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シュカの協力

暇だよ~

 ユウリたちはシュカとイアンと共に、ルリの案内で奴隷商に向かった。


 ルリは戻りのが怖いのか、進むにつれてユウリにしがみついていた。


 そんな様子のルリを安心させようと、ユウリは頭を撫でてやると、ルリは気持ちよさそうにしながら白銀の耳と尻尾をパタパタと動かしていた。


「だいぶ懐かれているんだな」

「そうだな。というか、シュカ。一つ聞いていいか?」

「何だ?」

「何でここまで、俺たちに手を貸してくれるんだ?」


 ユウリの質問に、シュカは少し考えて答えた。


「自分でも分からん。だが、お前なら助けてもいいと思ったんだ」

「・・・・・・そうか」


 ユウリはその答えに照れながらも、嬉しさがあった。


 すると、ルリに案内されて裏路地に入ると、ルリが走り出して、ある建物の前で止まった。


「この建物なのか?」

「・・・・・・うん」

「よし、じゃあ行くぞ」


 ユウリが建物の扉をゆっくりと開けて、中を確認すると誰もいなかった。


 中は他に扉はなく、木箱が積んであったり灯りが点いているだけで、見た目は普通の部屋だった。


 しかし、ユウリたちが中に入り、部屋の壁等を見ても何もなかった。そんな時、ルリがユウリの服を引っ張ってきた。


「どうしたんだ、ルリ?」

「お兄ちゃん、こっち」


 そう言うと、ルリは部屋の端に積まれていた木箱を指差した。


 ユウリたちはルリが指差していた木箱を退かしていくが、壁には何もなかった。


「何もないわね」

「そうだね。ルリちゃん、ここに何かあったの?」

「・・・・・・違うの。壁じゃなくて、下なの」

「下って、まさか・・・・・・」


 ユウリは最後の下の木箱を退かすと、床に扉が出てきた。


 ユウリが床の扉を開くと階段が現れ、地下の奥まで続いていた。


「まさか階段とはな」

「だな。暗くてよく見えないけど」

「でしたら、俺にお任せを。《キュア・ライト》」


 イアンが小さな光を出すと、地下通路の中に入れた。だが、意外と深いようで、奥まで見えなかった。


 ユウリたちはイアンの光を頼りに階段を下っていくと、奥に蝋燭の明かりが見えてきた。


「この街に、こんな地下通路があったとは・・・・・・」


 ユウリたちが階段を降り切ると、奥に部屋があり、部屋から男性の怒鳴り声が聞こえてきた。


「誰かいるのか・・・・・・って、シュカ?何着てるんだ?」

「《認識阻害》の魔法が付与されているローブだ。私は顔がバレると色々とマズイのでな」


 すると、再びルリがユウリの服を引っ張った。


「お兄ちゃん、あそこ。あそこにお姉ちゃんがいるの」

「あの部屋か」


 ユウリたちは怒鳴り声が聞こえる部屋の前まで行き、部屋の中の会話に耳を傾けた。


 会話の内容はルリの事だった。


「白狼族のガキはまだ見つからないのか!」

「申し訳ありません・・・・・・」

「クソッ!白狼族は希少だから高値が付くっていうのに!」


 その会話を聞いていたシュカがイラつき始め、ドアを蹴り破ろうとしたので、ユウリたちは全力で止めた。


「待て待て!まだ中に何人いるのか分からないのに、ドアを蹴り破る奴がどこにいる!」

「ここにいるぞ」

「開き直るな!」


 ユウリとシュカが小声で言い合いをしていると、セリナが腰からナイフを抜き、突き立てるように地面につけた。


「私がやるから、少し待ってて。《バイブレート・サーチ》」


 セリナは魔法を使うと目を閉じて、微細な振動に集中していた。


「・・・・・・28人。いえ、30人ね」

「30人なら余裕だな。行くぞ!」

「あ!おい!」


 セリナが部屋の中の人数を確認すると、シュカは思い切りドアを蹴り破った。


 部屋の中に入ると、いくつかの鉄格子があり、その中には奴隷が何人もいた。


 シュカはその光景を目の前にして、さらに頭に来ていた。


「おい、貴様。これはどういう事だ。何故、奴隷がここにいるのだ?」

「おい、いきなりなんなのだ!」


 武装した人達の中から出てきた太った男が、ユウリたちに怒鳴り散らした。


「私が聞いているのだ、この愚か者!」

「ーーッ!?」


 シュカの一喝で太った男が怯んだが、フェルカやセリナを見るとニヤリと嗤った。


 それはまるで、品定めをするような嫌な視線だった。


「おやおや、あの白狼族のガキじゃないか」

「・・・・・・ルリ!?ルリがいるの!?」


 鉄格子の中からルリの事を聞いて叫ぶ女性がいた。


「お姉ちゃん!助けに来たよ!」

「ルリ!」


 ルリの姉は妹が無事だと分かると、崩れるように泣いた。


 しかし、そんな感動の再会を邪魔するように太った男が嗤っていた。


「エルフもいるじゃないか。こんな珍しい商品がいるとはね~。ブヒヒ!」


 太った男は舐め回すようにフェルカたちを見るので、ユウリは彼女たちを後ろに隠した。


「それに・・・・・・。そこの女もなかなかだ。俺様の妾にしてやる。お前等!絶対にコイツ等を逃がすな!」

「・・・・・・あ?」


 太った男の言葉に、今度はユウリがイラつき始めた。


 そして、ユウリは淡々と男の前に行くと、思い切り男を蹴り飛ばした。


「ブホッ!?・・・・・・き、貴様ッ!何をする!私を誰だと思っている!」

「喋るブタだろ?」

「誰がブタだ!このクソガキ!私はジド様だぞ!」

「だから何だ?」


 誇らしげに自分の名前を言うジドだが、ユウリの興味無さげの反応に悔しそうにしていた。


 その会話を聞いていたシュカは爆笑をしていた。


「なかなか面白い返しではないか。しかし、お前でも怒るのだな?」

「当たり前だ。人の女に手を出す奴は許さん」

「・・・・・・ぐぬぬ、仕方ない。おい、お前たち!そいつらを殺せ!」


 ジドがそう命令をすると、護衛たちが一斉に剣を抜いてユウリたちを囲んだ。


「イアン、その子供を守ってやれ」

「はい!」

「ここは俺とシュカでやる。フェルカは氷の壁で自分たちを囲んどけ」

「うん!」


 シュカはイアンに指示を出すと、イアンは剣を抜いた。


 フェルカもユウリの指示通りに、《アイス・ウォール》で自分たちを囲んだ。


「・・・・・・さて。半分は任せたぞ、ユウリ」

「ああ」


 ユウリとシュカは腰から剣を抜くと、魔力を込めて構えた。

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