予想の他早い再会
感想が来たぞ! 囲め!
練兵場といっても、別にしっかりとした建物の中に作られているわけではなく、軽く整地した広場を柵で囲う程度のものであった。つまり大勢が折り重なるようにしてぶっ倒れている現状は周りからよく見えるわけでして……カラさんとまた会うのがこんなに早くなるなんて思いもしませんでしたははは。
「はははじゃないわよ! ちょっとした騒ぎになってるから来て見ればあなた、常識ってものは……あぁ、そうだったわね、なんだか頭痛くなってきた」
自分、記憶喪失ですから、その、常識とか言われても、ちょっと、こまっちゃうなー、なんてね? という顔をしていたらどうやら伝わったらしい。頭を抱えてうなり始めてしまったが、今回の責任はどちらかというと転がっている人達にあるのではないだろうか。
「なんだ、嬢ちゃんの知り合いだったのか? ってーと国の方から来た騎士様……にしては宿にいたしな」
「ああ、ヘリオさん……だったわね? 知り合いというか何というか……少なくとも家の騎士ではないと思うわ」
察するに、カラさんは騎士なのだろうか? 冒険者を名乗るヘリオさんの事を知っているみたいだったが、これはつまりヘリオさんは村にいる騎士だからカラさんの事を知っていて、カラさんはヘリオさんの名前を覚えている程度には知っている関係という事でいいのだろうか。
というか家に置くわけにもいかないってつまり、騎士様的な人たちの宿舎的な物があって、そこに連れていくわけにもいかない的なことだったのかな? 不審者だと思われていたら逆に牢屋的な方へ連行まっしぐらコースだった可能性を考えるとセーフだったようだ。
「少なくともこの騒ぎに関しちゃ、こいつをしょっぴく必要はねぇよ。むしろ転がってる連中の方が悪い位だ」
ヘリオさんからのフォローがありがたい。やはり転がさないでおいて良かった。便乗するように自分の無実を訴えると、どうやらカラさんも納得したのかこちらへ向けるオーラ的な物を和らげてくれた。とはいえ若干じとっとした目つきで見られているような気もする。
「……まあ今回はいいけど、下手に騒ぎを起こすようなら私の監督下でみっちりと常識について勉強させますからね。というか今からでもそうした方がいいんじゃないかしら」
「おいおい、ガキってわけでもあるめぇしそれはねぇだろ」
あ、そういえばカラさんくらいしか知らないというか、言う暇がなかったといいますか。
「そいつ、記憶喪失らしいわよ? 悪いやつには見えないから一旦放置したけど」
「はぁ!?」
はい、どうも。自分の名前もわからないのでとりあえず旅人名乗ってます。趣味は自分探し(切実)、特技は今のところ武芸全般と人を転がすことです。
「「あほかぁーーー!!!」」
……怒られちゃった。




