僅かな希望
テストがあと一教科だけ!
最後、頑張ります!
ユウリが奈落に落ちて約二ヶ月が過ぎようとしている頃、現在慶太たちは最高到達階層である第21階層まで来ていた。
「・・・・・・ふう。これで終わりだね」
「そうだな」
慶太たちは魔物を倒した後、前にいる和人たちのパーティー(今では勇者パーティーと呼ばれている)から遅れないように探索を続けた。
少し進むと、勇者パーティーとラグドが止まった。
「この辺で少し休憩を取るぞ」
「「はい!」」
ラグドが指示を出すと、各々休憩をし始めた。クラスメイトたちが休憩をしている中、雅は一人で探索を続けていた。
「やっとここまで来たんだね。・・・・・・あれ?」
探索を続けていた雅は、どこからか風が吹いている事の気が付いた。雅は風が吹いている方向を向くと、天井に大きな穴が開いていた。
「上が暗くて全然見えない・・・・・・。これ、どこから続いてるんだろ?」
雅が穴の下を歩いていると、何かを踏んだようだった。踏んだものを見ると、雅は目を見開いた。
「これって・・・・・・」
雅はしゃがんで、それを拾った。それはダンジョンに行く前に、王国で皆に配られた収納袋だった。雅はすぐに名前が書いてあるタグを確認した。
すると、後ろから皐月が走ってきた。どうやら、戻ってこない雅が心配になったようだ。
「ハア・・・・・・ハア・・・・・・。雅ちゃん、そろそろ出発しちゃうよ?」
「・・・・・・皐月。やっぱりユウリ君は生きてるよ」
「雅ちゃん?」
雅が振り向くと、目に涙を浮かべていた。しかし、顔はとても嬉しそうだった。皐月は理由が分からなかったが、雅が見せた袋のタグを見ると驚いた。
何せそこには『久世ユウリ』と書かれていたからだ。
「ユウリ君・・・・・・。良かった・・・・・・」
「雅ちゃん、良かったね・・・・・・」
皐月は雅を優しく抱きしめると、雅は袋を握りしめて泣きじゃくった。
しばらくして雅が泣き止むと、涙を拭いて慶太たちの所へ戻った。慶太とクレイは戻ってきた雅が目を赤らめていた事を心配していたが、雅と皐月は「戻ってから話す」と言って、今は先に進む事にした。
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今回の探索は第22階層の手前で終わりにし、慶太たちは王国へ帰還した。王国に帰還した後、国王のブライドに報告を終えると、雅と皐月は慶太とクレイ、アリサを集めた。
そしてダンジョンで見つけた袋を見せると、慶太とアリサは涙を浮かべ、クレイは安堵の笑みを浮かべた。
「しかし、第21階層にはユウリはいなかったぞ」
「多分、ユウリの事だからもっと先まで進んだんだと思う」
そこで、アリサが手を挙げて質問をした。
「ユウリさんが落ちた場所は、現時点の最高到達階層なんですよね?大丈夫なのでしょうか?」
その質問に慶太は、苦笑いをしながら答えた。
「・・・・・・う~ん。根拠はないんですが、ユウリなら大丈夫は気がするんです。昔から一緒だとそう思うんです」
「・・・・・・分かりました。慶太さんを信じます」
アリサは両手を胸の前に持ってくると、手をキュッと握りユウリの無事を祈った。
「しかし、皆様も無茶はしないでください」
「うん、私たちに任せて!」
「安心しろ。私たちがユウリを連れて帰るさ」
クレイは慶太たちを心配するアリサの頭をゆっくりと撫でた。
ユウリの痕跡が見つかったその日、夜の空は穏やかで、月の光は僅かな希望が生まれた慶太たちを照らしていた。
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