世界が敵でも、善悪は俺が決めます。
“ルミナス・バスター”
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!
激しい光の波動が俺に向かって放たれ────
世界が白に塗り潰された。
「……もう十分かな」
俺は異空間から一振の黒い刀を取り出した。
「喰らえ……ベルゼリオン」
ベルゼリオンから放出された黒液が、一瞬で巨大な龍の頭に変化し、膨大な威力の光エネルギー波を喰らった。
「は……?」
シャルアは理解が追いつかず、動きが止まった。
ドカァァァァァァァァァンッ!
その瞬間、ベルゼリオンの龍の頭が巨大な腕に変化し、シャルアを叩き落とした。
「ば……バカな……僕の最大威力の攻撃だぞ……」
俺はゆっくりと起き上がった。
「自分の全力が相手の糧になった気分はどうだ?」
シャルアはうつ伏せで倒れながら、俺を見上げて睨みつけた。
「クソクソクソッ……クソがぁ!ふざけるな!僕のセフィリアをたぶらかし、僕が得るはずだった魔王討伐の功績も奪った。
さらには僕を見下しやがって……」
「自分を客観的に見なよ。
今のシャルア君にピッタリな言葉を教えてあげよう」
「“自業自得”これに限るね」
「……」
シャルアの額に青筋が浮かび、俺に殺意の眼差しを向ける。
シャルアはよろめきながら立ち上がると、大きな声で叫び出した。
「皆さん!これが全てです。魔王を喰らっただけでなく、神に与えられた聖剣の聖なる攻撃すらも喰らった。
これは神に対する反逆です。魔王を超える悪です!」
その瞬間、観客は俺に怒りや嫌悪の視線を向けた。
「この悪魔め!さっさと死ね!」
「疫病神だ!この国から出ていけ!」
頭上から降り注ぐのは、容赦のない罵声の豪雨だ。一言一言が毒を含んだ針のように肌を刺し、逃げ場のない視線が全身を這い回る。
シャルアは俺を見て笑った。
「あははっ。もうこの国に君の居場所はない。君は勇者である僕に逆らったんだ。この結果は当然のことだよ」
「……」
ザァァァァァァァ……
空は曇り出し、強い雨が俺を打ち付ける。
まるで神が、俺に敗北を告げているみたいだった。
ただ力を振りかざすだけでは何も守れない……
そんなことぐらいわかってる。何百、何千の前世を経験し、失敗して、敗北してきたからだ。
────わかっていたはずなのに。
……それでも、少しだけ胸が痛むのはなぜだ。
「この悪魔が!お前の企みなんか、シャルア様の前では無意味だ」
「この奴隷野郎!お前なんかが幸せになるなんて許されないんだよ!」
「聞こえるかい、負内無宗。これが世界の答えだ。僕は“正義”で、君は“悪”。最初から決まってたことだよ。────君の“負け”だ」
観客席から石やゴミが俺に向かって投げられる。
世界は俺の敗北を望んでいるようだ。
「────ご主人様!!」
その一言は、罵倒だらけの黒い霧で埋め尽くされた闘技場の空気を、一瞬で切り裂いた。
「……っ」
それはルナの声だった。
彼女はそれ以上何も言わず、ただ真っ直ぐに俺を見つめていた。その瞳には一切曇りがなく、俺の敗北など微塵も映っていなかった。
「……そうだったな」
俺は静かに笑った。
「あははっ。何言っちゃってるわけ?
君も、君の仲間も、もうどこにも居場所はない。
世界に仇なす悪だからだっ!!」
「あっはっはっはっはっは……」
俺の笑い声が闘技場全体に響いた。
「何がおかしい」
シャルアは不愉快そうな顔で聞いた。
「負け?世界の答え?居場所がない?悪?それは誰が決めた」
「……は?」
「俺は負内無宗。
俺に敗北など存在しない。
俺は世界に囚われない。
俺が歩く場所が道となり、俺がいる場所が居場所だ。
善悪は────
俺が決める。」
「俺に敵対する者が────“悪”だ」
その瞬間、世界が震え、眩い光がすべてを包み込む。
その光は観客も闘技場も、世界さえも飲み込んでいった。
「ま……眩しい!」
「なんだこれは!?」
「世界の終わりだ!!……いや、これは……」
シャルアは驚きのあまり動けなくなった。
「なんだその姿は……それでは、まるで────」
背後に開かれた四枚の翼は、この世のいかなる絹よりも白く、吹雪のように眩い光の粒を散らしている。白く透き通る長い髪は見るもの全てを魅了した。
その頭上に浮かぶ黄金の輪は、昇る朝日を凝縮したかのような輝きを放ち、見る者の視界を白銀へと塗りつぶした。
ただそこに佇むだけで、周囲の濁った空気は浄化され、観客は皆、跪いた。
誰一人として、顔を上げることすら許されなかった。
「それでは、まるで────“神”みたいじゃないか」
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