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フレンド0の俺が、MMOで居場所を見つけるまで  作者: 御門


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第71話 店で出来た戦友

ルシアの一声で、立ち見だった客もそれぞれ席に座りだす。

だがルシアに店の経験はない。

この後をどう回せばいいのか分からない。


すると――


「遅くなりました!」


一人の女性キャラが店に入ってきた。


「店長ごめんなさい遅れました!」


当の店長は返事が出来る状態ではない。

察したルシアは個別チャットを飛ばす。


ルシア個別チャット

「リナさんでいいのかな? 今、店主が完全に手一杯だ。

私は挨拶だけしているが、この店の関係者か?」


リナ

「はい!店長に今日は手伝ってって言われてたんです……遅れてすみません!」


ルシア

「状況は理解した。指示をくれ。」


リナ

「助かります!来たお客さんに“いらっしゃいませ”だけお願いします!

コーヒーは私が配ります!」


ルシア

「了解だ。」


――


客が一人入るたび、ルシアが声を掛ける。

リナが順にコーヒーを手渡す。

カウンターでは店長が雑談を続ける。


数分おきに来客ログが流れる。

挨拶の間が空き、少し気まずい沈黙が生まれる。

それを店長の会話が埋め、また客が増える。


同じ流れが、ずっと続く。


気が付けば閉店時間だった。


――


「二人ともありがとう……助かったよ。どうなることかと思った……」


「店長!私が遅れてなくても二人じゃ無理でしたよ!

ルシアさんがいなければ回ってません!」


「気にしなくていい。少し面白かったしな。」


「というか……その装備、○○ダンジョンのですよね?」


「ああ、この前行ってきた。」


「凄い……あの、少し話してもいいですか?」


「構わない。話せ。」


「私、○○職をやってるんですけど……

この前のアップデートで弱くなっちゃって……

知り合いに変えた方がいいって言われて……

最近PT入りづらくて……」


「リナ。」


「は、はい!」


「これからは呼び捨てでいい。店で戦った戦友だ。」


「じゃ、じゃあルシアって呼びますね!」


「ああ、それでいい。」


ルシアは小さく笑う。


「職のことで悩んでいるのだな?」


「……私、この職じゃもう必要ないのかなって」


「なら答えは決まっている。」


ルシアは即答した。


「その職で戦ってきたんだろう?それを捨てて、勝てるのか?

そんな言葉を言う奴に合わせる必要はない。自分の武器で戦え。

周りに合わせて職を変えるな。自分がやりたい職をやれ。

そうじゃないと――」


ルシアは獰猛な笑みを浮かべる。


「ゲームが面白くないだろう?」


店の中の誰も、すぐには言葉を返さなかった。

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