ある人物が、賢明で思慮に富む人物であることを実証する材料の一つは、
ある人物が、賢明で思慮に富む人物であることを実証する材料の一つは、たとえ言葉だけであっても他者を脅迫したり、侮辱しないことであると言ってよい。
なぜなら、この二つの行為とも、相手に害を与えるのに何の効果も見いだせないからである。
脅迫は、相手の用心(慎重さ)を目覚めさせるだけであるし、侮辱はそれまで以上に相手の敵意を増大させるだけになる。
その結果、相手は以前以上の強い執念を持ち、君を破滅に導こうと決心するに違いない。
古代ローマ人は、このことを、よく知っていた。
彼らは、本心からであろうと、単なる冗談からであろうと、この二つの誤りを犯すことほど、相手の胸中に憎悪の念をかき立てることはないと、理解していたのである。
タキトゥスも書いている。
「どぎつい冗談は、それが真実から、完全にかけ離れている場合はなおさらのこと、とげとげし後味を残さないでは済まないものである」と
「政略論」
※タキトゥス
1~2世紀、ローマ帝政時代の歴史家、法律家、政治家。同時代のローマの歴史を批判的に述べた『同時代史(歴史)』や『年代記(編年史)』、ゲルマン人の社会や政治のあり方を述べて、暗にローマの現状を批判した『ゲルマニア』などが名文で知られる。
やはり、言葉は「言の刃」なので、用い方は慎重にするべきと思う。
軽挙妄動そのものの、政治家、コメンテーター、アイドルが目立つ。
理不尽な「言の刃」を突き付けられた人はもちろんのこと、それを知った第三者も、いい気分にはなれない。
ただ、問題なことは、「その類の人」は、軽挙妄動、薄い根拠で、言葉軽く相手を批判、攻撃しても、謝罪をせず、仮に謝罪しても、心がこもらないことである。




