限界の終着点
フェリとマドローニ。2人の限界はもう近かった。
勝敗が決まるのは時間の問題。
だからこそ、2人は拳を強く握った。
「勝つのはわたし」
「勝つのは俺だ」
2つの巨大なオーラが互いにぶつかり合う。
その瞬間────2人の姿が消えた。
轟音と衝撃波だけが響き渡る。
攻撃を受け、避け、受け流し、どんどんダメージが蓄積されていく。
マドローニは岩撃や鉄のトゲ、足場でフェリの逃げ道を妨害しながら、次々と攻撃を繰り返す。
フェリは全て紙一重で回避、または弾き、マドローニに反撃を叩き込む。
全力の拳が勢いよくぶつかり合い、互いに吹っ飛ぶ。
フェリは脚をバネのようにし、衝撃を吸収しながら、木に着地。
マドローニは岩の足場を生成し、着地した。
それぞれの足場を踏み台にして勢いよく跳んだ。
二本の閃光が互いにぶつかり合い、凄まじいラッシュ攻撃を繰り広げる。
衝撃波が空間を震撼させ、地面は砕けながら悲鳴を上げた。
2人は連撃の最後、全エネルギーを拳に収束させた。
マドローニは拳に“ガイアの断罪”を宿し、フェリは拳を限界まで“パワーブースト”で強化した。
「死ねぇっ!!」
「……っ!?」
(死の気配!)
その瞬間────時間が極限まで遅くなるのを感じた。
マドローニの拳は空を切り裂き、衝撃波で直線上の地面を消し飛ばした。
フェリは回転しながら回避した。
髪がふわりと浮く。
その勢いのまま、全エネルギーを乗せ、限界まで強化された裏拳が、マドローニの腹部にめり込んだ。
「がはっ……」
世界が弾けた。
次の瞬間、視界は純白に染まった。
バァァァァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!
遅れて衝撃波が周りの木々を消し飛ばした。
静寂が世界を支配する。
その場には、フェリ以外誰もいなかった。
妙な静けさが、フェリを不安にさせていた。
その時、背後からフェリの肩に手が置かれた。
「……やるじゃねぇかぁ」
「……っ!?」
フェリは咄嗟に、渾身のバックスピンキックを繰り出した。
顔面に直撃、しかし微動だにしない。
────ダメージが通らない。
(だめ……もう力が……)
「なーんてね!俺だよフェリ」
よく見ると、相手はマドローニではなく俺だった。
「……無宗」
「試練クリアおめでとう。よくやった。
ちなみにさっきのはマドローニのモノマネなんだけど……似てた?」
バゴォォォォォォォォンッッッ!!
俺のビューティ・スマイル・フェイスに、フェリの拳がめり込んだ。
「オーマイガー!」
「……ばか」
フェリは顔を背けたが、尻尾は静かに揺れていた。
安堵の証なのだろう。
こうして、フェリは最初に特訓をクリアしたのだった。
(ちなみに、俺のモノマネはめちゃくちゃ似てたらしい)
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