森林の主 2
最近色々やらかしてしまった。。
「ブオオオオオーーッ!!」
ユウリに横っ腹を斬られたフォレストホーンは、苦しむような悲鳴を上げていた。ユウリは追撃をしようとしたが、フォレストホーンが暴れ出したので、避けつつフェルカたちの所まで下がった。
少しして静まったフォレストホーンは、身体の魔力の線を光らせた。すると、ユウリが剣で斬った箇所に草が次々に生えてきた。
「ーーっ!?」
生い茂った草が徐々枯れていき、全ての草が散ると傷口が無くなっていた。
「さ、再生した・・・・・・ッ!?」
「・・・・・・そんな」
目の前で傷口が再生していく光景に、ユウリたちは絶望感を覚えた。
完全に再生したフォレストホーンは息を荒くしながら、角を前に押し出しながらユウリたちに突っ込んできた。
「二人とも、避けて!」
「うおっ!?」
「きゃっ!?」
ユウリたちはそれぞれ左右に飛び退き、フォレストホーンの攻撃を躱した。フォレストホーンはそのまま前に突っ込んでしまい、扉に激突すると、大きく鈍い音と地響きがユウリたちにまで伝わった。
扉に激突したフォレストホーンは後ろへ振り向くと、ユウリに向かって走り出した。
「・・・・・・このっ!!」
ユウリはフォレストホーンの突進を避けながらも攻撃をしようとするが、振った剣はフォレストホーンの角に辺り弾かれてしまった。
「あの角、硬すぎだろ・・・・・・」
角に弾かれたユウリを尻目に、フォレストホーンはフェルカとセリナの方へと向かって走った。
「フェルカ、セリナッ!」
「ーーッ!?《アクア・バインド》ッ!」
突撃してくるフォレストホーンの角に水の鎖が巻きつき一瞬動きを止めたが、フォレストホーンは頭を大きく振り、水の鎖を千切った。そしてフェルカとセリナに再び突撃し始めた。
「《エア・ストラム》ッ!」
セリナはフェルカの手を取り、ギリギリのところで空中に避けた。
「今よ、フェルカッ!」
「うん!《アイシクル・ブラスト》ッ!」
フェルカの放った複数の氷柱は、フォレストホーンの背中に刺さり動きを止めた。フェルカとセリナはその際に、ユリと合流した。
「大丈夫か、二人とも」
「うん」
「ええ、なんとか」
ユウリたちが合流している間に、動きを止めたフォレストホーンの傷口はまたも再生していった。
「・・・・・・また再生したの?」
「ああ。しかも奴の角、凄い硬ぇ」
「どうにか動きを止められればいいんだけど・・・・・・」
セリナがそう言うと、フェルカは少し考えた。
「・・・・・・ねえ。私、動き止められるかも」
フェルカのその言葉に、ユウリとセリナはかなり驚いた。
「・・・・・・できるのか?」
「多分だけどね。でも数秒だよ?」
「それでも構わない。頼む」
「・・・・・・分かった、やってみる!」
そう言うと、ユウリとセリナは顔を見合わせてから頷きあい、お互い左右逆に走り出した。それにフォレストホーンは反応し、動きだした。
(《アクア・バインド》で「あれ」を使えば、一瞬なら・・・・・・ッ!)
フォレストホーンが走り出そうとした瞬間、フェルカは手を前に出した。
「《アクア・バインドーー》」
水の鎖がフォレストホーンの脚に巻き付いたのを確認するとーー。
「《ーーフローズン》ッ!」
フェルカが拳を握ると、水の鎖はだんだんと凍っていった。フォレストホーンは鎖を千切ろうと脚を上げるが、鎖は凍っているせいでなかなか千切れなかった。
数秒後、ようやく凍った鎖を千切ったフォレストホーンが動き出そうとするが、すでにフェルカとセリナは魔法陣を展開しており、ユウリも剣に魔力を流して足元まで来ていた。フォレストホーンはユウリを蹴り飛ばそうとした。
「遅いーーッ!」
ユウリは蹴られるよりも速く、フォレストホーンの右前脚を切った。フォレストホーンが体勢を崩すと、フェルカとセリナが魔法で追撃をした。
「《ストーム・スピア》ッ!」
「《アイシクル・バレット》ッ!」
「ブオオオオオオオーーッ!!」
左からは風の槍が刺さり、前からは大きな氷柱が当たるとフォレストホーンは荒々しく雄叫びを上げた。フォレストホーンが再生する前に倒そうと、ユウリたちが追撃しようとした。するとフォレストホーンからは大量の魔力が吹かれて、ユウリたちはひるみ攻撃ができなかった。
もう一度攻撃をしようとすると、ユウリたちは何かに弾き飛ばされた。飛ばされたユウリたちは受け身をしっかりとり、立ち上がった。
「何だったんだ、今の?」
「ーーッ!ユウリ、あれ!」
フェルカが指を指すと、先程の攻撃で食らったはずのフォレストホーンの傷が、今まで以上の早さで再生していった。さらにフォレストホーンの目は碧色に光り、周りには草や蔓が自由に動いていたのだった。
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