即死への適応
────三戦目
マドローニは腹立たしそうにフェリを睨んでいた。
「やっぱり殺し損ねてたかぁ……」
沈黙が流れる。
静寂を破るように、マドローニは笑った。
「……今度こそ殺す」
マドローニはメタルモードで、体を強化した。
「ま……負けない」
フェリは深く腰を落とし、構えた。
目を閉じ、感覚を研ぎ澄ます。
今のマドローニは、即死技を躊躇なく叩き込んでくる。
攻撃を避けられなければ“死”だ。
気づくと、そこにマドローニはいなかった。
あるのは砕けた地面だけ。
フェリの背後に回っていた。
フェリはマドローニの素早い回し蹴りをギリギリでかわすと、後ろに跳んだ。
「まだ……終わってねぇぞ」
マドローニが手をかざすと空中に数百の岩が展開された。
勢いよく放たれる。
フェリは素早く避け続けたが、急に土の壁が現れ、逃げ場を塞がれた。
「……っ!?」
(か……回避できない)
その瞬間────白い光がフェリを包み、大闘技場から弾き出された。
「嘘……なんで……」
「マドローニの即死技“ガイアの断罪”は近接攻撃だけじゃないってことだ」
ガイアの断罪は、マドローニの能力に干渉しても発動する。
「ど……どうすればいいの?」
「一ついいことを教えよう。ガイアの断罪は連続発動ができない。つまり、全て避ける必要はない」
フェリは少し考えてから、口を開いた。
「避けるべき攻撃を……判断しなきゃいけない」
「そういうことだ」
それからは惨敗だった。
何度フェリを大闘技場に送っても、10分もしないうちにリタイア。
だが、やられてばかりじゃない。
戦う度に1分、また1分と戦闘継続時間が増えていく。
「この感じ……死の気配!」
スレスレで、マドローニの正拳突きをかわす。
気づけば、死の気配を自然に感知し、即死技を避けられるようになっていた。
「クソッ……こいつ……即死技だけ当たんねぇ」
マドローニにも、焦りの表情が見え始めていた。
フェリはマドローニの攻撃を全て避けるか受け流し、どんどんダメージを与えていく。
ガイアの断罪。そのエネルギー消費量は決して少なくない。
今のマドローニは、メタルモードの維持も厳しくなっていた。
このままじゃ負ける。そう感じたマドローニは、即死技に頼らず、純粋な力でフェリを叩き潰すと決めた。
「はぁ……はぁ……決着をつけてやるよぉ」
その瞬間、マドローニから凄まじいオーラが溢れ出した。
そして────決着の時が来た。
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