先代の勇者
────それは、小生……チョコラーテ・クロパッドが勇者になる前。
小生は巨人族の中で“最強”だった。
その強さ故に誰も近づかず、孤立していった。
「君、一人なの?」
その少女はそんな小生に話しかけてくれた。
「え……?」
久しぶりにまともな会話をした気がした。
小生に親はいない。物心つく前に、傲慢の魔人に喰われたからだ。
久しぶりすぎて言葉が詰まった。
「ど……どうしたのだ?……小生に何か用か?」
少女は首を傾げた。
「のだ?……小生?」
少女は噴き出すように笑いだした。
「あははっ!なにそれ!君、意外と面白いね。名前は?」
一瞬戸惑った。
この子はなぜ小生に話しかけたのだ?
「し、小生は……チョコラーテ・クロパッド……なのだ」
少女は笑顔で小生の手を握った。
「私はアリス・レーラン。よろしくね、チョコラーテ!」
その無邪気な笑顔に、小生が魅了されるまでそう時間はかからなかった。
それからアリスは、ことあるごとに小生に話しかけてくるようになった。
そして、いろんな場所に小生を連れ回すようになった。
退屈だった。孤立した小生は、同年代の子どもたちが楽しそうに遊んでいるのを遠くから眺めるしかなかった。……それでいいと思っていた。
でも────アリスに出会ってから一気に世界が色づいた。
公園や噴水を見た。街を探検した。森を冒険した。
そのたびにおしゃべりをし、一緒にご飯を食べ、共に笑い合った。
そして、小生はアリスに惹かれていった。
小生は彼女から“人と過ごす楽しさ”を教えてもらったのだ。
ふと、疑問が浮かんだ。アリスはなぜ小生に話しかけてくれたのだろう。なぜ小生を怖がらないのだろう。
小生は考えるよりも前に聞いていた。
「え、チョコラーテに話しかけた理由?」
アリスは少し考えてから、小さく微笑んだ。
「それは────チョコラーテが私と似てるって思ったからかな」
「え……?」
少し意外な答えだった。
根暗な自分と、太陽みたいなアリス。自分と彼女は陰と陽。……正反対だと思っていたからだ。
「私も力を持つが故に、周りとの間に距離を感じてたんだ。でも初めてチョコラーテと会った時、君となら仲良くなれるって……そんな気がしたんだ」
「……っ!」
なぜか嬉しかった。自分と同じような境遇で、自分に共感してくれる人がいると気づいたから。
そして、自分は独りじゃないと思えたから。
それだけで、胸の奥が熱くなった。
でも、一つ疑問が残った。
「アリスの力って?」
「あ、そういえばチョコラーテには言ってなかったね」
アリスは思い出したかのように笑った。
「私は、アリス・レーラン。
────地護の勇者だよ」
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