予想外の敵 3
最近、昼夜逆転してきた。。
ヤバい。。
慶太がライガと戦っている間、クレイは騎士たちの所に向かった。
「ここは私が変わる。誰か、ギルドに行って救援を呼ぶんだ」
「ク、クレイ様!?王宮ではなくてよろしいのですか?」
「いや、ここからはギルドの方が近い。頼んだぞ!」
「わ、分かりました!」
そう言うと、騎士の一人がギルドへ向かって走り出した。
慶太たちの方は、ライガの猛攻が繰り広げられていた。
「ーーありゃッ!」
「ーーハッ!」
慶太はライガの攻撃を受け止めるが、圧され気味だった。
ライガは剣を振り下ろし、慶太に体重を乗せてきた。
「おいおいおい!!そんなもんか!」
「そう焦るなよ」
慶太は一気に体重をずらし、ライガの剣を下に受け流した。
「そこで捕まってろ!《エレキ・ネット》ッ!」
「ーーッ!?」
ライガは急に体重をずらされ体勢が崩れ、電気の網が絡まった。
「今だ!皐月!雅!」
「うん!《ホーリー・スピア》ッ!」
「《ウインド・カット》ッ!」
慶太が合図を出すと皐月は光の槍を、雅は両手の短剣に魔力を込めて、風の刃を数発放った。
二人の放った魔法はライガに当たり、爆発を起こした。
「やったか?」
「どう?」
慶太たちは爆発が収まるのを待って確認すると、ライガの周りに炎の渦が巻かれていた。
炎の渦が消えると、中にいたライガは電気の網を引きちぎった。
「・・・いいね、お前等。楽しくなってきたぜ」
「・・・・・・やっぱり無理か」
ライガはチラッと皐月を見ると、微かに笑った。
「お前は少し寝てろ」
そう言うと、ライガは慶太の顔の前で魔力で小さく爆発を起こした。
慶太は爆発で目くらましをされると、ライガは慶太の腹を膝蹴りを食らわせた。
「ーーがはッ!?」
慶太はその場で倒れると、ライガは皐月の方へ走り走り出した。
「《フレア・スラッシュ》ッ!」
「《ホーリー・シールド》ッ!」
ライガは走りながら剣を振り抜き、炎の斬撃を皐月に放った。
それに対し、皐月は光の盾で炎の斬撃を受け止めた。
(ーーッ!?マズイ!盾が破られちゃう!)
炎の斬撃により光の盾はヒビが入り、割れると同時に炎の斬撃も消滅した。
だが、ライガがすぐそばまで来て、剣を振り翳していた。
「皐月、下がって!ーー《エア・ストラム》ッ!」
雅は風で自分を飛ばし、皐月の下まで行くと、ライガの振り下ろした剣を二本の短剣でギリギリ止めた。
「ーーくっ!?」
「良いチームワークだよ。だが、俺には通用しねぇ!《フレア・スラッシュ》ッ!」
「ーー嘘ッ!?キャアアアアァァッ!!」
ライガは攻撃を取られると再び剣を振り翳し、炎を纏った剣を振り下ろし、炎の斬撃を雅にぶつけた。
雅はゼロ距離からの攻撃に吹き飛ばされ、後ろにいた皐月ごと後ろへ転げた。
「さあて、どっちからやろうか?」
ライガは倒れている雅と皐月を見ながら、ゆっくりと近づいた。
すると、ライガは何かに気が付き、後ろを振り向くと同時に剣を構えた。
ライガが剣を構えると、一瞬何かが通りライガの左肩を浅く斬った。
「ーー何ッ!?」
「・・・・・・まだ、僕がいますよ」
ライガが再び雅と皐月の方を向くと、先程までいなかったはずの慶太が立っていた。
その事に驚いたライガは防衛本能のような形で、慶太たちに炎の斬撃を放つが、慶太も雷の斬撃を放ち、ライガの攻撃を打ち消した。
「・・・何だよ実力を隠してたのかよ?」
「僕は増援が来る間の時間稼ぎをするつもりだった。けど、貴方は皐月を、僕の彼女を狙った。だから、時間稼ぎとは言わず、僕は貴方を倒す」
慶太はそう言い剣を構えると、脚に魔力を込めて踏み込み、一瞬で攻撃の間合いに詰め込んだ。
ライガの剣で慶太の攻撃を防ぐが、後方へ飛ばされ、上手く着地をすると、すでに慶太が次の攻撃に移っていた。
「遅いッ!《ライトニング・スピア》ッ!」
慶太が雷の槍を放つが、ライガはさらに後方へ下がり回避をするが、後ろには電気の網があった。
ライガはなん触れる寸前で宙返りをし、なんとか電気の網を避けたが、着地した瞬間、光の鎖がライガに巻き付いた。
「ーーくっ!?何だとッ!?」
「《エレキ・ネット》はブラフだ。本当は皐月が設置しておいた魔法で、貴方を捕縛するのが目的だったんだよ」
「・・・・・・ハハハッ!!本当はお前が勇者なんじゃねぇのか?」
「残念だけど、僕は皆を守れる程、強くはないんでね。《サンダー・ジャベリン》ッ!」
