魔王軍四天王、勇者に命を救われました。
ベルゼリオンに喰われたはずの男は、まだ生きていた。
「はぁ……はぁ……」
魔王軍四天王“炎天”レバルト・フレアデスは、ベルゼリオンに捕食される直前に全方位に乱れ撃ちした火球の中に、自分の核(本体)を潜ませて難を逃れていた。
「クソッ。あの男、俺の攻撃が何一つ効かなかった」
何より、あの男は俺の核を潜ませた火球だけを、にこやかな笑顔で見ていた。そう、わかっていて見逃したのだ。舐めやがって。
あいつの名前は知らねぇ。だが絶対に倒してやる。そうじゃなきゃ気が済まねぇ。
「腹が減った……」
「大丈夫?」
人間の少女が俺を見ていた。
俺は人間の国まで来ていたのか。とりあえずこいつを食って……ダメだ、力が出ねぇ。
ぐぅぅぅぅぅ……
俺の腹の音が鳴る。
「これ、食べていいよ」
少女は俺の口にサンドイッチを運んだ。
「はい、あーん」
俺はサンドイッチにかぶりついた。
う……うまい。なんだこれは!?こんなの知らない。
「おいしいでしょ。ママのサンドイッチは世界で一番なんだから」
このうまいサンドイッチに免じて、こいつを食うのはやめてやることにした。
「お兄さんは、なんでこんな森で倒れてたの?」
俺の脳裏にあの男の顔が浮かんだ。
「チッ……お前には関係ない」
「え……なんで?教えてよ」
「じゃあ逆になんでお前はここにいるんだよ」
「わたしはねぇ……探検!探検しに来たんだよ。こういうとこ来てみたかったの」
こんなところにガキ1人で来たら、絶対襲われるだろ。そうだ、こんな感じの魔物にな……
「ヴゥゥゥゥゥ……」
全身に炎を纏った狼、ファイヤーウルフだ。
ファイヤーウルフは群れで行動する。目の前には数十匹の群れがいた。
「ど……どうしよう。わたし食べられちゃう……」
「下等生物が……」
俺の前に現れるとはいい度胸だな。
俺は軋む体を無理やり起こした。
「俺は“炎天”レバルト・フレアデス。こんな森で朽ちる存在じゃねぇ。
お前らみたいな雑魚は……瞬殺だ」
パチンッ
俺は指を弾いた。
“インフェルノストーム”
ゴォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!
巨大な炎の渦が辺りを埋めつくし、ファイヤーウルフは全滅した。
そして俺は倒れた。
「だめだ……魔力不足で力が出ねぇ」
「すごい……お兄さん、モンスター全部倒しちゃった」
「ワォーン」
遠吠えと共にさらにファイヤーウルフの仲間の群れが現れる。
「嘘……まだこんなに……」
「チッ……クソが」
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!
空が裂けた。
紫電が森を眩い光で照らし、群れは一瞬で灰になった。
「……っ!?」
「大丈夫かい?」
「誰だ……」
この世界には七振りの聖剣が存在する。
その一つ────“雷帝の聖剣”に選ばれた男が目の前に立っていた。
「紫電の勇者ライム・クロスキャリパ、参上……なんてね」
その男は優しく微笑んだ。
「面白かった!」
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