仲間が全滅しかけたので覚悟を決めました。
ライムの腹部を、紫に光るトゲが背後から貫いていた。
「ぐはっ……」
ライムが口元から手を離すと、その手は真っ赤に染まっていた。
「あはは……参ったね……」
レバルトは目を見開いて立ち尽くしていた。
「ライムぅぅぁぁぁぁぁっ!!」
一方、俺は……
「え……」
「ご主人様?」
シャーデンフロイデの本体は別にいる。そう予想していた。
それは間違いではない。だが────
俺の“探偵眼”に映った真実は、だいぶ予想とは違っていた。
「ご主人様……なんでそんな驚いた顔で私を見てるんですか?」
なぜなら、シャーデンフロイデの本体は────
「あ……もしかして、気づいちゃいました?
────本体の場所」
グインッ……
その瞬間、ルナの首が90度に曲がり、不気味な笑みを浮かべた。
「……っ!?」
ルナの胸元に、異様な“違和感”があった。
脈打つたびに、何かが蠢いている。
「まさか……」
────ルナの心臓だった。
「……っ!?
クリア、アルマ、そこから離れろ!」
「え?」
その瞬間、ルナの足元から大量のトゲが乱立した。
グサッ……
「……え?」
クリアの体が、小さく揺れた。
遅れて、アルマの口から血が溢れ出した。
「っ……あ……」
「不幸に見舞われた。これは紛れもない事実。
もしかしたらそれ自体が能力なのかもしれないね」
俺はライムの言葉を思い出していた。
いつからだ……いや、なぜ気づかなかった。
……なんで油断していたんだ俺は。
目の前で体を貫かれたクリアとアルマを見て、俺の思考は一瞬止まった。
……怖い。
このままじゃ────間に合わない。
そんな未来が、はっきり見えてしまった。
呼吸が……鼓動が……制御できないほどに速くなるのを感じた。
守るべきは俺じゃない。仲間の安全だ。それなのに俺は……
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッ……
「……っ!?」
「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……だから────代わりに死んで?」
その瞬間、世界が色を失った。
白と黒だけになった“世界の中で”、アルマが空高く浮かび上がり、ニヤリと笑った。
灰色の世界で、不気味に白く光るアルマ。その背後に巨大な砂時計が現れた。
砂時計が回転し、砂が落ち始める。
ゴォォォォォォォン……
どこからともなく大きな鐘の音が鳴り響いた。
「か……怪奇現象!?」
状況が、一瞬で崩壊した。
ダメだ、思考がまとまらない。落ち着けっ。
ルナ、シャーデンフロイデ、クリア、アルマ、怪奇現象……クソッ。何から考えればいいのかわからない。
「どうしたんですか、ご主人様。呼吸が荒いですよ?」
「はぁ……はぁ……」
そもそもルナは操られているのか?それとも……最初から?
もしそうなら────俺はルナを、殺さなきゃいけないのか?
……思考が、完全に止まった。
『落ち着いてください無宗様!個体名シャーデンフロイデは、個体名ルナの心臓に寄生しているだけです。ルナの心臓からシャーデンフロイデの本体を引き剥がすことができれば、可能性はあります!』
「寄生……?」
『何ボーッとしてるんですか!
このままだと無宗様が死ぬほど嫌ってる“敗北”になっちゃいますよ!は・い・ぼ・く!』
「敗北……?
────は!?無理!ふざけんな!!」
そうだよ、俺は負けねぇって誓ったんだ。
俺に……前世で失った大切なものたちに……そして何より仲間に!
「……サンキュー、ザワノス」
俺は不敵な笑みを浮かべた。
「ルナも、アルマも、クリアも助けて、シャーデンフロイデもぶっ倒して勝ってやる。俺は負けねぇ。
なぜなら俺は────」
「“負内無宗”だからだ」
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