向かって飛び、ユウリが持っていた剣に黒炎として纏った。


 ユウリは着地をすると、ライガの懐まで一気に飛び込み、ライガが振り下ろしていた両刃斧とぶつけた。


「があ、ああ、ああぁぁッーー!!」

「はああああぁぁッーー!!」


 互いに押し合いをしていると、剣に纏った黒炎が両刃斧を徐々に溶かしていき、ユウリはライガの両刃斧を破壊した。


 ユウリは剣を振り抜くと、さらに剣を振り上げて、両刃斧を持っていたライガの右腕を切り落とした。


 そして、ユウリは右腕を切った攻撃とつなげて、剣を振り下ろしライガを斬った。


 ユウリは剣に纏っている黒炎を消すと、ライガは血を流しながらその場に倒れた。


「・・・・・・なんとか倒せたな」


 ユウリは倒れたライガを見て、一安心しながらフェルカたちの方を向いた。


 すると、すでに戦闘は終わっており、倒れているポイズンキャンサーの上に見知らぬ男が座っていた。

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