魔王を喰ったら称号が増えました。
“絶対破壊形態”
ホボロスは黒い鎧に身を包んだ。
それは最終形態であり、全てに破壊と死をもたらす絶対破壊形態である。
「さぁ……ファイナルステージの始まりだ」
「そうだな。文字通りお前をファイナルにしてやるよ」
「ぬかせ!死ぬのはお前だっ!!」
ホボロスが俺に強烈な拳を繰り出す。
“黒撃”
ダァァァァァァァァァンッ!
衝撃が届くより先に、景色が裏返った。
気づけば恒星の光が横に流れている。
星を一つ、二つ、突き抜けた瞬間、背中にようやく衝撃が追いついた。
遠くで軌道を失った星々が、ゆっくりと崩れ始める。
「“死滅波”」
ダァァァァァァァァァァァァァァッ!!
そのまま黒いエネルギー波が俺に直撃し、辺り一帯の星ごと吹き飛ばした。
次の瞬間、ホボロスは俺の足を掴んでいた。
竜巻のように回転し、俺を思いっきり振り回して投げ飛ばした。
ドォォォォォォォォォォンッ
俺は遠くの惑星に叩きつけられた。
ホボロスは流星のようなスピードで俺に殴りかかった。
「死ねっ!」
バァァァァァァァァァァァァァンッ!!
俺は片手で拳を受け止めた。
そのままホボロスの拳を握り潰す。
「……っ!?」
俺はホボロスを殴り飛ばした。
ドォォォォォォォォォォンッ!!
「なぜだ……確実にダメージを与えたはずだ!」
当然だ。
全部無効だからな。
ホボロスが吹っ飛ばされた先には既に俺が構えて待機していた。
「何っ!?」
俺はそのままホボロスを蹴り飛ばす。
数分間、一方的な蹂躙が続いた。
しかし魔王が死ぬことはない。なぜなら、聖剣でしか死なないからだ。
俺は最後に、特大のグーパンをお見舞いした。
バァァァァァァァァァァァァァンッッッッッ!!
ホボロスは百を超える星を貫通して、巨大な惑星の地表にめり込んだ。
「くっ……」
俺は異空間からベルゼリオンを呼び出した。
「そろそろ終わりにしよう」
「クソがっ……“ホープレス・デスマーチ”」
ホボロスは数千万の黒い死の球を出現させた。
「だったら俺のとっておきを見せよう────“神化”」
それは無双の刃────“神越の暴食剣ベルゼリオン”との融合。
ゴォォォォォォォォォォォォッ!!!
凄まじい威圧と共に、ベルゼリオンの黒液が俺を包む。
「!?……なんだ……その姿は」
体の奥で、何かが開いた。
皮膚の下で黒い光が脈打つ。
髪が音もなく伸び、背後に影が生まれる。
それは翼と呼ぶにはあまりに禍々しく、
ただ“捕食者の気配”だけが広がっていた。
「“喰帝”」
「……っ!死ねっ」
その言葉と共に数千万の闇弾を俺に向けて放った。
俺が手をかざすと、超膨大な黒い液体が収束する。
「喰らい尽くせ────“ベルゼ・イーター”」
ギャルァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!
そこから大量の捕食者が放たれた。
無数に枝分かれした“それ”は、目の前の闇弾を全て喰らい尽くし、ホボロスをも捕食した。
「おのれっ!負内無宗ぉぉぉぉぉぉっ!!」
捕食が始まった瞬間、ホボロスの目がこちらを見た。
恐怖ではない。
理解だ。
「……貴様は、魔王よりも――」
そこで声は途切れた。
黒が、閉じた。
グシャァァァァァァッ!
『報告でーす。魔王ホボロス・オールマインを討伐しました。
そして称号“魔王喰らい”を獲得しました~』
ホボロスの“大闘技場”は解除され、宇宙のような空間が消えた。
「……これで、ようやく帰れるな」
俺はルナたちの場所に向かった。
デフォルメ無宗はしっかりとルナたちを守り通したようだ。
「おつかれ」
「無事に終わったみたいだな」
「じゃあ俺たちの役目もここまでってことで」
デフォルメ無宗は俺の元に戻った。
「大丈夫か?お前ら」
「うぅ……」
「私たちは何を……」
「そうだ魔王は!?」
「問題ない。俺が倒した」
「そっか。良かった……じゃなくて、え!?」
「ご主人様。聖剣なしでどうやって魔王を!?」
「えっと……ベルゼでガブッと……って感じ」
「きゃはははっ。さすが無宗!能力調査どころか討伐までしちゃうなんて」
「す……すごい」
そして俺たちはギルドへ戻った。
「え……魔王討伐ですか!?」
「はい」
「俺の称号を確認すればわかる」
「嘘……魔王喰らい!?間違いないです。魔王は……討伐されました」
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「マジかすげー!!」
ギルド中が盛り上がる。
その日、王都中に魔王討伐の鐘が鳴り響いた。
一方、勇者は……
「魔王が討伐?…………良かったですね。どんな形であれ、世界の平和は僕が求める理想そのものです。何があろうと、僕は悪から皆さんを守るだけですよ」
「さすが勇者シャルア様だ」
「シャルア・フレトリス様、万歳!!」
勇者シャルアは微笑んだまま、扉を閉める。
次の瞬間、拳が壁を砕いた。
「ふざけるな!魔王を倒した?冗談はやめろ。あいつ聖剣持ってないよね?勇者じゃないよね?選ばれし者じゃないのに、なんで討伐しちゃってるわけ?」
「選ばれたのは僕だ。物語の主人公は僕だ。あいつじゃない」
「僕が魔王を倒して称えられるはずだったのに。国中から称賛されるはずだったのに。僕の活躍の機会を奪いやがって……」
「負内無宗……君は僕が直々に殺してあげるよ。絶対にね」
勇者シャルア・フレトリスは俺の抹殺を決意していた。
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