表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フレンド0の俺が、MMOで居場所を見つけるまで  作者: 御門


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/85

第84話 新しい店

できた。


ぽつりと、呟いた。


何日かかっただろう。ログインするたびに置いて、崩して、また置いた。

動画は見なかった。

参考にしたのは——自分の記憶だけだ。


今まで行ってきた店。


あの最初に入ったBAR。

BARの空気。


次に入ったカフェ。

カフェの温かさ。


全部が、ここに入ってる気がした。


店内を見回す。


暗めの空間。

でも重くない。

高級すぎない。

煌びやかでもない。

ただ——落ち着く。


喫茶店のような静けさと、BARのような深さが混ざった場所。


ルシアの店に対抗したわけじゃない。

あんな煌びやかな内装は、俺じゃない。


俺の本質はきっと——誰もが落ち着ける場所だ。


カウンターを見る。


前の2倍の椅子がある。

雑談店はカウンターが全てだ。

ここで話してこその店だから。

雑談なら——誰にも負ける気がしない。


それだけは、ずっと変わらない。


最初にフレンド0でこのゲームを始めた頃から。

A姉さんに出会った頃から。

ギルマスに怒られた頃から。

エリーさんに店のことを教えてもらった頃から。

アリスと一緒に歩いた頃から。


全部が繋がって、ここになった。

俺は一人、カウンターに座る。

誰もいない店内。

静かだ。


「皆、来てくれるだろうか……」


声が、少し小さかった。

わからない。

前の常連が戻ってくるかもしれない。

誰も来ないかもしれない。


でも——開けるしかない。


それだけは、最初から変わらない。

俺は一人、カウンターから店内を眺めた。


空っぽの席が、並んでいる。


明日——ここに、誰かが座る。


そう信じて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