第68話 にゃっこさん再び
カウンターか。
なんか久しぶりだな。
過去に、カウンターの隅が定位置だったこともあったな。
チラリとカウンターの中を見る。
ちゃんとキッチンのハウジングになっている。
うん、この辺のアイデアは自分の店にも使えそうかな。
「店長、こんばんは! きたよ!」
おや? この人は確か……前にも……
「にゃっこさん、いらっしゃい! いつも来てくれてありがとう~」
やっぱり……記憶にあるな? 確か……
「へへへ、ちょっと疲れたので休憩にきたにゃ!」
「どっかのダンジョンでも行ってきたの?」
「あ~、今日はダンジョンじゃなくてね、ちょっとイベントがあったの!」
「おお~、それはそれは楽しそうだね~」
「うん、すっごく楽しくてね!準備してくれたマスターやサブマスに感謝だよ~!」
「よかったね~、それでちょっと休憩なのね」
「そうなのにゃ~、それでちょっと休――「いやあんた普通に話し出来るんかい!!」
「な、なんにゃ!?」
しまった……以前の象形文字が頭によぎって、つい……
「あ、いえ……ゴホン。お気になさらず……」
「いや!? 無理にゃ!? 無理すぎにゃ!?」
「まあまあ……にゃっこさん落ち着いて……俺さんも誤爆しただけかもしれないしね?」
「ハッ! そうだったにゃ……ごめんにゃ。つい知らない人にもツッコミ入れてしまって……」
「いえ、誤爆ではないですね」
「なんにゃ!? 謝って損したにゃ!!!」
「まあまあ……にゃっこさん落ち着いて……俺さん、誤爆じゃないってどういうことなんだろう?」
「はい、実は以前にこのお店に来たことがありまして、かくかくしかじか」
「はははは! それは確かに初心者が聞いたら外国語にも思えるかもね。俺さんは面白い人だねw」
「むううう、店長笑いすぎにゃ!」
「ははは、ごめんごめん。いやー久しぶりに爆笑してしまったよw」
「店長!」
「ふー、ごめんごめん。それで俺さんも今日は休憩かな?」
うん、店長良い人っぽいし。
もういっそのこと、ちゃんと聞いてみよう……
「実は……お店しようと思ってまして……それで実際どんなものか見に来たんです……」
「にゃんだって! 新しいお店!?」
気のせいか、にゃっこさんの目がキラキラしてるな……
「どんなお店にするんにゃ!?」
「どんな……お店……?」
「店って言っても色々あるにゃ!」
「うん。店は“何を置くか”じゃなくて、誰がいるかで決まるからね」
「……誰がいるか」
「そうなのにゃ! 俺さんがどんな店を作るかはわからないけど……店主の気持ちが大事にゃ!」
「店主の気持ち……」
――ああ、そうか。
「そうにゃ! だって自分の店にゃんだから!」
俺は“場所”を作ろうとしてたのか。




