お前がいるから、どんな理不尽にも立ち向かえるんだ。
バァァァァァァァァァァァァァァァァンッッッ
ゴォォォォォォォォォォォォッッッ……
その瞬間、俺の視界が黒に染まった。
俺は、超巨大な腕に叩き潰された。
辺りが静まり返った。
静寂だけがこの場を支配している。
「あれー……ご主人様、死んじゃいました?」
ビルほどの巨大な霊手が地面に深くめり込んでいる。
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッ……
「……っ!?」
凄まじい重圧が戦場を蹂躙した。
霊手がめり込んだ地面から溢れ出した黒液が、巨大な龍の頭の形を作り、霊手を喰らった。
俺の服はボロボロに裂けていた。
乱れた前髪が顔の半分を覆い隠し、隙間から覗く片目だけが、赤くギラついていた。
「今のは……いい攻撃だったよ」
妙に落ち着いた低い声は、ただただ不気味だった。
俺が指を鳴らすと、闇が辺りを覆い尽くした。
宇宙のようなその空間には俺とルナだけが立っていた。
“大闘技場”
「ご主人様……2人っきりなんて、大胆ですね♡」
「ルナ……守られるのは嫌か?」
ルナは一瞬驚いたように固まった。
「俺はいろんな経験をしてきた。百年や二百年じゃ語り尽くせない程のな……
その中で得た喜びよりも、失う辛さの方が大きかったよ」
「ご主人様……?」
「俺はいつからか自分を守るより、大切だと思えるものを守りたいと思うようになった。
お前は俺を守りたいって言ったよな。
それは俺がお前らに思ってるのと一緒だ」
「お前が俺を守りたいように、俺もお前を守りたい。何も変な話じゃないだろ?」
「でも……私は……いつもご主人様の足を引っ張ってばかりで」
「俺の強さに嫉妬するくらいなら、嫉妬する余裕がなくなるまでビシバシ鍛えてやるよ。
それに────」
「お前はいつも俺の心の支えとして、守ってくれてるよ。だから、自分を悪く言うな。
お前がいるから、どんな理不尽にも立ち向かえるんだ」
「……っ!?」
これ以上ないほど見開かれた大きな瞳からはボロボロと涙がこぼれ落ちた。
俺はルナを抱き寄せた。
「ご主人様……ごめんなさい」
その瞬間、ルナの背中から何かが飛び出した。
「ウゥ……ア゛ァァァァ」
涙の仮面を被った小さな“ソレ”はルナに寄生していた、シャーデンフロイデの本体だ。
「ルナ……辛い思いをさせて悪かったな。
今終わらせるから」
「ご主人様?」
俺は一歩前に出た。
キュイィィィィィィィィィィン……
両手を上にかざすと、辺り一帯から何色もの光が収束し、虹色のエネルギーの球が出来上がった。
「お前……ルナをこんな目に遭わせておいて────楽に死ねると思うなよ」
その瞬間、綺麗な虹色のエネルギーがどす黒い濁った虹色へと変化した。
「“螺旋光・裏”」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッ!
解き放たれたおぞましいエネルギーの螺旋の光が、シャーデンフロイデに直撃した。
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!」
この世の全ての“負”の感情を収束した“螺旋光・裏”は、自身が消滅するまでの一瞬を無限とも思える時間まで増幅させ、無限の絶望を叩き込む。
「死に果てろ……」
『報告でーす。嫉妬の魔人シャーデンフロイデを討伐しました〜
ついでに称号“嫉妬殺し”と、ドロップアイテムの“嫉妬の意志”も獲得しました〜』
ルナは無言でメモ帳に書き始めた。
「ご主人様の名言を記録しなければ……」
「!?……やめろ!それをよこせ!」
当然、全力で阻止した。
その頃、“大闘技場”の外では……
ドカァァァァァンッ……
バァァァァァァァンッ……
「いやぁ……やばいな……いくら俺でもキツいぞ」
アルマとデフォルメ無宗が戦闘を繰り広げていた。
辺り一帯に散らばる“涙の仮面”が発生させてる霧のせいで、アルマの暴走が止まらないのだ。
「早くシャーデンフロイデを何とかしてくれ……俺」
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