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解放

やっと学校が始まったけど、課題が多すぎて、やる気が起きない・・・・・・。

 ユウリとシュカが剣に魔力を込めると、護衛たちが一斉に斬りかかってきた。


「ーーはあッ!」

「ーーフッ!」


 ユウリは護衛の剣を受け流すように避けながら、一人ずつ倒していった。


 シュカの方は、軽々と攻撃を避け、護衛たちを簡単に倒していった。


「くそっ!なんだコイツ等は!お前等、たった二人に負けるな!」


 指揮官らしき男がそう言うと、護衛たちは起き上がってユウリたちに斬りかかるが、やはり返り討ちにあってしまう。


 しかし、再び起き上がる護衛たちが鬱陶しくなってきたシュカは、魔法陣を展開し始めた。


「ユウリ、少し下がっていろ」

「分かったよ」

「・・・・・・そろそろ終わりにしようか。《フレイム・レイン》」


 シュカは護衛たちの頭上に展開させた魔法陣から、炎の雨を降らせた。


 《フレイム・レイン》は中級魔法だが、シュカの発動したそれは中級魔法以上の威力で、護衛たちを一撃で全滅させてしまった。


 その光景に、正直ユウリもドン引きしていた。


(・・・・・・これがSランクかよ。というか、これなら俺いらなかったじゃん)

「片付いたぞ」

「みたいだな。フェルカ、もう魔法を解いていいぞ」


 ユウリがそう言うと、フェルカたちを囲んでいた氷の壁が消えていった。


「・・・・・・馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な。あの人数がたった二人にやられただと」


 氷の壁の中からフェルカたちが出てきていると、部屋の奥でジドが悔しそうにブツブツと言っていた。


 ユウリとシュカが剣を収め、ジドに近づいた。


 ユウリたちが来ている事に気付いたジドは、悲鳴を上げて逃げ出そうとした。


 すると、突然ジドの目の前の壁に、風の斬撃が斬り込まれた。


 それはセリナの《エア・スラッシュ》だった。


 これにはユウリも驚きセリナを見ると、ジドに対してセリナの目は「これ以上動いたら殺す」と語っていた。


 どうやら、セリナは自分が商品扱いされた事が、気に食わなかったらしい。


「さて、檻と首輪の鍵を渡してもらおうか」


 そう言われると、意気消沈しているジドは素直に鍵を渡した。


 ユウリはその鍵で全ての檻を開け、首輪も外していった。


「ルリ!ルリ!良かった!」

「お姉ちゃん!」


 檻を出たルリの姉は、ルリと抱き合って喜びに泣いていた。


「良かったな、ルリ」

「うん!ありがとう、お兄ちゃん!」


 ユウリは姉に抱きついているルリの頭を撫でていると、ルリの姉がユウリに深々とお辞儀をした。


「・・・・・・あの、私たちを助けてくださり、ありがとうございます。私は、この子の姉のアンナといいます」

「俺はユウリだ。まあ、君を助ける為だし、気にするな」


 ユウリは笑ってそう答えると、その表情にアンナはドキッとした。


 そして、フェルカに呼ばれて戻るユウリを、アンナは惚けた表情で見ていた。


 ユウリがフェルカたちの所へ戻ると、何故かジドがボコボコになっていた。


「これどうしたんだ?」

「シュカさんが聞きたい事があるって言って・・・・・・」


 その本人のシュカは険しい顔で、ジドに質問をしていた。


「ジドとやら、もう一度聞く。貴様の裏に誰がいる?」

「・・・・・・」

「次は燃やすぞ」

「わ、分かった!話す!話すから!」


 シュカの脅しに観念したジドは、渋々話し始めた。


「・・・・・・私に指示をしているのは、フリヒード公爵だ」

「「ーーッ!?」」


 ジドから出た名前に、シュカとイアンはさらに顔を険しくさせた。


「どうしたんだ、シュカ」

「・・・・・・いや、何でもない。それより、貴様。戻ってフリヒード公爵に伝えろ。お前を公爵の座から引きずり下ろしてやる、とな」

「ーーヒッ!?は、はい!」


 そう言うとジドは脱兎の如く、その場から逃げていった。


「行かせて良かったのか?」

「ああ、むしろそっちの方が都合がいいからな。さあ、あの者たちを連れて戻るぞ」

「・・・・・・そうだな」


 ユウリたちは奴隷だった者たちを連れて、来た道を戻り地下を出た。


 通路を抜けて建物から出ると、建物の前でマリアが待っていた。


「皆様、おかえりなさいませ」

「マリアか。あの件はどうだった?」

「はい、問題ないそうです」


 シュカとマリアが何の話しをしているか分からず、ユウリたちは首を傾げた。


「何の事だ?」

「ん?ああ、マリアに頼んで教会にこの者たちを保護してもらえるかどうか聞いてきてもらったんだ」

「なるほど。・・・・・・っていうか、何でマリアはこの場所を?」

「それは、この子に案内してもらったんです」

「それは、鳥?いや、でも魔力を感じるし」

「はい、この子は私の使い魔です」

「へ~」


 ユウリがマリアに使い魔の事を聞いていると、マリアはシュカに呼ばれた。


 どうやら、怪我をしている者がいるらしく、回復魔法が得意なマリアにその治療を頼みたいそうだ。


 ユウリは怪我をしている者の治療を待っていると、イアンが声をかけてきた。


「ユウリさんは戦闘に慣れているんですね」

「急にどうした?」

「いえ、あの人数に対して、ユウリさんは傷一つ負っていなかったもので」

「と言っても、最後はシュカが持って行ったけどな」

「いや、君は確かに戦い慣れてはいる」


 ユウリとイアンが話をしていると、シュカが話に入ってきた。


「まあ、付け焼刃のような感じはあるが、君は強い。それは私が保証しよう」

「あ、ありがとう」

「それに、君の魔力もなかなか興味深いしな」

「・・・・・・俺の魔力はーー」

「シュカ様、怪我人の治療が終わりました」

「そうか、では行くとするか」

「・・・・・・ああ」


 マリアによる治療が終わると、ユウリたちはマリアの案内で教会に向かったのだった。

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