【四天王戦③】“地天”マドローニ・ガンドゥローム
俺はガタイがいい四天王と対峙していた。こいつはとにかくでかい。筋肉ダルマだ。
体格差だけで見れば俺は瞬殺だろう。だがこいつは俺の敵では無い。なんなら四天王全員でかかってきても、奴らに勝ち目はない。
だからこそ、俺はよく考えなければならない。
どうやって手加減しようか……
一瞬で終わるのはちょっとつまんないからね。
そんなことを思っていると、四天王が口を開いた。
「お前だろ。レバルトをやったのは」
「なんでそう思うんだ?」
「見りゃぁわかる。だってお前だけ、えげつねぇオーラが溢れ出てるからなぁ」
「え?」
マジか、気づかなかった。じゃあオーラ消そ。
「……っ!?」
(こいつ完全にオーラと気配を消しやがった。目の前にいるのに、誰もいないみたいだ)
「俺は魔王軍四天王“地天”マドローニ・ガンドゥローム。お前の名は?」
「俺は負内無宗。ただの冒険者だ」
「無宗かぁ、覚えたぞ。だから安心してあの世に行け」
その瞬間、マドローニは一瞬で俺の腹部を殴り、吹っ飛ばした。
ダァァァァァァァァァンッ
「クリーンヒットだなぁ」
砂煙の中から人影が現れる。
「……マジかぁ」
「いい一撃だね。まぁダメージはないけど」
俺はベルゼリオンをしまった。
「なんのつもりだぁ?」
「お前と同じ土俵で戦ってやるよ」
「ナメてんなぁ、てめぇ……殺すぞ」
「じゃあ殺してみろ」
マドローニは一瞬で俺の間合いに入り渾身の蹴りを入れるが、俺に片手で止められる。
ドォォォォォォォォォォンッ!!
凄まじい衝撃波と共に地割れが起こる。
俺はそのままマドローニを掴み投げ飛ばす。
ドカァァァァァァァァァァァァァンッ!
「それにしても体がでかい割に速いな、お前」
砂煙の中からマドローニが勢いよく飛び出し、俺を殴りつける。
俺はガードしたが、その衝撃で地面を削りながら数メートル後退させられた。
マドローニが手を上に振り上げると、俺の足元から巨大な土の拳が飛び出し俺は上空へ吹っ飛ばされた。
「へー。面白いじゃん」
俺は吹っ飛ばされながら少し笑っていた。
マドローニは俺がいる空中までジャンプで追いつき、足を掴んで地面に向かって凄まじい衝撃波と共に投げ飛ばした。
バゴォォォォォォォォォォォンッ!
そのまま100mの巨大な岩を生成し、俺に向かってぶっぱなす。
「わーお。ガチか……」
ドカァァァァァァァァァァァァァンッ!!!
空を切り裂くような衝撃波が地面を伝う。
俺は巨大な岩の下敷きになっていた。
「邪魔だな」
俺は念力で岩を持ち上げた。
「マジかぁ、死んでねぇのかよ……おもしれぇなぁ」
オーバーキルのように思えたマドローニの連続攻撃は俺にかすり傷一つつけることはなかった。
俺は100mの岩を念力で、マドローニに投げつけた。
しかし、マドローニは素早く避け一瞬で俺との距離を詰め、強力なパンチを放ち俺の頭を吹っ飛ばした。
ように見えたのだが……
「それは残像だ」
「!?」
俺は笑顔で背後から回し蹴りをクリーンヒットさせた。
ダァァァァァァァァァンッ!
マドローニが空高く吹っ飛ばされる。
「クソッ……」
俺がマドローニに手をかざすと強大な重力が生じ、凄まじい速度で地面にめり込む。
「か……体が動かねぇ」
「少し重力を強くしただけだよ」
俺は空中に移動していた。
「ささやかな気持ちだ。受け取れ。“ファイヤーボール”」
直径1kmのキチガイ級の超巨大火球をマドローニにプレゼントした。
「ふっざけんな!それがファイヤーボールなわけねぇだろ!!」
ドカァァァァァァァァァァァァァンッ!!!
辺り一面が火の海と化した。
どれだけ巨大でも、俺がファイヤーボールと言えばファイヤーボールだ。問題ない。
爆炎の中から金属のようになったマドローニが現れた。
「“メタルモード”この形態を使うことになるとはなぁ。さすがレバルトを倒しただけのことはあるみてぇだなぁ」
「ん?」
俺が上を見ると巨大な山ぐらいある、沢山のトゲがついた殺意MAXの岩が俺めがけて落下してきた。
バァァァァァァァァァァァァァンッッッッッ!
俺はしっかり押し潰された。
いい攻撃だ。でも……
バキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
巨大なエネルギー波が岩を粉々にする。
「久しぶりに戦ってるって感じがするよ」
「死ねっ!」
メタルマドローニが凄まじい衝撃波と共に重い拳を繰り出すが、俺は片手で受け止めた。
マドローニが笑う。
「お前なら正面から受け止めると思ったぜ」
「!?」
「地に立つ者は、地に裁かれる。砕け……」
「“ガイアの断罪”」
拳を受け止めた俺の手から、赤いヒビが全身に広がる。
「お前の敗因を教えてやろう。それは……
油断と傲慢だ」
俺はマドローニに蹴られ……
粉々に砕け散った。
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