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怒りと変化

最近欲しかった『鬼滅の刃』をやっと一気買えできたんですが、何故か18巻が何処にも売ってないから、18巻だけ抜けてるんです。。

早く入荷しないかな~。。

 セリナが全身に火傷を負ったユウリに回復魔法をかけていると、ミサとの戦闘を切り上げたフェルカが走ってきた。


「セリナ!ユウリは!?」

「ダメ、全然治らない・・・・・・」


 フェルカは鬼気迫る様子で、フェルカにユウリの容態を聞いた。


 それにセリナが俯きながら答えると、フェルカは持っていた剣を落とし、顔は蒼白になった。


「・・・・・・絶対に・・・・・・許さない」

「フェルカ・・・・・・?」


 少ししてセリナは様子が変わったフェルカを見ると、いつもの優しい目ではなく、殺意の籠った鋭い目でグレウスドラゴンを睨んでいた。


 すると、グレウスドラゴンの横から、ユウリの魔法を解除したディレスが歩いてきた。


「いや~、参った参った。・・・・・・て、あれ?少年やられてね?」

「さっきこの子にやられたんだよ」


 ミサはそう言って、グレウスドラゴンを軽く叩いた。


 ミサとディレスがそんなやり取りをしていると、フェルカは落とした剣を拾い、ゆっくりと歩き始めた。


 セリナはフェルカを止めようと手を伸ばすが、ゾクッと背筋が凍る感覚が走った。


「・・・・・・ん?なんだ嬢ちゃん、まだやるかい?」

「貴方たちは絶対に・・・・・・許さないッ!《水龍》ッ!」

「・・・・・・何それ」


 フェルカはまだ解いていなかった《水龍》を呼ぶと、木々の間から勢いよく出てきた。


 そして、不思議な事に魔力が底を尽いていたはずのフェルカから、魔力が感じられるのだ。


「《水龍》ーーッ!ドラゴンを止めて!」

「グオオオオーーッ!!」


 フェルカが指示を出すと、《水龍》はグレウスドラゴンに巻き付き噛みついた。グレウスドラゴンもほどこうと暴れるが、その度に《水龍》の噛みつきが強くなっていった。


 《水龍》の攻撃でグレウスドラゴンの鱗もボロボロになり、噛みつかれる度に出血し始めた。


「ーー、ーーー!!!」


 グレウスドラゴンは悲鳴を上げながら、振りほどこうと必死になっていた。


 一方フェルカは、ミサとディレスに剣を振るが、止められるか受け流されるかで、なかなか攻撃が当たらない。


 フェルカはディレスに攻撃を避けられると、そのまま地面に倒れ込んだ。


「・・・・・・負け、ない」

「・・・・・・」


 フェルカの身体は既に限界きているが、それでも必死に立ち上がり、剣を構えた。


「・・・・・・ゴホ、ゴホッ!?ーーッ!?」


 フェルカは突然の咳に、口を押えた。


 そして、フェルカは自分の手を見ると、血が付いており、口からも血が出ていた。


「おいおい。嬢ちゃん、まさか魔力枯渇の状態で魔法を使ってんのかよ」

「フェルカ、もうやめて!貴女が死んじゃう!」


 魔力枯渇は文字通り魔力が底を尽いている状態の事で、そんな状態で魔力を引っ張り出し、無理に使うと身体が拒絶反応を起こし、最悪、死に至る。


 その証拠に、フェルカの首筋に血管が浮き出しており、今にも破裂しそうな状態である。


 そんなフェルカを止めようと、セリナが大声でフェルカに呼びかけるが、フェルカの耳には届いていなかった。


「・・・・・・フー!フー!」


 フェルカは息を荒げながら、限界がきている身体を無理に動かし、ディレスに斬りかかった。


 ディレスも流石に見るに見兼ねて、斬りかかってきたフェルカの腕を掴み、セリナたちの方へ回すと、そのまま蹴り飛ばした。


「・・・・・・大人しく寝てろ」

「ーーぐっ!?」


 蹴り飛ばされたフェルカは勢いよく転がり倒れると、這いずって動こうとしていた。


 しかし、全てが限界のフェルカは意識が朦朧としてきており、《水龍》も徐々に形を無くし、程無くして消えていった。


 這いずっていたフェルカはもう意識を手放そうとした時、何かに抱き寄せられた。


「ごめんな、フェルカ。こんなに無理をさせて」

「ーーー!?」


 フェルカは自分を抱き寄せている人を見ると、声が出ないほど驚き、涙が止まらなかった。


 それは大好きで、愛おしくて、自分にとっての憧れの人なのだから。


「あとは、俺に任せてくれ」

「ユウ、リ・・・・・・」


 泣きじゃくるフェルカにユウリは優しく頭を撫でた。





~~~~~~~~~~~~~~~~~





 フェルカが戦闘中、セリナはダメだと分かっていても、ユウリに回復魔法をかけ続けた。


 しかし、当然ユウリの火傷が治るわけもなく、諦めてフェルカの援護に行こうとした時だった。


 ユウリの魔力回路に何等かの変化が生じたのを、セリナは感じ取った。


 そしてユウリを見ると、今まで回復魔法でも治らなかったはずの火傷が、嘘の様に再生していった。


