敗北の過去
今回大量発生した魔物とは……
キメラモスキート────通称“でっ蚊”。
俺の地雷であり、殺戮対象の“蚊”が数千万……
────とても耐えられるものではなかった。
「ご……ご主人様?」
「む……無宗、落ち着いて────」
『敵反応を大量に確認しました〜。殺戮モードに移行しまーす』
怒りの仮面が出現し、悪魔のような角、翼、尻尾が生え、俺は牙を剥き出しにした。
その姿はもはや────“魔人”だった。
その瞬間────俺の視界が真っ赤に染まった。
「ギャルァァァァァァァァァァァッッッッッ!!」
おぞましい咆哮と共に、心臓を押し潰すような重圧が森一帯を支配した。
「無宗……?こ……怖いんですけど〜」
「殺……す」
その瞬間、みんなの視界から俺の姿が消えた。
一匹のキメラモスキートの前に瞬間移動したと同時に、全力のバックスピンキックを叩き込んだ。
バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!
眩い閃光が空を切り裂く。
巻き込まれた数千のキメラモスキートが為す術なく消滅した。
「ア゛ァァァァァァァ……」
「つ……強すぎなんですけど」
「なんというか……すごいね」
閃光が走るたびに数千のキメラモスキートが消し飛ばされる。
これは戦いじゃない。一方的な大量殺戮だ。
「すごい……」
「あはは……さすがご主人様です」
数千万のキメラモスキートは、瞬く間に半分以下まで激減した。
残りのキメラモスキートが1箇所に集中し、一匹の巨大な蚊の形を作った。
口の先端には直径10kmのエネルギーが蓄積された。
「あれ……やばくね?」
「アァァァァ……殺すァァァァァァァァ!!」
俺は大きく口を広げた。
キュィィィィィィィィィィィィィィン……
そこにはキメラモスキートの10倍以上のエネルギーがチャージされていた。
「ヤバい!このままじゃ、この星ごと────」
「怖い……」
フェリは耳を伏せ、うずくまった。
「ギャルァァァァァァァァァッッッッッ!!」
────それは、俺が負内無宗になる前
その世界では、蚊が異様な進化を遂げていた。
20cm以上の蚊が異常なほど大量発生し、生態系を破壊した。
「お父さん……お母さん?」
小学校の帰り。今日はお父さんが休みの日で、家族そろって“おかえり”と言われるはずだった。
しかし、そこには────お父さんとお母さん“だったもの”が横たわっていた。
土色の肌が萎れ、無数の刺し傷があった。
刺された箇所は酷く腫れ上がり、炎症を起こしていた。
それはもう……“人”と呼べるものではなかった。
俺は足がすくんで動けなくなった。
「お゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
ボロボロと泣きながら嘔吐した。
その時、家の奥から無数の羽音が迫ってくるのを感じた。
「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……助けて。……死にたくない」
俺はおぼつかない足取りで、玄関へ走った。
「はっ……!?」
100匹以上だった。
一匹一匹が20cm程の大きな蚊だ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
俺は急いで玄関のドアを開けようとしたが、開かない。
いつものクセで、鍵とドアバーでロックしていたからだ。
「嫌だ……なんで……上手く開かない」
頭が真っ白になった。
その瞬間────
グサグサグサッ……
無数の太い針が体中に突き刺さるのを感じた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
痛い痛い痛い助けて痛い助けて助けて助けて。
パニックで何も考えられなくなっていた。
血が吸われていく。強烈なめまいや吐き気、そして激しい喉の渇きが俺を襲った。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
息が苦しい。呼吸しても苦しい。意識がだんだん遠のいていく。
そして俺は、恐怖と苦痛を味わいながら死んだ。
だから────俺は蚊が嫌いだ。
「一匹残らず……殺してやるぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺は蚊を見るたび、恐怖と怒りでパニックになる。
絶対に殺し尽くしてやる。
殺意のエネルギーが、恐ろしいほどに膨れ上がっていく。
「ご主人様!しっかりしてください!!」
声が頭に響いた。
ルナ……?
その瞬間、自分がやろうとしていることに気づいた。
ヤバい!何やってんだバカ!
このままじゃこの星ごと……いや、辺り一帯の星を巻き込んで破壊してしまうぞ。
怒りに任せて、大切な仲間まで殺したら意味ないだろ。
ダメだ……体が制御できない!
────止まらない!
ドォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!
その瞬間、星系破壊規模のエネルギー波が解き放たれた。
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