クソガキ勇者フルボッコ
俺の指先から、超巨大なエネルギー玉が放たれた。
辺り一帯が激しく光った後────
バァァァァァァァァァァァァァァァァァンッッ!!
大爆発を巻き起こした。
爆煙が風に流される。
そこにはチョコラーテが立っていた。
「今のでまだ立てるのか……」
チョコラーテは笑った。
「……当然なのだ」
チョコラーテが右手を引くと、100メートルほど後ろまで伸びた。
反対の手を俺に向かってかざした瞬間────
「……っ!?」
能力で干渉された気がした。
なんだ、今の感覚は……
『あ……気のせいですよ、無宗様。個体名チョコラーテ・クロパッドが使用したのは、“性質変換”。相手の体の性質を脆く弱体化させてるんです。
ですが────』
「さっさと砕けるのだ」
凄まじいスピードの拳が俺に叩き込まれる。
バゴォォォォォォォォォォォォォォォォンッッ!
凄まじい衝撃波と爆音が空を切り裂く。
だが────そこには無傷の俺が立っていた。
『無宗様には効かないで〜す!』
チョコラーテが目を見開いた。
「ば……バカな!なぜ砕け散らないのだ!?」
「さぁ……なんでだと思う?」
チョコラーテは小さく呟いた。
「くっ……これでは“あの魔人”と同じではないか」
俺は、パンッと手を叩いた。
「はい、もうおしまい!勝ち目ないのわかったでしょ」
「うるさいバカ!小生は負けてないのだ!」
俺が指を弾くと────
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァンッッ!
チョコラーテは巨大な腕に叩き潰された。
「……またぺちゃんこなのだ」
チョコラーテは再び平らになっていた。
こいつの体……どうなってるんだ。
「そろそろ負けを認めろよ」
「黙るのだ。……若者をいじめて楽しいか!!」
「いや、お前……俺より年上のジジイだろ」
「な……違うのだ。小生はまだピチピチなのだ」
俺は深くため息をついた。
「はいはい、じゃあ俺はもう行くからな」
「ま……待て!戦いは終わってないのだ!」
俺はピタリと足を止め、ニヤリと笑った。
「じゃあ……もう一発食らっとくか?」
「ひぃっ……」
チョコラーテは震え上がった。
「こ……今回は見逃してやるのだ。だから、無駄な争いはやめるのだ」
「仕掛けてきたのはそっちだろ……」
まぁいい。目的は大罪魔人だ。こいつじゃない。
俺は大罪魔人を目指して歩き出した。
後ろを見ると、チョコラーテが無言でついてくる。
「まだ俺に用があるのか?」
「別に……ないのだ」
「じゃあ、なんでついてくるんだ?」
少しの沈黙が流れる。
チョコラーテは静かに口を開いた。
「……倒したいのだ。あの魔人を」
その目には確かな決意があった。
「何か……あったのか?」
チョコラーテは拳を強く握り、唇を噛み締めた。
「あいつは……あの魔人は……小生の大切な人を────喰ったのだ」
────そして今、目の前には爪を噛みながら震えている少年がいた。
「怖い……なんで……僕を殺しに来たの?」
少年の額には、小さく黄色い2本の角が生えていた。
……傲慢の魔人────アラゾニアだ。
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