継承
どうも、雀です。。
最近、寝ても眠いよ~。。
ユウリは目を開けると、見覚えのある場所に立っていた。そして、見覚えのある少女が呆れた顔でこちらを見ていた。
少女はため息をつきながら、ユウリに近づいた。
「・・・・・・あのね、ユウリ。確かに私は、また会いそうな気はすると言ったよ。だけどね、ちょっと早過ぎない?」
「・・・・・・ですよね」
呆れている少女、パンドラの言葉に、ユウリは顔を逸らしながら答えた。
「待て。俺がここにいるって事は、俺は死んだのか?」
「残念ながら、まだ死んでいないよ」
「そっか、なら良かった」
「でも前と違って、今はとても危険な状況なんだよね」
パンドラは目を細めて、安堵したユウリに言った。その言葉にユウリの身体は少し強張った。
「危険って、どういう・・・・・・」
「今のユウリたちの状況を教えてあげる。ユウリはグレウスドラゴンのブレスで、大火傷を負って意識不明。他の二人は魔力が底を尽いて、戦闘ができない」
「ーーッ!?」
パンドラはユウリの周りを歩きながら、今起きている事を淡々と話した。
「なら、早く戻らないと!」
「それは無理だね~」
「何で!」
「今戻って、ユウリに何ができるの?大火傷を負って、動けないんだよ?」
戻ろうとするユウリを、パンドラは正論をぶつけて止めた。
そんなユウリはパンドラの正論に、顔を俯かせた。
「・・・・・・じゃあ、何もできないで死ぬしかないのかよ」
「まあ、そこで私の役目ですよ」
「・・・・・・?」
ユウリはパンドラが何を言っているのかよく分からず、首を傾げた。
パンドラはユウリの目に立ち、真剣な表情でユウリに質問をした。
「ユウリ。貴方は力が欲しい?」
「ああ、俺は力が欲しい。アイツらを、皆を助ける力が欲しい」
「それがたとえ、自分の身を滅ぼすものであっても?」
「ーーッ!?」
パンドラの言葉にユウリは戸惑った。ユウリは分かっている。パンドラの言葉は嘘ではない、使えば確実に自分を潰すものであると。
だがーー。
「・・・・・・ああ。それでも俺は、力が欲しい」
ユウリの答えにパンドラは、薄っすらと笑みを浮かべた。
「契約完了だよ、ユウリ」
「契約?」
何の事か分からないユウリに、パンドラが説明を始めた。
「私はね、とある魔法属性の継承をしているの。そして、契約をすれば、その魔法属性を継承できる資格が与えられるって事」
「・・・・・・魔法属性を継承?魔法じゃなくて?」
「うん。因みに、その魔法属性を継承すれば、今まで継承した人がその魔法属性で創った魔法を使えるし、魔力量も上がるんだよね~」
「何それ、チートじゃん」
パンドラの説明に、思わずユウリはツッコんでしまった。
「でも、その魔法属性の魔法を使えば使うほど、使用者の身体は蝕まれていくの。謂わば呪いだね」
「なるほど、それであの質問か」
「そういう事~」
パンドラはユウリに「大正解~」と無邪気に拍手をした。
「・・・・・・分かった。継承する」
「いいの?死ぬかもしれないよ?」
「どうせ、継承しなくても死ぬだろ」
「まあね~。じゃあ継承させるよ」
そう言うと、パンドラはユウリの左胸に手をかざして、詠唱を唱え始めた。
「【我、パンドラの名において、汝、久世ユウリに継承する。力の名は[ブラッド・ロード]。我は汝を第8継承者として認めよう】」
「ーーガッ!?」
パンドラが詠唱を唱え終えると、ユウリは突如、何かに心臓を握られるような痛みに襲われた。
しかし、痛みは数秒経つと突然消えたのだった。
「ハア、ハア・・・・・・」
「どうだった?」
「死ぬわ!」
パンドラが先程の痛み感覚をユウリに尋ねると、ユウリは息切れをしながらツッコんだ。
「何あれ!俺、死ぬかと思ったわ!」
「アハハ、私の時もそうだったよ~」
ユウリはパンドラの言葉にため息をつきながら、ふと疑問が浮かんだ。
「なあ、パンドラって何番目の継承者なんだ?」
「私?私は、第2継承者だよ~」
「・・・・・・は?第2?」
「何、その顔?何か文句でも?」
「あ、いや・・・・・・」
その瞬間、ユウリは一気に考えるのを止めたのだった。
何せ、パンドラの容姿、話し方等、全てがユウリよりも年下の少女なのだから。
「あのね、私がここにいるのはとある事情だし。この姿はここに来た時の姿で、そこから歳を取ってないからだし」
「ああ、なんだ。そういう事ね」
ユウリは答えてくれたパンドラに、割と本気で謝った。
ユウリはそんな気まずい空気を換えようと、話を進めた。
「でも、無事に継承できたんだよな?」
「うん、それはもうバッチリに」
「うし!ならすぐ戻らないと」
「ーーあっ!ちょっと待って」
魔法属性を継承したユウリが戻ろうとすると、再びパンドラに止められた。
「今回は特別だからね」
そう言うと、パンドラはユウリに回復魔法をかけた。
「火傷を治癒しておいたから」
「・・・・・・ありがとうな」
「勝ってね、ユウリ」
「ああ、任せろ」
ユウリはパンドラの頭を撫でると、パンドラは少し照れくさそうに笑った。
すると、ユウリの身体が足元から徐々に消え始めた。
そして、ユウリはパンドラに見送られながら消え、意識を戻したのだった。
今回の話で若干チート要素が加わりました~!
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