思わぬ帰国
寒いよ~。。寒すぎるよ~。。
「ーーッ!?痛ッ!」
目を覚ましたユウリが勢いよく起き上がると、身体中に激痛が走った。
身体を見ると、全身を包帯が巻かれていた。
「・・・・・・そうか、俺負けたのか」
ユウリがクウゴとの実力の差を痛感していると、布団の中がモゾモゾと動いた。
「ん?」
ユウリが布団を退かすと、ルリがユウリの足の所で丸まって寝ていた。
ユウリがルリを起こしルリが目を覚ますと、ルリはユウリに気が付き、勢いよく抱きついてきた。
「お兄ちゃん!」
「ーーおわっ!?ルリ、おはよう」
「ここはどこだ?」
「ここは火山の麓の街だよ」
「・・・ああ、あそこか」
すると、部屋の扉が開き、フェルカたちが入ってきた。
どうやら、ルリの声でユウリが起きた事に気が付いたそうだ。
「ユウリ!やっと起きた!」
「アンタ、寝すぎなのよ」
「もう、セリナ。そう言って、ユウリが眠ってる間、凄いソワソワしてたよね?」
「し、してないわよ!」
「いえ、かなりしてましたよ」
「もう!アンナまで!」
フェルカのカミングアウトで、かなり焦っていた。
「そ、そんな事はいいのよ!三日間も寝てたけど、傷はもう大丈夫なの?」
「あ、ああ。もう大丈夫だ。っていうか三日間も寝てたのか、俺」
「ええ、傷を負っていたのは貴方だけよ」
「・・・そうか」
その後、ユウリは眠っている間の事を聞いた。
「・・・あ、そうだ!」
「ん?どうしたの、ユウリ?」
ユウリは話を聞き終えると、何かを何かを思い出したようで声を上げた。
それに、フェルカは聞き返した。
「クウゴの事とかギルドに報告したいんだけど、この先にあるギルドってどこだ?」
「少々お待ちください」
そう言って、アンナは地図を出し、ユウリたちの前に広げた。
ユウリは地図で現在地を探し指で指すと、そこから道をなぞりながら地図を見た。
「・・・・・・マジか」
ユウリが指でなぞりながら辿り着いた場所は、思ってもみなかった所だった。
「・・・・・・ルーリアン王国」
「ルーリアン王国って、ユウリが元々いた国だよね?」
「ああ」
ユウリは嬉しい反面、どこか不安も感じていた。
何故なら、以前、奈落に落ちた時に放たれた火球は明らかに、意図的に誰かによって放たれたものだったからだ。
(だが、どのみち、慶太たちに顔を見せておいた方がいいか・・・)
「・・・よし、行くか。ルーリアン王国に」
「うん!ユウリがいた場所も見てみたいし」
「では、こちらを。直しておきました」
そう言って、アンナは《錬成》で直したユウリのロングコートを渡した。
あらかじめ、フェルカたちは準備をしていたようだったので、すぐに出発ができた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ユウリたちがガルドン火山の麓街を出発してから一週間後、ようやくルーリアン王国に着いたのだった。
ガルドン火山の麓街を出てすぐに、ルーリアン王国行きの商人と出会い、護衛という名目で荷車に乗せてもらったのだ。
しかし、ルーリアン王国に向かう道中、少し不思議な事があった。
一切の魔物にも会わなかったのだ。
いや、言い方が違った。
生きている魔物に会わなかったのだ。
普通は冒険者が魔物を狩っても、素材採集などで余程の事がない限り、大抵は処理をする。
しかし、今回ユウリたちが道中見たのは、処理もされていなく、明らかに暴れ回った跡があった。
ユウリたちはそんな光景を目の当たりにし、多少の不安を抱えながら商人に礼をいうと、ギルドに向かった。
ユウリたちは街の人たちの案内でギルドへ着いた。
そして、中へ入ると、冒険者たちは妙に殺気立っていた。
ユウリたちはそんな事を気にせず、受付嬢の所へ向かった。
「・・・あの、ギルド長に会いたいんだが」
そう言って、ユウリはトゥスタードのギルド長、ノームから預かっていた手紙を一緒に渡した。
「ーーッ!?しょ、少々お待ちを!!」
手紙を確認した受付嬢は慌てて、階段を上っていった。
そして、数分後、受付嬢が階段を降りてきた。
「久世ユウリ様一行。ギルド長が面会したいそうです。こちらへどうぞ」
ユウリたちは受付嬢に案内されるがまま階段を上って、奥の部屋に案内された。
受付嬢が扉をノックしてから開けると、眼鏡をかけた男が立っていた。
「・・・やあ、久世ユウリ君とフェルカ君、セリナ君にアンナ君とルリちゃんだね。入ってくれたまえ」
「ああ」
ユウリたちは部屋に入ると、勧められるがまま椅子に座った。
「初めまして、僕はここのギルド長をしているルーシェという者だ。よろしく」
「どうも」
ユウリはギルド長、ルーシェと握手をすると、本題に入った。
「ノームからの手紙を読ませてもらったよ。邪神教やシュペルヘイムの事、その他もろもろね。あれは本当かい?」
「嘘を言っているように見えるか?」
「いや、ノームが嘘を言うように思えないし、君たちは嘘をついていない。ただの確認さ。ただ、立場上仕方なくてね」
「なるほどな」
ルーシェは呆れたように肩をすくめ、ユウリはそれに軽く笑った。
「まあ、僕はなるべく君たちに力を貸そうと思う」
「助かるよ、ガルドン火山でも邪神教が現れたからな」
「ガルドン火山にかい?何でまた?」
「さあ?」
ユウリとルーシェは首を傾げていた。
「そういえば、下で冒険者が凄い殺気立っていたんだが、何かあったのか?」
「ああ。こちらに来る途中で見たと思うが、魔物が大量に狩られていたんだよ。そのせいで、討伐クエストが激減してしまってね・・・」
「ああ、確かに見たな」
すると、下が一層騒がしくなり始め、階段を勢いよく駆け上る音がした。
そして、部屋のドアがドンドンッと叩かれると、息を荒げた兵士が部屋に入ってきた。
しかも、その兵士は見た目がボロボロ
「・・・ハア、ハア。ギ、ギルド長ルーシェ殿に救援要請です!」
「君、何があったんだい?」
ルーシェはすぐに兵士に駆け寄り、落ち着かせて事情を聴こうとしていた。
「・・・ゼ、ゼハード迷宮入り口に、邪神教と名乗る者が現れ、勇者一行とラグド騎士長、兵士数人が交戦中。しかし、こちらが圧されていま、す・・・・・・」
兵士はそれだけ言うと、気を失ってしまった。
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