仲間に捕まってお仕置きされました。
残る大罪魔人は三体。終わりはもう近い。
だがとりあえず、大罪の意志をポラリスに渡すため、俺は妖精大陸へ向かっていた。
────深夜
翼を閉じ、俺は静かに着地した。
俺は宿屋の前で足を止めた。多分ここだな。
扉に手をかけた瞬間────
「おかえりなさい。ご主人様」
「え?」
振り返ると、笑顔のルナが立っていた。
「る……ルナ!?」
「どこへ行っていたんですか?ご主人様」
やばい。何とかこの場から逃げる方法を……
「えっとほら……妖精大陸って自然豊かじゃん?だから観光を────」
「その手に持ってるものはなんですか?」
やばい……傲慢の意志が見られて────
「あ……えーっと……宝石店で買ってきたんだよ。綺麗だったからね」
笑顔が怖い。助けて。
「そんな禍々しい宝玉を売ってる店があるんですね……後でその店、教えてくださいね?」
ガチャリと扉が開き、背後から俺の腕が掴まれる。
「つ……捕まえた」
「無宗。バレバレ」
「きゃはは。逃がさないよ?」
「お前ら……何で!?」
前を向くと笑顔だったルナが頬を膨らませていた。
「お仕置きじゃ!お前ら、連れて行け!」
「え……ちょまっ────」
俺はベッドへ連行された。
俺はルナたちに密着された。
「え?どういう……」
「約束を破った罰です」
「疲れ果てるまで、アルマたちを甘やかしてね?」
「説教は……その後」
「そういうわけだから、よろしくね。無宗」
それからは恐ろしかった。なでなでやキスを要求され、お菓子までねだられた。それだけでなく、服屋に連れていかれ、着せ替え人形になり、ルナたちが求める“甘い言葉”を囁かさせられるなど……
「すみませんでした。許してください」
「ふんっ……わかればいいんです」
「ところで、どこから情報がバレて……」
ルナたちが不気味に笑った。
「ちょっと遊んであげたら、正直に話してくれましたよ」
「いや……あれはもはや拷問じゃ────」
フェリがクリアの口を塞いだ。
「……当然の末路」
「きゃはは、あの表情……最高だったんですけど〜♡」
「入ってきていいですよ」
その瞬間、ドアが開き────
「み……見ないでください」
赤面して、小刻みに震えたポラリスが入ってきた。
その姿は────
「ぽ……ポラリス!?」
バニーガールだった。
「すみません……無宗さん。わたくし……耐えられませんでした」
「な……何があった!?」
フェリがドヤ顔で笑った。
「知らない方がいいことも……ある」
俺は思わず震えた。
きっと恐ろしい拷問で情報を吐かせられたのだろう。
「……どうして、連れて行ってくれなかったんですか?」
突然だった。
「え……」
ルナたちの表情は暗い。
「私たちが弱いからですか?」
「それは……」
言葉が詰まった。
「アルマたちじゃ力不足ってことくらいわかってる。……でもムカつく」
アルマは少し目を逸らした。
「む……無宗が強いのは……知ってる。でも……それでも……力になりたい」
フェリはぎゅっと拳を握った。
「今の私たちじゃ力になれないかもしれない。でも……そんなの関係ないくらい強くなる。絶対に強くなるから────私たちにも手伝わせて」
皆の思いがひしひしと伝わってきた。
「お前ら……前みたいな特訓になっても大丈夫なのか?」
「……っ!?」
ルナ以外一瞬震えた。でも────
「だ……大丈夫」
「や……やる。絶対」
「私は全然大丈夫です!」
「きゃはは……が、頑張る」
4人の瞳はまっすぐだった。
「わかった」
俺は不敵に微笑んだ。
「じゃあ始めるぞ。────本気の特訓を」
────後日談 (キラリオス・マワリッシュより)
ありゃぁ、無宗が大罪魔人討伐に行ってしばらくした後だった。
何か気づいたんだろうなァ。
あいつら、口笛でやり過ごそうとしてたポラリスを部屋に拉致りやがった。
そこからはァ、恐怖の悲鳴が聞こえてきやがった。
もちろん、俺様はァ心配になって様子を見に行ったぜ?
こっそりドアを開けたんだがァ……ありゃぁなんっつーか……別の意味でヤバかった。
メイド服や派手な水着をたくさん着せられて、シチュエーションボイス……だったかァ?
妙に甘い声で、めっちゃ恥ずかしいセリフを言わされてやがった。
ありゃぁ、今までのポラリスのイメージがぶっ壊れた瞬間だったなァ。
あ、テメェ。俺が欲望に負けて覗きに行ったって言いてぇのかァ!?
────ふ……不可抗力だ。
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