「ぐああぁぁッーー!!」
慶太は捕縛されているライガに、大量の雷の矢を放った。
ライガはその攻撃を直で食らってしまい、後方へ勢いよく飛ばされた。
飛ばされた勢いで転がったライガは、起き上がると剣を捨て、新たに両刃斧を取り出した。
「お前は剣じゃ無理だな。仕方ねえ、本気の武器で戦ってやるよ」
「・・・・・・」
「なあ、お前の名前を聞いてやるよ」
「・・・突然なんだ?」
「お前は今は未熟だが、強い。俺が認めてやる。だからこそ、お前の名前が知りたい」
「・・・・・・葛城、慶太だ」
「慶太、ねぇ。・・・・・・よし覚えたぞ!さあ、俺を楽しませろ!慶太ッ!!」
ライガは満足そうに両刃斧を振り回すと、慶太は剣を構えた。
慶太は新な武器の出現に正直焦っていた。
(・・・・・・正直、このままじゃ厳しい。今まで本気じゃなくてあの強さなら、本気は・・・)
「・・・・・・フー」
慶太は自分を落ち着かせる為にひと呼吸入れ、終えた瞬間、ライガに向かって走り出した。
「《サンダー・ボルト》ッ!《サンダー・スラッシュ》ッ!《サンダー・ジャベリン》ッ!」
慶太は走りながら魔法を放ち、ライガに攻撃をする隙を作らないようにしていた。
しかし、ライガは両刃斧を回し、慶太の魔法を防いだ。
それでも慶太は攻撃の手を緩める事なく、魔法を撃つが限界も近くなってきてはいる。
(・・・そろそろ決めないとマズイ。体力も魔力も枯渇する)
そこで慶太はある策を思いつく。
慶太はライガに向かって突っ込むと、剣を振りかぶった。
そのまま慶太はライガに攻撃をするが、ライガは両刃斧で軽々防ぎ、慶太はさらに攻撃を繰り返した。
だが、ライガの方が両刃斧を振り回している分、遠心力で攻撃速度が速く、慶太が攻撃をしても防がれて、さらに攻撃を食らってしまう。
慶太は捨て身の攻撃でボロボロになりながらも、少し後方へ下がった。
そして、ライガも慶太を追うとするが、ライガの脚が突如痙攣を起こし、その場に膝を着いた。
「・・・・・・これは」
「・・・ハア、ハア。僕が何の策なしに捨て身をするわけないだろ!」
慶太は攻撃をしている間に、ライガを剣に集中させ、ライガの足元に何度も微量な雷魔法を放ち続けていたのだ。
(一瞬だけでいい!一瞬だけアイツが怯めば、そこで決められる!)
慶太は、ライガが膝を着いた一瞬の隙に脚に魔力を込め、全力で踏み込み、ライガに突進した。
「これで決めるッ!《ライトニング・ブラスト》ッ!!」
慶太が剣に魔力を全て込め、ライガに放つ瞬間だった。
「・・・《フレア・バーン》」
慶太の足元から炎の柱が現れ、慶太を襲った。
そのせいで、慶太の魔法の標準が逸れ、雷の砲撃がライガの横を通った。
「・・・・・・そん、な」
「危なかったぜ。だがな、経験が違ぇんだよ」
慶太が体力の限界で剣を立てながら膝を着くと、ライガは両刃斧を振りかぶった。
「《ヴォルケイノ・インパクト》ッ!!」
「ーーがああぁぁッ!」
ライガが両刃斧を地面に振り下ろすと、地面が割れ、噴火のような衝撃波が慶太に襲いかかった。
慶太は吹き飛ばされると、意識はなんとか保ったものの、倒れた状態で身体が全く動かなった。
ライガは両刃斧を持ち上げ、肩に乗せると慶太に近づいた。
「お前も終わりだ。なかなか楽しかったぜ、慶太!」
「・・・慶太、君。逃げ、て。逃げて!」
「・・・・・・慶太、君。・・・助けて、ユウリ、君」
(・・・・・・クソ。ここで、僕は死ぬのか。悪い、ユウリ。僕は君に会えそうにないよ)
ライガは倒れている慶太に両刃斧を振り下ろした。
それに対し、皐月は泣きながら叫び、雅はユウリに助けを求めていた。
それを見て、慶太は諦めるように目を瞑った。
ーーガキンッ!!
慶太が目を瞑ってすぐ、何か金属同士がぶつかる音がした。
慶太は恐る恐る目を開けると、自分の頭上でライガの両刃斧が剣に止められていた。
一体何が起きているかが分からず、皐月たちの方を見ると、二人とも驚愕した表情を浮かべていて、雅は涙を流していた。
慶太は真横に人の気配を感じ、横を見ると黒のロングコートがあった。
そして、だんだんと上を見上げていくと、そこにはずっと探していた親友がいた。
「・・・・・・ユウ、リ」
「おう。助けに来たぜ、慶太」
慶太はその声と言葉を聞くと、嬉しさから涙が頬を伝ったのだった。
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