俺の子孫を消す呪いをかけた黒幕が強すぎるんですが?
「“邪魔する奴”は処刑ですよ。かかって来やがれです!シュッシュッ……」
ガシッ……
俺は、背後からルナの頭を片手で思いっきり鷲掴みにした。
「“邪魔する奴”ですが、何か?」
その瞬間、ルナは凄まじい殺気を感じ、虎に睨まれた小動物のように動かなくなった。
「おいお前……何をしている」
俺の笑顔は引きつっていた。
「ご……ご主人様!?」
「きゃははっ。新しい名言誕生……って感じ?」
ルナたちは無宗教に、俺の普段の発言を“名言”として提供していた。その名言を元に“経典(名言集)”を制作していたのだ。
「ち……違うんですご主人様……これにはわけが……って痛い痛い痛いですぅ!」
「とりあえず、ルナは説教な」
「そ……そんなぁ……あ、でも言葉責めもいいかも……」
このドMには罰が効かない!?こんな所で無双するなよ……
「あと、逃げようとしてるお前らも説教な」
「ギクッ……」
フェリとアルマは涙目だった。
「クリアはむしろ止めてたみたいだから、説教は免除だ」
「クリア!裏切ったな!?」
「いや、私は関係ないから……」
(危な……あとちょっと遅かったら、私も流されてたかも……)
内心少し焦るクリアだった。
その後ルナとフェリとアルマは、俺にみっちり絞られた。
ルナだけ喜んでいるように見えたが、もうこいつは“ドM病ステージ5”として、諦めることにした。
その後、大通りで────
「いやぁ……それにしても、無宗は人気者だね」
「流石です、ご主人様!」
「な……なんか複雑な気持ちだな……」
「……?」
何かに気づいたのか、フェリが俺の袖を引っ張った。
「フェリ、どうした?」
「見慣れない……道」
フェリは裏路地を指さした。
「アルマには普通の裏路地にしか見えないんだけど……」
大通りはよく通るけど、裏路地とか気にしたことなかったな……
『はいはーい、無宗様!なんとびっくり、この道は今まで存在しなかった道でーす』
新しくできた道ではなさそうだし……
ピクッピクッ……
俺のアホ毛が何かに反応したようだ。
この道の先に何かあるのか……
「行ってみる価値はありそうだな」
「え……ご主人様、行くんですか?」
「こ……この道……怪しい気配」
フェリは少し警戒しているようだ。
「きゃははっ……面白そうじゃん」
こうして、俺たちは吸い込まれるように、裏路地に入っていった。
「ねぇまだ?終わりが見えないんですけどー」
「あれから何分も歩いているのに……」
「何か変です、ご主人様」
おかしいな……こういう系の裏路地は、チンピラ出現率100%なんだけど……マジで誰もいない。
「お前……苦労するねぇ……」
「!?」
通り過ぎた場所に老婆がいた。
全員が驚いたのは、誰もいなかった場所に最初からいたかのように老婆が座り込んでいたからだ。
黒いローブを深く被って、怪しい水晶玉を見つめている。
「い……いつの間に!?」
「誰もいなかったはず……」
無敵のはずの俺でも、さすがに驚きを隠せなかった。
常時発動の“気配察知 SS”は、見えないものや霊体、あらゆるものを感知する。その性能はピカイチだ。
つまりこの老婆は、さっきまでここに存在しなかったのだ。
しかも不思議なのは、テレポートなどのスキルや魔法を使用した形跡がないことだ。
冷静さを失いそうになったが、ギリギリ耐えた。
「お前、さっきの言葉はどういう意味だ」
「“世渡越の観測者”負内無宗……お前は……これからもこの先も……苦労を重ねることになる。
常人には耐えられないほどの苦労をねぇ」
「“世渡越の観測者”……だと?なんだそれは」
「……長く生きてきたがねぇ。
ここまで“輪廻そのもの”を縛る呪いは初めて見るよ」
「呪い……ですか?」
「どういうことだ」
「これ以上この呪いに干渉すると儂の命がもたないからねぇ。儂はそろそろ失礼するよ」
「おい待て!」
老婆は最初からそこにいなかったかのように消えてしまった。
「なんだったんでしょう……」
「それより呪いって……」
正直、嘘だとわかっていた。
俺には“悪意的干渉無効 SS”がある。攻撃や魔法、スキルは効かない。もちろん、呪いなど絶対受け付けないのだ。
“ステータスオープン”
“詳細表示”
俺は半信半疑でステータスを開いた。
ーーーーーーーーーーーーー
【状態異常一覧】
子喰の輪廻……輪廻に干渉する呪縛。
呪いの発動中、子を成す“未来”が喰われ続ける。
ーーーーーーーーーーーーー
「子どもが産まれなくなる……だと?」
その瞬間、頭の中が真っ白になった。
「え……」
俺も、ルナたちも、言葉を閉ざした。
“解呪”
『エラー。できません』
「ザワノス。呪いをかけたのは誰だ」
『エラー。回答できません。無宗様、これ以上この呪いに干渉するのはおすすめできません』
「クソッ」
“詳細解析”
ザワノスが回答できないなら、自力で術者を見つけ出すまでだ。
呪いの“いばら”のような痕跡をたどっていくと、黒い影が見えた。
「……っ!?」
目が合った瞬間、黒い影がニヤリと笑う。
それだけで、全身の血が凍りつくような気がした。
「ぐはっ!!!」
俺は吐血した。
倒れそうになったが、なんとか持ちこたえた。
「ご主人様!」
「無宗!」
ダメージを受けた?この俺が?ただ干渉しただけで……
どうやら俺に呪いをかけたやつは遥かに上の次元にいるらしい。
「チッ……」
「ご主人様……」
「無宗……」
今、俺が抱いている感情は、驚きでもなければ心配や恐怖でもない。それは────やり場のない“怒り”だった。
「俺は……また奪われたのか?失ったのか?」
「ご主人様?」
いや、違う。まだ負けちゃいない。負けてはいけない。
前世に……失った大切な人に……そしてルナたちに誓ったんだ。“負けない”って。
もう……二度と失わない、絶対だ。
「取られたものは……力ずくで奪い返すって相場が決まってんだよ」
俺は不敵な笑みを浮かべた。
考えろ……考えろ俺……俺は全てのステータスをカンストしている。なのにあの黒い影……“黒影”は、俺より遥かに強かった。次元が違った。
これ以上……どうやって強くなればいいんだ。
『はーい。それなら方法がありますよ、無宗様』
!?
本当か……ザワノス。
「方法は至ってシンプル、だけど難しい……
それは、“無双の刃”の獲得です」
だったらもうあるだろ、ベルゼリオンが……
『わかってないですねぇ。無双の刃は一つだけじゃありません。かと言って、数に限りがある訳でもないんですよ。
無宗様との魂の紐付けに耐えられるだけの器でなければなりません』
「魂の紐付けはその武器を無宗様と同じレベルまで引き上げるのです。その武器は無宗様と同等の力を持ちます。
つまり1つ増える毎に、力が爆発的に増えてしまうんですよ!?」
お……おう……
とにかく、俺がやるべきことは決まった。
俺は不敵に笑った。
「ご主人様……なんか楽しそうですね」
「いや、ぶっ飛ばし甲斐がありそうな敵だなって思っただけだ」
無双の刃を何万本も集めて、あの“黒影”をぶっ飛ばす。
「やってやるよ」
その日、俺には大きな目標ができた。
この呪いから始まる戦いが、宇宙を揺るがす規模になる事を知るのは、まだ遠い未来の話である。
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