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第81話 一時休業
結局……畳めなかったな。
ぽつりと、呟く。
閉めると言ったら、常連たちが黙っていなかった。
「せめて一時休業にしてください」
「また再開できる余地を残してください」
「完全に閉めるのはもったいないです」
口々に言われて——結局、押し切られた。
一時休業。
中途半端な気もする。
でも……今まで助けてもらってきたからな。
常連さんたちには。
それを無下にするのも、違う気がした。
まあ、いいか。
店は残る。それだけは、決まった。
ぼんやりとフレンドリストを眺める。
ルシアの名前が、まだある。
……消していない。消せていない。
そういえば——噂で聞いた。
ルシアが店を作ると。
あんなことがあって……でも。
店の話なら、黙っているわけにはいかない。
俺が何かしてやれることなんて、もうほとんどない。
でも——オープンのお祝いくらいは、したい。
拒否されたら、それはそれで受け入れよう。
よし。
俺はゆっくりと立ち上がる。
テレポート先を、探す。
ルシアの店がある場所へ——向かうのであった。