「・・・・・・何、これ。どういう事?」


 全身の火傷が数秒で完全に治ると、ユウリの指が少し動いた。


 それに気付いたセリナは、ユウリに声をかけた。


「ユウリ!聞こえる?」

「・・・・・・んん」


 セリナが声をかけると、ユウリは少しずつ目を開けた。


「・・・・・・セリナか」


 ユウリは起き上がると、自分の身体を触って確かめた。


「・・・・・・やっぱり、治ってるのか」

(それに魔力も・・・・・・)


 ユウリはパンドラが言っていた事を思い出し、自分の魔力を感じると、明らかに魔力量が増えており、元の魔力量の倍以上あるのが分かった。


「これ、どういう事なの?何で急に火傷が治ったのよ?」


 セリナはユウリの急な回復に戸惑い、質問をした。


 だが、ユウリはその質問を後回しにし、辺りを見回してフェルカを見つけた。


「悪い、それはあとで話す」

「え?あ、うん・・・・・」


 ユウリは転がっていた自分の剣を鞘に納め、フェルカの下へ向かった。質問を後回しにされたセリナは少し反応が遅れた。


 倒れていたフェルカを抱き寄せたユウリは、フェルカの頭を優しく撫でると、フェルカは疲労が一気にきて寝てしまった。


 ユウリはフェルカを抱き上げてセリナの所へ戻ると、フェルカをセリナに預けた。


「フェルカを頼む」

「ええ、分かったわ。・・・・・・勝てるのよね?」

「ああ」


 ユウリはそう言って、ディレスたちの方へ歩いていった。


「何で瀕死だったお前が動けるんだ?やっぱり、本当に面白いな」

「フェルカは生きてるの?」

「ああ、おかげ様でな」


 ユウリがミサに答えると、ディレスは突然ユウリに斬りかかってきた。


 ユウリもそれに反応し、腰から剣を抜いて防いだ。


「復活したなら戦えるよな!」


 そう楽しそうに言うディレスを、ユウリは剣で押し返した。


 押し返されたディレスは上手く着地し、再びユウリに勢いよく斬りかかった。


「もうお前には負けない」


 ユウリはそう言うと、ディレスの剣を躱した。ディレスは転がり受け身を取り立ち上がったが、すぐにその場に片膝をついた。


 ディレスは右の横っ腹が切れており、出血していた。


 ユウリがディレスの攻撃を躱した際に、ディレスを斬ったのだ。


「・・・・・・クソッ!」

「今はお前らと戦っている暇はないんだ。邪魔はしないでくれ」


 ユウリはそう言うと、グレウスドラゴンに身体を向き直した。


「お前の炎にも、もう負けない」


 ユウリは手を前に持ってくると、詠唱を唱え始めた。


「【彼の者は全てに怒り、嘆き、絶望した。それ故に、願ったのは焼却である。あらゆるものを焼き尽くし、地獄の光景を見せたまえ。】」


 詠唱を唱えると空気が重くなり、ユウリの前に禍々しい魔法陣が現れた。


「あれはマズイ!ミサ、下がれ!グレウスドラゴン!最大火力で燃やせ!」

「グオオオオオオ!!」


 ディレスはユウリの魔力にとてつもなく嫌な感じがして、グレウスドラゴンに指示を出した。


 グレウスドラゴンは炎を溜めて、最大火力で一気にユウリにブレスを吹いた。


「ーー《インフェルノ・ドラグーン》ッ!!」


 ユウリは黒い炎を放つと、グレウスドラゴンのブレスにぶつけた。


 すると、黒い炎はブレスを飲み込む様にどんどん押し込んでいき、グレウスドラゴンを燃やし始めた。


「グオオ、オオオオ!!」


 ユウリはすぐさま魔法を解き、剣に魔力を流した。そして、ユウリは勢いよく走りだし、変化した魔力により真紅に光る剣を構えた。


「ーーはあッ!!」


 ユウリは走ったまま勢いよく跳び、剣を思い切り振った。


 すると、剣は燃えているグレウスドラゴンの首を、いとも簡単に切り飛ばした。


 飛んだグレウスドラゴンの首は地面に落ち、残った身体も黒い炎が消えて地面に倒れた。


「・・・・・・嘘でしょ」

「おい、ミサ!今は一旦引くぞ!」

「・・・・・・分かった。リア!」


 ミサは急いでペットの巨大な鳥、リアを呼んで飛び乗った。そして、デイレスも跳んでリアに乗った。


「おい、少年。名前は?」

「・・・ユウリだ」

「そうか、覚えておく。言っておくが、これからも俺たちを邪魔をするようなら、全力でお前らを潰す」

「俺たちは絶対に負けないぜ」

「なら、楽しみだな・・・・・・」


 ディレスがそう言うと、リアは高く飛び始めた。リアが高く飛んでいると、ミサが顔を出してきた。


「じゃあね、ユウリ!今度は私とも遊ぼ~!」

「あ!おい、待て!」


 ユウリが追いかけようとするが、リアは勢いよく飛んでいってしまい、ディレスとミサを逃がしてしまった。


 ユウリはその場に残った燃えた木々の香りにため息をするしかなかった。


 こうしてユウリたちは甚大な被害が出ながらも、邪神教の襲撃を戦い終えたのだった。

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