ヒロインたち、図書館で性癖バレしました。
フェリたん愛してるの会(ついさっきまで違法だった)の会場からの帰り際────
「ところで、フェリたんたちはなぜここにきたんでござるか?」
「情報収集の……帰りに、怪しい場所……見つけたから」
「あはは……怪しい場所でござるか……
というか何の情報を収集してたでござる?」
これは気軽に一般人に話していい内容じゃないよな……
ギルドの受付嬢からも「この件は内密に……」って言われたからな。ここは黙っておこう
「気にするな。こっちの問題だ────」
「喰帝級の災害、大罪魔人についてです!全く情報がなくて、大変なんですよ……」
「……」
俺はルナを睨んだ。
「ご……ご主人様!?なんでそんな殺気立った視線を向けるんですか?」
「ルナ……受付嬢さんが“内密に”って言ってたの覚えてないの?」
「お前、後で説教な」
「そんなぁ……ありがとうございます」
そうだった……ちくしょう。こいつには罰がご褒美だった。
「いいでござるよ、別に公言しないでござるから。それより、そういう情報探しなら王宮図書館に行くべきでござるよ」
「いやぁ、そう言われても……
俺、あそこの国王に敵認定されてるんだよな……」
「大丈夫でござるよ。拙者の権限で自由に行けるでござる」
「え?」
ござるオタクはコホンと咳払いをした。
「申し遅れました。拙者は……いえ、私はエセル・レクシア。
このアルテミラ王宮図書館の司書長を担当しています」
……。
俺たちは一瞬遅れて理解した。
「えぇぇぇぇっ!?お前、普通に喋れたの!?」
「あ、驚くのそっちですか」
「というか大丈夫なのか?王の許可とか……」
「問題ありませんよ。私は王宮図書館の全権限を持っていますから」
マジですか……
ギャップにも程があるだろ。
そして、俺たちは王宮図書館に来ていた。
「きゃははっ。広〜い」
「ご主人様、薄い本はあるでしょうか」
「やめろバカ。帰れ!」
「じょ……冗談ですよ……たぶん?」
「お前ら、変な本は探さなくていいから、大罪魔人に関係ありそうな本を片っ端から探すぞ!」
「はーい」
その後……
「ご主人様!この本持ち帰ってもいいですか?」
「えーっとどれどれ、初心者必見!SとM〜神プレイ集〜」
……。
なんでこんなもんが王宮図書館にあるんだよ……
「コラッ!どこからこんなもの見つけてきたの!返してきなさい」
「はぁーい……」
ルナはしょぼんとしながら本を返した。
俺も探すか……
視界に入る本全てを一斉にスキャンし、内容を確認していく。これで一気に知識も増えるわけで、一石二鳥だな。
「おっと……もう端まで来たのか……
ってあれは……」
アルマが食いつくように本を読んでいた。
「きゃははっ、これ最高なんですけど〜」
俺は背後からアルマの肩を掴んだ。
「おいお前……なーにをしている」
「むむむ……無宗!?いつから後ろに」
俺はアルマから本を回収した。
「なんだこれ。メスガキはいつか“わからせ”られる!?〜相手を堕とす言葉責め500選〜」
「お前……メスガキの自覚あったのか?」
「うわ、自意識過剰すぎ。こんなの、無宗みたいな“わからせたがり”が、どれだけ単純でバカなこと考えてるか笑うためのギャグ漫画みたいなもんでしょ?本気にするなんて、さては自分でもやりたいって思ってたの~?ざーこ♡」
「193ページ、この本を読んでることがバレた時の対処法、パターンBね」
「なんでわかるの!?」
本の内容はスキャン済みだ。
……いらない知識が増えてしまった。
「はぁ……ルナもアルマもどこから見つけてきたんだ……
俺が何万冊もスキャンしたのに、あんな変な本は1冊もなかったぞ」
本をスキャンしながら移動しているとクリアの姿が見えた。
「おーいクリア。何か見つかったか」
反応がない……
どうやら本に釘付けのようだ。
いや、まさかな。
クリアはしっかり者だからな────
あれ、なんか……いろんなハイヒールが載ってる……
『鑑定中〜。あ、見つけた!一致度99.983%
作品タイトル、立場逆転!男は服従させるために存在する〜踏みつけ専用のハイヒールと鞭のおすすめ一覧〜
……いやぁクリアちゃんも女の子ですなぁ』
「く……クリアさん!?」
女の子ですなぁ〜で済ませていいレベルじゃねぇよ!?
「む……無宗!?これは違くて……そうハイヒール!かわいいハイヒール履いてみたかったの。だからその……」
「踏みつけ専用のハイヒールを?」
「え!?なんでバレ……このページにはそんなの書いてないはずなのに……」
俺は無言で後ずさりした。
「違うの無宗!本当に違うんだって!」
「クリアはSと……
ドMのルナと相性いいんじゃね?」
そんなクソみたいなことを考えていると────
「あれは……フェリか」
俺は少し安心した。
そうだ、あいつらは深淵の中にいるかもしれない。
だが、フェリは違う。どこまでも真面目で純粋なんだ。
「どうしたフェリ。届かないなら俺が取るよ」
「え?だ……だめ!」
フェリが手を伸ばした先にあった本を手に取ると……
「黒目黒髪で特徴的なアホ毛の男子を落とす方法〜関節キスからディープまで~」
なんだこのピンポイントな本は……
「……フェリ?」
一瞬沈黙が流れた。
「ち……違う……隣のと間違えただけ……」
「そ……そうだよな。ごめんごめん」
本を戻し、右隣の本を取る。
「最強無双で負けない男子の堕とし方〜ベッドの上での禁断テク〜」
俺はフェリの方を見つめる。
フェリはブンブンと首を横に振った。
「ひ……左の方……」
本を戻して、さっきの本の左隣から本を取った。
「責任を取らせろ!〜負内無宗を堕とす方法100選〜」
もはやピンポイントとかじゃなくて……名指しやん。
逃げ場がなくなったフェリは耳を伏せ、涙目で俺を見つめてきた。
いや、そんな顔されましても────
ここが18禁コーナーの時点で詰んでるんだよなぁ……
というか完全に忘れるところだったが、あのピンポイント……いや名指し本は誰が書いたんだ?
どうやら3冊とも全て著者は同じようだ。
「えっと著者名は────星導の美少女勇者」
……ポラリスやんけ。
俺は次ポラリスに会った時に、絶対説教すると心に決めた。
「面白かった!」
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