46.獣人ヒロインが可愛すぎて国が壊れました。
最近、何かがおかしい。
理由は一つだ────町中に“フェリLOVE”と書いたはっぴを着た奴らがうじゃうじゃしているからだ。
「……なんだあれは」
俺たちは大罪魔人の情報を得るべく、ギルドに来ていた。
「すみません。調べてみましたが大罪魔人に関する情報や依頼、それらしきものは見つかりませんでした」
「そうか……」
「ですがもしその情報が正しければ、喰帝レベルの災害があと六体も……」
「安心しろ。全部倒す予定だからな」
「ふふっ。なんか……心強いですね」
「なら良かった」
「もし、この情報が広まったら大混乱が起きるかもしれません。なので、この件は内密に……」
「わかった」
「ご主人様……やっぱり変です」
「これは、絶対おかしいね」
ギルド中の冒険者が“フェリLOVE”のはっぴを着ていた。
「おい、受付嬢。どうなってるんだこれは」
「えーっとですね……」
「それは俺が説明しよう」
「おう、ギルマス。
なんか久しぶりな気が────」
振り返ると、ギルドマスターもはっぴを着ていた。
「お前もかよっ!!」
そして、俺たちはギルドの会議室に来ていた。
「これは一体なんだ?答えてもらおうか……」
「……たんは……天使なんだ」
「え?」
「フェリたんは天使なんだよぉ!」
一同ドン引きである。
フェリが俺の後ろに隠れた。
「違うんだ……最初は獣人なんて珍しいって、そう思ってただけなんだ。でも、いつからかフェリたんを見るたびに温かい気持ちになるようになったんだ。他の奴らも同じだ。あの毛並み……ふわふわな耳、もふもふなしっぽ、そして美少女!犬や猫では得られない栄養があるんだ」
ギルドマスターが真剣な眼差しでフェリに手を伸ばす。
「だから……その……フェリたんをなでなでさせてもらえないでしょうか」
「させるわけないだろぉぉぉぉ!」
「ぐはっ!」
俺はフェリに触れようとするギルドマスターを殴り飛ばした。
「俺の仲間に……勝手に触るな」
「街の人たちも皆こんな感じなんです。無宗さん、何とかなりませんか?」
「そう言われてもな……」
最近というか、前からフェリは色んな人から見られていたが、もしかしてチャームでも使ってるのか?
『安心してください、無宗様。個体名フェリにチャーム、魅了の能力はないでーす』
じゃあ一体何が原因だ?
『簡単に説明すると〜、犬や猫などの動物を見た時に、“かわいい”って思うじゃないですか。その時、脳内からは“ケモノニウム”というドーパミンが分泌されます。
獣人……特に女の子の場合、可愛さがプラスされ、ケモノニウムの分泌量が数倍から数十倍になるのです』
『つまり、動物的な可愛さと美少女的な可愛さがマリアージュして……最強ってわけです!』
ケモノニウムって初めて聞いたんだけど……
でもこれで前にフェリを撫でたりした時、心が異常にポカポカした理由がわかったな。
しかし、フェリの問題ではなく、人の構造上の問題だったとは……
これじゃどうしようもないな。
俺たちは一旦帰ることにした。
大罪魔人の情報も得られなかったし、今はフェリのためにも早く家に帰って休ませた方がいいだろう。
帰る途中、はっぴを着た奴らが次々と大きな建物に入っていくのが見えた。
「あれはなんでしょう……」
パチンと指を鳴らすと、俺たちにローブが装備された。
「無宗、これは?」
「お前ら、フードで顔を隠せ。潜入するぞ」
「きゃはっ。おもしろそ〜」
「なんだここ……」
中に入るとそこには祭りのように騒がしく、広々とした空間があった。
「フェリたん愛してるの会」と書かれた大きな看板が吊るされているその場所は“フェリLOVE”のはっぴを着た人で埋め尽くされていた。
「……え?なにこれ、宗教?」
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
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