危険なことはしないと言ったのに、1km火球を撃たれました。
「クリアちゃん。この攻撃を生き延びたら、みんなでおいしいケーキを食べましょう。だから……」
「ちょっ……ルナ!?」
「きゃははっ。特大死亡フラグでウケるんですけどーw」
「ルナのばかぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドカァァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!
事の始まりは魔族大陸から帰還してすぐのときだった。
「……」
気楽に家でくつろぐはずが、重い空気が流れていた。
「ど……どうしたんだお前ら?」
「……」
沈黙が流れる。
最初に口を開いたのはアルマだった。
「あーもういや!腹立つ!ムカつく!」
「アルマ……」
「アルマ何もできなかった。魔王相手に一瞬で気絶して、無宗に全部任せっぱなしだったし……」
「たしかに私たちは、ご主人様がいなければ全滅でした」
「たしかに、その通りだと思う」
「わ……わたし……強くなりたい」
彼女たちは皆、悔しさを抱えていた。圧倒的な力を前に、為す術なく気絶することしかできなかった自分たちが、無力な自分たちが、情けなくてどうしようもないのだ。
行き場のないこの感情を晴らすために、彼女たちが下した決断は────
「無宗。私たちを鍛えて欲しい」
「ビシバシとシバいてめちゃくちゃにしてください!」
「わ……わたしも簡単にやられないくらい……強くなりたい」
「アルマも、戦う前から気絶なんてかっこ悪いのはごめんだから!」
「お前ら……」
気のせいだろうか。ルナだけなんか違う意味に聞こえる。
「手加減はいらない。強くなるためにはそれが一番だと思うから」
「いや……でも……」
「大丈夫ですご主人様。私たちを信じてください」
「ほんとに……いいのか?」
みんなが同時に頷いた。どうやら聞くまでもなく、覚悟はできているようだ。
「俺は……お前らを失うのはごめんだ。強くなるのはいい。でも死ぬのはダメだ」
「うん。わかった」
皆は静かに頷いた。
「で……なんで私たちは宇宙にいるんでしょう……」
ルナたちは模擬宇宙空間に浮かぶ巨大な星の上に立っていた。周りには、いくつもの惑星が浮いている。
「“大闘技場”、魔王が使ってた技だ。これ、結構使えると思うぞ」
「ま?」
「きゃははっ。魔王の技をパクるなんて……さすが無宗!」
「そそそそんなこと言ってる場合じゃないですよ!アレを見てください!!」
「!!!!!!!!????????」
空高くに浮いている俺の手には、直径1kmの火球が生成されていた。
「お望み通り、ビシバシいくぞ」
クリアは目が飛び出すほど驚き、
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
ルナは喜び、
「あ……あんなのを食らったら私……どうなっちゃうんでしょう……ぐへへへ」
アルマはその場でぐるぐる回転しながら悲鳴を上げた。
「きゃぁぁぁぁ!!」
フェリの耳は落雷を受けたようにピンと跳ね上がり、豊かな尻尾は爆発した毛玉と化した。
「あわわわわ……」
「安心しろ、死なせない。これは訓練だ」
「“ファイヤーボール”」
手元から放たれた超絶巨大火球は、轟音と共にルナたちめがけて襲いかかる。
「え……!?ちょま!!みんななんで私の後ろに隠れるの!?」
「く……クリアはこの中で一番レベルが高いでしょ!」
「クリアちゃん!今こそ迷宮王監視者の力を見せるときですね!」
「うん……」
フェリは小さく頷いた。
「お……お前ら……後で絶対ケーキ奢らせるんだからぁぁぁぁぁっ!!」
クリアは涙目で両手をかざした。
「全属性魔術“地”」
「“メタルウォール極”!!」
超巨大で分厚い金属の壁が現れる。
ゆっくりと直径1kmの火球が迫る。
(だ……大丈夫。大丈夫だ私。無宗は危険なことはしないって言ってた。私の全力の全力で防げるはず。防げるはず!防げるはずなんだ!!)
「クリアちゃん。この攻撃を生き延びたら、みんなでおいしいケーキを食べましょう。だから……私は信じてますからね!」
「ちょっ……ルナ!?」
「きゃははっ。特大死亡フラグでウケるんですけどーw」
「ルナのばかぁぁぁぁぁぁ!!!」
一瞬、宇宙が静まり返った。
次の瞬間──
ドカァァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!
防げなかった。
そしてルナたちは、星とともに散った…………
と、思われた。
「面白かった!」
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