奴隷の少女
家にいても暇過ぎるよ~
ユウリがぶつかってしまった亜人の少女は、白銀の髪に狼の耳が生えており、お尻には白銀の狼の尻尾も生えていた。
そんな少女の服はボロボロで、何より、首に鎖付きの首輪をしていた。
「・・・・・・白狼族」
首輪を見てセリナが驚いていると、ユウリが腰を低くして、少女に声をかけた。
「ぶつかってごめんな。大丈夫だったか?」
ユウリが声をかけると、少女は力尽きたように、その場に倒れてしまった。
「ーーッ!?おい!しっかりしろ!」
しかし、少女はユウリの呼びかけに反応しなかった。
どうやら気絶してしまったようだ。
「この子、だいぶ疲労しているわ」
「じゃあ、一旦宿屋に戻ろうよ」
「そうだな」
ユウリは少女を抱きかかえると、宿屋に戻った。
少女をベッドに寝かすと、フェルカとセリナも部屋に戻ってきた。
「あの子の様子はどう?」
「今はぐっすり寝てるよ」
ユウリがそう言うと、フェルカは少女を心配そうに見ていた。
「・・・・・・やっぱり、白狼族ね。この子」
「白狼族?」
「ええ。白狼族は元々、雪山とかに住んでるのよ」
ユウリはセリナの説明を聞いていると、フェルカも説明を始めた。
「白狼族って他の種族に比べて、数が圧倒的に少ないんだよ」
「そうね。だから希少な白狼族を捕まえて、奴隷にしようとする人が多いの」
「そうなのか・・・・・・」
「でも、戦闘種族の白狼族が奴隷になってるなんてね・・・・・・」
ユウリたちがそんな話をしていると、ベッドで寝ていた少女が目を覚ました。
それに気付いたユウリは少女に声をかけた。
「大丈夫か?」
ーービクッ!
ユウリが声をかけると少女は身体を震わせ、怯えた様子でユウリたちを見た。
「・・・・・・大丈夫、俺たちは君に酷い事はしないよ」
「・・・・・・」
ユウリの言葉で少女の震えは止まったが、まだ少し怯えていた。
「なあ。君の名前を教えてくれるか?」
「・・・・・・ル、リ」
「そうか、ルリか。俺はユウリだ」
「・・・・・・ユウ、リ」
白狼族の少女、ルリは弱々しく答えた。
すると、今度はフェルカがルリに質問をした。
「私はフェルカ。よろしくね、ルリちゃん」
「・・・・・・」
「ルリちゃんは昼間、何であんな所にいたのかな?」
フェルカが質問をすると、ルリは何かを思い出したようだった。
そして、近くにいたユウリにしがみついた。
「・・・・・・そう。そうなの!お願い!お姉ちゃんを助けて!」
ルリは涙を溢しながら、必死にユウリにお願いをした。
ユウリは泣いているルリを宥めながら、事情を聴いた。
どうやら、ルリの村が何者かの集団に突如襲撃されたそうだ。ルリの両親は抵抗したが殺され、ルリたち姉妹は捕まってしまい、奴隷商に流された。
そこで、ルリの姉が奴隷商人の目を盗み、ルリだけを逃がしたそうだ。
話を聞き終えると、ユウリはルリを撫でながらフェルカとセリナを見た。
「フェルカ、セリナ。俺・・・」
「分かってるよ。助けたいんでしょ?」
「良く分かったな、フェルカ」
「えへへ。これでもユウリの恋人ですから!」
照れているフェルカとは逆に、セリナは呆れたようにため息をついていた。
「・・・・・・はあ。どうせ言うと思ったわ」
「うん。私はユウリに付いていくよ」
「悪いな、二人共」
ユウリの提案にフェルカとセリナが賛同すると、再びルリを見た。
「という訳だ。ルリの姉さんを助けてやる」
「本当!?いいの!」
「おう、任せろ」
その後、ルリの怯えや緊張も消え、一緒に夕食を取りに行った。
夕食を取った後、ルリは再びぐっすりと寝てしまったので、ユウリたちも今日は休む事にした。
翌日、ルリはすっかり元気になっており、身体を綺麗に洗った後、昨日フェルカとセリナが買ってきた子供用の服を着せて朝食を取りに行った。
ユウリは朝食を取っているルリが可愛く、頭を撫でると、ルリもユウリに甘えてきた。
ルリもかなりユウリたちに懐いたようで、呼び方も「お兄ちゃん」「フェルカお姉ちゃん」「セリナお姉ちゃん」となっていた。
朝食を取った後、ユウリたちが装備を持って宿屋を出ると、ルリの案内で奴隷商に向かった。
すると、ギルドの方からシュカたちが歩いてきて、こちらに気付いた。
「ん?おや、ユウリたちじゃないか。今日はパーティーを組めるのか?」
「シュカか。いや、今日は少しが用事があってな・・・・・・」
「ふむ、用事とはその白狼族の事か?」
「ああ」
ユウリはそう答えると、シュカに質問をした。
「なあ、シュカ。この街は奴隷売買はあるのか?」
「奴隷売買?いや、それはないぞ。そもそも帝国の領地内での奴隷売買は禁止されているからな」
「マジかよ。なら、話が早いな。実は・・・・・・」
ユウリはルリの事を話すと、シュカは静かに聞いていた。当のルリはユウリの後ろに隠れていた。
ユウリが話し終えると、シュカはマリアに何かを言うと、マリアは急ぎ足でどこかに向かった。
「話は分かった。私たちも加勢しよう」
「助かるよ。仲間は多い方がいいからな」
「そうだな。それに戦いになったら、Sランクの私の出番だしな」
「・・・・・・は?」
シュカが当然のように放った言葉に、ユウリたちは驚きが隠せなかった。
「Sランク?マジで?」
「ああ、本当だぞ。嘘を言ってどうする」
「・・・・・・だよな」
「うむ。では、すぐに向かうぞ」
「ああ」
ユウリたちはシュカとイアンと共に、奴隷商に向かう事になった。
少しでも面白いと思ったらブックマークお願いします!
pt評価もよろしくお願いします!




