負内無宗の唯一の弱点、それは“蚊”だった。
俺たちは、大罪魔人に挑む前に少しの休息を取ることにした。
「ご主人様!ここです。キラリオスさんが言ってたお店」
「この街でも評判良くて人気のお店らしいよ」
「アルマお腹すいた〜」
「た……楽しみ」
俺たちが店の前に行くと────
「……え?」
“close”の文字があった。
ぐぅぅぅぅぅぅぅ……
全員のお腹が一斉に鳴った。
「ど……どういうことですか、ご主人様!!」
「いや、俺にキレんなよ」
「楽しみだったのに……」
クリアのアホ毛がしょぼんと倒れた。
すると、横から店主の男が出てきた。
「お前ら、すまねぇな。今、食料が何も手に入らなくて、料理が出せねぇんだ」
「食料……ないの?」
「ごめんな、獣人の嬢ちゃん。最近森の生態系バランスが崩れちまって、危ない状態なんだよ」
「困ったな。俺らはキラリオスのオススメの店って聞いたから楽しみにしてたのに」
「それは嬉しいんだがな……あ、そうだ。
お前ら、力に自信はあるか?」
「もちろん!私たちはSランクパーティーの“イレギュラー”ですよ?
自信ありまくりです!」
「きゃはっ。自信があるだけだよね〜」
「ち……違いますよ!?何言ってるんですか!!」
「まぁ、でも私たちは強い方だと思うよ」
店主が口を開いた。
「じゃあ、森で大量発生した魔物を駆除してくれないか?ついでに食料になる魔物を持ってきたら、タダで料理してやるからよ」
「え……いいんですか!?」
「大した金は払えねぇが、料理なら最高のやつを作ってやれるからよ」
「このクエスト、受けてもいいんじゃない?」
俺は少し考え込んだ。
「そうだな……よし。その依頼、引き受けた」
「ありがとな。頼んだぞ」
そして、俺たちはとある森に来ていた。
「きゃははっ。森というか……ジャングルだね」
「確かライムさんが、妖精大陸には見たことないような生き物がたくさんいるって……言ってたような気がします」
「でも、普通の生物もいるよ。ほら、そこを飛んでる蚊とか────」
グヂャッ!!
その瞬間、一匹の蚊を巨大な禍々しい手が握りつぶした。
「きゃぁぁぁ!!って……無宗?」
それはなんと、変異した俺の右腕だった。
考えるより先に潰していた。
「ど……どうしたんですか、その手!?ご主人様……一体何が」
全員が目を丸くしていた。
「あ……悪い悪い。気づいたら手が出てたわ」
「気づいたらのレベルじゃないって」
「た……多分……偶然」
「そ……そうですよね……きっと」
ルナが苦笑いを浮かべていた。
「まぁ、そんなに気にしなくていいよ────」
プ〜〜〜〜ン……
「死ねゴラァァァァッッッッッ!!」
ドカァァァァァァァァンッ!!
再び、俺の禍々しい手が蚊を叩き潰した。
「なんでそんな殺意高いの!?」
────その後
「実は、蚊に100箇所以上刺されて死んだことがありまして……」
「前世の記憶があるんですか!?」
「あれから蚊を見ると……無意識に殺戮衝動が……」
「ちょっとウケるんですけど」
「ウケてる場合じゃなくない!?」
「かわいそう……」
「たしかにそれは無念ですね……」
「みんな、ありがと。おかげで少し気分が晴れたよ」
「1人ウケてた人いるけどね」
ルナが俺の肩をポンと叩いた。
「依頼なんかさっさと終わらせて、美味しいご飯食べましょう!」
「そうだな。……ところでその、森に大量発生した魔物ってのは?」
「きゃはは……それなんだけど────あれ見てよ」
そこには大きく羽を羽ばたかせた数千万の巨大な虫たちがいた。
空は黒で覆われていた。
「……。」
俺たちは状況を理解するまで数秒かかった。
「……でっか!!」
そう、今回大量発生した魔物とは……
キメラモスキート────通称“でっ蚊”。
「え……無理。でかいキモいキショい無理!!」
「こ……怖い」
俺は、これ以上ないほど目を見開いた。
「……。」
ルナとクリアが恐る恐る後ろを振り返る。
「ご……ご主人様?」
「む……無宗、落ち着いて────」
『敵反応を大量に確認しました〜。殺戮モードに移行しまーす』
怒りの仮面が出現し、悪魔のような角、翼、尻尾が生え、俺は牙を剥き出しにした。
その瞬間────俺の視界が真っ赤に染まった。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!?」
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