魂ごと奪われる戦い
ルナとアルマの渾身の一撃がプレオネクシアに直撃した。
爆炎の中から姿を表したのは────
「……っ!?」
「そ……そんな」
「嘘だろ……」
紫に変化したプレオネクシアだった。
「え……」
「倒せて……ない……」
赤に干渉したら記憶を、青は能力を、紫はその両方を奪われる。
今の攻撃が当たった時、プレオネクシアの体色が既に“紫”だったとしたら────
ドクン……
「あ゛……」
ルナとアルマが膝をついた。
その瞬間、ルナとアルマの口から火の玉のようなものが飛び出した。
バタン……
ふたりが倒れた。
「!?」
2つの火の玉がプレオネクシアの背後に回ると、ルナとアルマの形を作り、十字架に磔にされた。
「な……何が起きてやがる」
プレオネクシアの背後には何万人もの人々が磔にされて、宙に浮かされていた。
プレオネクシアは目を細め、ニヤリと笑った。
「ルナ……アルマ……」
フェリが呆然と立ち尽くしていた。
『魂を奪われたんです』
た……魂を?
『記憶と能力、それは魂に刻まれた“個性”であり、重大な要素です。その全てが奪われるということは……魂を奪われるのと同じなんです』
「悪趣味なコレクションじゃねぇかァ……」
「このままじゃ……防戦一方」
一撃で倒せないと魂を奪われる。だが、この檻の範囲内で一撃必殺級の攻撃をしたら……最悪、全員巻き込んでしまう。
ワールドプロテクトも奴の体と重なれば干渉判定になりかねないから使えない。
うかつに攻撃できない。
というか、これじゃ攻撃できないじゃないか。
「この中で戦えるのはァ、俺様とフェリ、そして無宗だけみてぇだなァ……」
「ど……どうするの……無宗」
「俺は……どうすれば……」
俺は焦っていた。
今ある選択肢は……ここにいる全員を巻き込んで一撃でプレオネクシアを葬るか、反撃不可の防戦に徹するかの二択。
どっちを選んでも敗北だ。
冷や汗が止まらない。鼓動がうるさい。息が荒れる。
「無宗、どちらにしろクリアを抱えたまま戦うのはァ……厳しいぞ」
「……っ」
「無宗……」
「そいつはァもう戦えねぇ。俺様だって、こんな胸糞悪りぃことなんざしたくねぇ。
だが────あの野郎は、そんな縛りプレイしながら勝てる相手じゃあねぇぞ」
わかってる。このままクリアを庇い続けても勝機はない。むしろクリアを置いて戦わないと、全滅する。
見捨てるわけじゃない。最後に助ければいいんだ。わかってる!でも……そうしたらプレオネクシアは、確実にクリアの記憶を奪いに来る。
クリアがプレオネクシアの魂コレクションに追加されるのは……嫌だ。
「しっかりしろぉぁぁぁぁぁっ!テメェ……全員助けんじゃねぇのかぁぁぁぁぁぁっ!!」
クリアが俺の頬に優しく触れ、微笑んだ。
「大丈夫。私のことはいいから……あいつを絶対倒して。そして……最後に私たちを助けてよ」
クリアの手は震えていた。
何も大丈夫じゃないじゃないか。クリアだって怖いのに、こんな選択をしたんだ。
俺がメソメソしてどうする。
「……わかった」
俺はクリアを降ろした。
「絶対に……助けるから」
「うん……待ってるから」
俺は唇を噛み締め、前を向いた。
「お前ら……行くぞ」
フェリとキラリオスは静かに頷いた。
プレオネクシアの口角は限界まで上がっていた。
その瞬間、クリアの周りから何十本の赤い手が飛び出した。
恐怖を煽るように、焦らすように、その大量の手はゆっくりとクリアに近づく。
クリアの体は小さく震えていた。頬には涙が伝っていた。
しかし、彼女は最後まで笑顔を絶やさなかった。
「大好きだよ……無宗」
「……っ!!」
その言葉と同時に、何十本もの赤い手がクリアに絡みついた。
プレオネクシアの背後に、磔になったクリアが追加された。
プレオネクシアが笑いながら、口を開いた。
「きゃははははっ。ウケるんですけど〜。今、どんな気持ち?ざーこ♡」
それはアルマの声だった。
「テメェ……弄びやがって。ナメてんじゃねぇぞぉぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
「許せない……」
俺の額に青筋が浮かんだ。
「絶対に……殺す」
「面白かった!」
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