アデルト森林
夏休みって最高ですね。。
コルナの店でポーションを買ったユウリたちは、セリナにシュペルヘイムの外れにある森に案内された。
どうやらここには結界が張られていないので、スムーズに行く事ができた。
「本当にこんな所にダンジョンがあるのか?」
「ええ、何回も来てるから間違いないわ」
そう言ってユウリたちは森の中を進んでいくと、そこには大樹が立っていて、その大樹を囲むように空間ができていた。
「着いたわ」
「ここにダンジョンがあるのか?」
ユウリが辺りを見渡しても、ゼハード迷宮のような所は見当たらなかった。
(それっぽいものが見当たらないとなると・・・・・・)
すると、大樹を見ていたフェルカが何かを見つけたらしく、ユウリを呼んだ。
「ねえユウリ、これ見て」
「・・・・・・これは、魔法陣か」
(やっぱりな・・・・・・)
そこには大樹に魔法陣が刻まれていた。この刻まれている魔法陣の術式は、こちらが魔力を流さなければ起動しない仕組みとなっていた。
(まあこの辺に洞窟とかはないし、セリナがここにダンジョンがあると言っていたからな)
ユウリとフェルカが魔法陣を見ていると、セリナが後から来た
「ユウリ、この大樹に刻まれている魔法陣がーー」
「アデルト森林の入り口だろ?」
「知ってたの?」
「大体は予想がつくさ」
(・・・・・・魔法陣の転移は何回か経験してるからな)
ユウリはセリナの受け答えを適当に流すと、魔法陣に手を置いた。
「フェルカ、セリナ。いいか?」
「うん」
「ええ」
「よし、じゃあ行くぞ」
ユウリは魔力を魔法陣に流すと、魔法陣が起動し目の前に大きな魔法陣が現れた。ここからアデルト森林の中に転移するらしい。
ユウリたちはその魔法陣の中に入ると、シュペルヘイムのような森が広がっていたがどこか違う不思議な感覚だった。そして、ユウリたちがアデルト森林に入ると魔法陣は消えてしまった。
「ここがアデルト森林・・・・・・」
「感慨深いのは分かるが、戦闘について話したい」
「えっ!?・・・・・・ええ、分かったわ」
ユウリはやっと来れたという感動を味わっているセリナを強制的に現実に引き戻し、近くにいたフェルカも呼んだ。
「・・・・・・セリナは魔法中心の戦い方か」
「そういえば聞きたかったんだけど、ユウリとフェルカってどれくらい魔法を使えるの?」
「俺は初級魔法だけだ。それ以上は習っていない」
「私は中級魔法までなら使えるよ」
ユウリたちの使える魔法を聞くと、セリナは頬を引きつらせた。
「嘘でしょ・・・・・・。貴方たち本当によくここまで来れたわね」
「じゃあ、セリナはどれくらい使えるんだよ?」
「あれ?確かエルフって魔法に関してはどの種族よりも一番だよね?」
「ええ、そうよ。私は一応帝級魔法は少しは使えるわよ」
「マジか!?」
この世界には様々な種族が存在する。人間、エルフ、獣人族等だ。獣人族は、姿は人間であって身体に獣の特徴がある種族の事だ。いわゆるケモミミ等だ。
エルフはその様々な種族の中で一番魔法が優れているという訳である。
「じゃあさ、セリナ。ダンジョンから戻ったら魔法を教えてくれ」
「いいな~。私も私も!」
「ええ、いいわよ。ユウリはスパルタでいいわよね?」
「おい、酷いな」
ユウリたちがそんな話をしていると、セリナの耳がピクリと動いた。
「・・・・・・待って、何か近づいてる。この感じは魔物ね」
「早速か」
ユウリとフェルカは剣を抜き、セリナは魔法の用意をした。前から羽音のような音がだんだんと近づいてきて、そして森の奥からは鉢の魔物、ポイズンビーが飛んできた。
「ポイズンビーの針に刺されると、毒で死ぬかもしれないから気を付けて」
「それ言うの遅くない、かっ!」
そう言いながら、ユウリは飛んできたポイズンビーの一体を斬った。
それでも次々に飛んでくるポイズンビーに、ユウリは少し苦戦した。
「数が多すぎだろッ!」
「ユウリ、頭下げてッ!」
「ッ!」
ユウリはフェルカの言う通りに腰を下げ身体を低くすると、前からフェルカが剣を突き出してユウリの頭の上を通り、後ろにいたポイズンビーを突き刺した。
そしてユウリもその動きに合わせて前に跳び、剣を上に振り上げてフェルカの後ろに迫っていたポイズンビーを斬り裂いた。
「ユウリ、フェルカ!そこから離れて!《エア・スラッシュ》ッ!」
ユウリとフェルカがすぐにそこから離れると、セリナの《エア・スラッシュ》で風が吹き、残りのポイズンビーを次々に斬り裂いていった。
「うわ~、エグイな」
「これが一番手っ取り早いのよ」
戦闘が終わると、フェルカが少し興奮気味になっていた。
「ねえねえ!さっきの戦闘かなり良かったよね!」
「そうだな、即興にしてはかなり連携は取れていたと思うぞ」
そんな事を話していると、セリナはポイズンビーの死体を見て考え込んだ。
「・・・・・・ねえ、ユウリ。さっきの戦闘の事なんだけど」
「ん?」
「あのポイズンビー、普通のポイズンビーと違ったのよ」
「違った?」
「ええ、普通の魔物よりも獰猛になってた」
「・・・・・・」
ユウリもその言葉に思う所はあった。今まで戦ってきた魔物よりも動きが荒々しいような、単調な動きをしていた。そこで、ユウリはある考えに至った。
「理由があるとしたら、ポイズンビーが来た方にあるよな」
「ええ、そうね。先を急いだ方がいいかもね」
ユウリたちは森の奥に原因があると考え、先を急ぐ事にした。
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