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人間というものは、現に持っているものに加え、

人間というものは、現に持っているものに加え、さらに新たに得られるという保証がない限り、現に持っているものすら、保有しているという気分になれないものである。


                                      「政略論」


マキアベリ氏が考える「人間の欲望と不安の構造」 を端的に表したもの。

要点は、

1. 人間は「現状維持」では満足できない傾向が強い。

 人間は本質的に 不安定な存在 であり、現に持っている財産、現に持っている地位、現に持っている安全などが、「将来も続く」という保証がなければ、心理的に安心できないと考えた。

つまり、未来の見通しがなければ、現在の所有すら「所有している気がしない」 のである。


2. 国家運営における「保証」の重要性も同じである。

 国民が「明日は、どうなるかわからない」と感じれば、 支配者への信頼は崩れ、反乱や離反が起こる。

 軍隊が「勝てる見込みがない」と感じれば、 兵士は士気を失い、戦わなくなる。

 マキアベリ氏は、国家を安定させるには 「未来への保証」を制度として作ることが不可欠 と考えていた。


3. 「保証」がないと、人はさらに欲望を強める。

 人間は、将来が不安なほど、より多くの財産、より強い権力、より確実な安全を求めるようになる。

 また、「人間は恩よりも害を忘れない」「人は常により多くを求める」 とも考えていた。



政府は、国内外情勢の変化で、国民が不安な時ほど、「安定の見通し」を正確適切に、提供しなければならない。

国民が「安定の見通し」に納得できない以上、各企業は「不安」を理由に「便乗値上げ」に走り、さらに国民の苦悩は高まる。

現在の円安、中東情勢からの不安煽りで、インフレはさらに進むし、収束の気配がない。

また政局がらみで、野党とマスコミも不安を煽り、各企業は利益確保と増加を目指し、さらに、価格上昇に走る。

結局、国民を苦しめても、自益(政党の利益、企業の利益)を追求するのである。

情けない、と批判しても、これが人間社会の現実なのだ。

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