気づいたら結構詰んでました。
嫉妬の魔人シャーデンフロイデに寄生されたルナ、“怪奇現象”を発動して暴走状態のアルマ、腹部を貫かれたクリア。
1つでも選択を間違えたら終わる。
状況は最悪以外の何でもない。
一番ヤバいのはクリアだ。いくら俺でも死んでしまった者は生き返らせられない。だからできるだけ早く治療をしなければいけない。
問題はそれだけではない。
アルマのスキル“怪奇現象 SS”だ。
怪奇現象は敵と認定した者を殺すまで、周りを巻き込んで暴走し続ける最凶のスキルだ。
怪奇現象の解除条件は2つ。
1つはアルマの背後にある巨大な砂時計の砂が落ちきること、だが砂の落ち方を見る限り、前回と違って1ヶ月はかかりそうだ。それまでに何人の死者を出すかわからない。だから絶対に避けたい。
そしてもう一つの条件は、“自分の存在を脅かした敵”の完全排除。
今回の場合、敵は寄生されたルナになるわけだ。
おわかりいただけただろうか……
アルマを助けるには“ルナの心臓”か“大量の命”が失われ、ルナを助けるにはアルマを殺すか、心臓に寄生したシャーデンフロイデを分断しなきゃいけない。
そして、急がなきゃクリアも死ぬ。
厳しいって……
「……っ!?」
ダァァァァァァァァァァァンッ!
俺はアルマの霊手を寸前でかわした。
あれ……なんで俺を狙った?アルマの敵はルナじゃないのか?
『あー無宗様、ちょっとヤバいかもです』
「ん?」
『辺りに無数に散らばってるシャーデンフロイデの涙の仮面から、敵味方の認識阻害の霧が発生してます……』
「は!?それって……」
ここにいる全員がアルマの“敵”に見えるってことか!?
俺は涙の仮面を踏みつけ、破壊した。
しかし一瞬で復活してしまった。
『これは……シャーデンフロイデ本体を倒さないと無限に復活するみたいですね』
これは俺一人じゃどうにもならねぇ。
「おい、ライム────っ!?」
ライムの方を見ると、紫のトゲに腹部を貫かれていた。
横ではレバルトとフェリが呆然としていた。何より、さっきまでの戦いで2人はかなり消耗している。
「え……今戦えるのって、俺だけ!?」
ダメだ、全員守りながらアルマとルナを相手にするのはさすがに厳し────……いや、問題ない。
忘れたのか?
俺は“負内無宗”だ。
俺はミニキャラ番の俺、デフォルメ無宗を2体召喚した。
俺の10分の1の力しか持ってないが────
“負内無宗”の10分の1が弱いわけがないのだ。
お前ら、ライムたちを守ってやってくれ。
「了解」
「任せろ」
まずは最優先でクリアとライムの治療を────
『待ってください無宗様!物理しか信用できないこの状況で、治癒魔法が発動できる可能性は極めて低いです。
この状況でクリアやライムからトゲを抜いてしまうと』
出血が酷くなっても治療ができない……か。
このままじゃ……間に合わない。
「参ったな……急がないとやばいぞ」
その瞬間、俺の顔面に霊手の拳が直撃して吹っ飛ばされた。
ドォォォォォォォォォォォンッ!
俺は木に叩きつけられた。
バタンッ……
「やってくれたね……」
俺はニヤリと笑い立ち上がった。
もう……迷ってる暇はない。
「来い……ベルゼリオン」
ゴォォォォォォォォォォォォッッッ……
おぞましい気配を放ちながら漆黒の刀が姿を表した。
あれ……ベルゼリオンってこんなにヤバいオーラだったか?
まぁいい。
俺はベルゼリオンを掴んだ。
「お前ら……今楽にしてやるからな」
『あはは……なんか、殺す時のセリフみたいですね……』
ルナは両手を頬に添えて、不気味な笑みを浮かべた。
「ごめんなさいご主人様……好きすぎて殺しちゃうかもです♡」
ルナの瞳は完全に狂っていた。
「面白かった!」
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