俺を倒すための複合スキルがヤバすぎるのですが……
あれから数日──何万発の攻撃を受けても、俺は無傷だった。
ルナたちは、絶望を通り越して萎えはじめていた。
「あ……アルマもう無理かも……」
「どうして……こんなに厳しくするんですか。……嬉しいですけど」
「手加減するなって言ったのは、お前らだろ」
というかルナ今普通にドM発言……いや、気にしても無駄か。
死なない空間だからといって疲れないわけではないし、ダメージが入らないわけでもない。
そこまで都合がいい空間で特訓しても、実践ではどうにもならないだろう。
……って思っていたのだが、なんかルナ以外は死んだ目をしているな。
チーン……
俺はそっと目をつぶり、両手を合わせた。
「くっ……まだ負けてないよ……」
クリアはルナたちに、こっそり何かを伝えた。
ほうほう……なるほど。複合スキルか。いい考えだ。
残念ながら耳もいい俺には、全て丸聞こえであるということは言わないでおこう。
一気にルナたちの顔つきが変わった。その表情から、強い決意と覚悟を感じた。
クリアとフェリが前に出る。
「“パワーブースト”」
「全属性魔術“雷”付与」
「複合スキル“雷神化”」
フェリの目が白く光り、雷がほとばしる赤いオーラを纏い、髪や尾の毛先が暴れだした。
「これが……わたしたちの本気」
その瞬間────
バァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!
俺はフェリに一瞬で蹴り飛ばされ、近くの星にめり込んだ。
1秒後にはもうフェリが俺の前まで来ていた。
その両手からは、凄まじいラッシュが繰り出される。
とりあえずガードしてみたが、だんだんラッシュの威力が上がり、星にヒビが入り始める。
「へー。結構やるじゃん」
ラッシュの最後に究極の雷を纏った拳を俺に叩き込む。
俺がめり込んでいた星は、衝撃で跡形もなく消し飛び、俺は勢いよく吹っ飛ばされた。
フェリは吹っ飛んでいる最中の俺に追いつき、さらに蹴りと拳を高速で何十発も叩き込み、最終的にはメテオスマッシュで俺を巨大惑星に叩き落とした。
フェリの両手に膨大な雷エネルギーが収束する。
そのまま、紫電の閃光を俺に向けてぶっぱなした。
「“ライトニング・バースト”!!」
ダァァァァァァァァァァァンッ!!
ビリビリビリッ!!
辺り一帯の星は粉々に消滅し、吹っ飛ばされた俺は青白い火花がパチパチと音を立てて爆ぜていた。
「はぁ……はぁ……」
「その技強いね。俺以外の奴ならイチコロだぞこれ」
「……っ!?」
消耗したフェリの背後には、無傷で笑顔の俺が浮いていた。
「ん?」
俺が振り返ると、ルナが凄まじいエネルギーをチャージしている。
アルマの周りからは大量の霊手が出現していた。
「弓王スキル“レイニーアロー”」
「スキル“霊手”」
一斉に分離して大量に増殖した矢の一つ一つに、アルマの霊手が融合した。
「複合スキル“乱式追尾霊弓”」
膨大な量の強化された矢が俺に襲いかかる。
俺は次々とかわすが、様子がおかしい。
避けても避けても矢が減らない。
この矢は全て、アルマの霊手の制御によって、俺に被弾するまで追跡し続けるのだ。
ならば話は早い。術者を倒せばいいだけだ。
俺は凄まじい勢いでルナとアルマのいる場所に向かって飛び立った。
だが気づくと、いつの間にか隣にフェリがいた。
「させない……」
俺はフェリの回し蹴りで勢いよく数km先の惑星に衝突した。
目の前からは大量の追尾弾が迫り来る。
俺はこの惑星を踏み台にして勢いよく飛び立った。
ルナ&アルマの追尾弾とかなり距離をとることができた。
「これで一安心……」
そう思ったのも束の間、
バゴォォォォォォォォォンッ!!
俺はフェリの飛び蹴りを片手で受け止めた。
そのままフェリの足をつかみ、遠くの星まで投げ飛ばした。
凄まじい衝撃波と共にフェリが遠くまで吹っ飛び、姿が見えなくなる。
「雷神化……高威力の雷撃と圧倒的速度の雷速を可能にする戦闘形態か。
フェリの元々のスペックと合わさって恐ろしい程の戦闘力を発揮している」
これは面白い……
そう思った瞬間、フェリが背後に回り込み渾身の蹴りを放つ。
「予測済みだよ」
俺が振り返りざまに放った回し蹴りとフェリの蹴りが衝突して、辺り一帯を振動させるほどの衝撃波が生じた。
そのままお互いに吹っ飛んだあと、すぐに超高速の殴り合いが始まった。
ドドドドドドドドドドドドッッッ!!
お互いに一歩も譲らない展開が続くと思いきや、そうはならない。
俺は徐々にラッシュの速度を上げていき、フェリに当たる拳の回数が増えていった。
雷速を誇るフェリだが、俺の拳の速度に耐えきれなくなり、勢いよく吹っ飛んだ。
「くっ……」
ピクッ
俺のアホ毛が背後から迫る追尾弾を感知し、直撃する寸前で避けた。
ふと横を見た瞬間、フェリの拳が俺の顔面に直撃した。
俺は一瞬でフェリに拳を放つが、触れた瞬間、フェリが火花のように散った。
「雷の……分身……」
その瞬間、背後に回ったフェリから、膨大な紫電を纏った蹴りをくらい、吹っ飛ばされる。
その先には……
大量の追尾矢弾が待ち受けていた。
「しまっ……」
大量の矢は渦を巻くように、俺を切り刻んだ。
「あとはお願い……」
「わかりました、任せてください!」
「いくよ……ルナ」
「弓王スキル“メテオアロー”」
「全属性魔術“炎”付与」
「複合スキル“インフェルノメテオアロー”」
膨大な矢の渦に向けて、ルナとクリアの渾身の一撃を放った。
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!
全員が息を飲む。
煙の中はどうなっているのだろうか。
無宗は倒せたのだろうか。
間違っても“やったか”などというフラグワードを口にしないようにしよう。
……などの数多くの思いが、彼女たちの心の中を駆け巡る。
「うん。みんなすごいじゃん。やっぱり複合スキルは戦闘の質を上げるんだなぁって実感したよ」
「……っ!?」
凄まじい気合いと共に、辺りを渦巻く煙が全て吹き飛ばされた。
ルナたちの顔は絶望に染まる。
「強くなったな……お前ら」
────そこには無傷の男の笑顔だけがあった。
フェリ&クリアの複合スキル“雷神化”のイメージイラストを描いてみました。
活動報告に載せてあるので、気になる方は是非見に来てください。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!?」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当に嬉しいです。
何卒よろしくお願いします。




