【四天王戦】“風天”アゼロラ・ストムウェル
俺たちの前には3人の四天王が立ちはだかっていた。その瞳からは敵意や殺意が溢れていた。
「四天王か……」
「し……四天王ですか!?」
四天王の1人が口を開く。
「あなた……勇者ですね」
「え……違うけど」
たしかに、前世が勇者だったこともあるが今は違う。
「ハーッハッハッハ。聖剣も持たぬ物が魔族大陸へ来ようとは。笑止千万ッ!」
「聖剣がなくとも、魔王は俺の敵じゃない」
残念ながら、“聖剣でしか殺せない”なんて文言は俺の前には無力なのだ。
まぁそれに俺たちの目的は魔王の能力調査だ。
魔王は勇者の実力を測る定規として有効活用させていただこう。
「おもしれぇ。ちょっとは楽しめそうだなぁ」
「アゼロラ。戦力を分散させましょう」
「それでは……処刑の始まりだーッ!」
四天王の1人が片手をかざす。
「吹き飛べッ!“オーバートルネード”」
その瞬間凄まじい竜巻が発生し、俺たちを巻き込んだ。
「え……ちょっ……吹っ飛ばされるんですけどーーーーーーっ!」
「ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺以外の全員が遠くに吹っ飛ばされてしまった。
いやぁ……綺麗に分断されちゃったな。
現場には俺と3人の四天王が残された。
「ハーッハッハッハ。吾輩のオーバートルネードで吹っ飛ばないとは……面白いではないかッ」
「お前ら3人が俺の相手か?」
「まさか……。ただこっちの方が戦力を削りやすいだけですよ」
「おいクロニス。こいつは俺にやらせろ」
「どうぞご自由に。では、私たちは残りを殺すとしましょう」
「さらばだマドローニ。後でどのように殺したか教えるのだぞッ」
四天王2人がその場から一瞬で消え、
その場には、俺とガタイのいい四天王の2人が残った。
「じゃあ始めようじゃねぇか」
「ちょっとは楽しませてね」
「笑わせんじゃねぇ。それは俺のセリフだぁ」
俺たちは互いに笑っていた。
一方……
「いったーい!」
「だ……大丈夫ですかクリア」
ルナとクリアは同じ方向に吹っ飛ばされていた。
「他のみんなは?」
「どうやら分断されたみたいですね」
「その通ぉぉぉぉぉりだッ」
「!?」
目の前には緑髪の男が立っていた。
「貴様らは現時刻をもってこの吾輩に殺されるのだッ!」
「なんかうるさい奴だね」
「四天王……ご主人様がいなくとも倒して見せます!」
「面白い……。吾輩は魔王軍四天王、“風天”アゼロラ・ストムウェル。貴様らを殺す男の名だッ!」
「ルナ、こんなやつさっさと倒すよ!」
「はい!」
2人が同時攻撃を仕掛ける。
「弓王スキル“レイニーアロー”」
「全属性魔術“炎”」
「“ファイヤーボール100連”」
上方からは矢の雨が降り注ぎ、前方からは100球の火球が放たれる。
「数を撃っても吾輩には当たらないぞッ!
“コンビニエンストルネード”」
アゼロラは上方と前方にかざした手から竜巻を発生させた。
「嘘……」
「攻撃が竜巻に絡め取られて……」
「ハーッハッハッハッ。貴様らの攻撃で強化された竜巻を食らって死ねッ!“トルネードカウンター”」
アゼロラは大量の矢と火球が混じった竜巻をビームのようにして、ルナたちに向かって放った。
「……っ!?」
「やばい!全属性魔術“地”」
「“メタルウォール”」
ドォォォォォォォォォォォォッ!!
クリアが鉄の壁を生成し攻撃を防いだ。周りを見渡すと、攻撃で地面がえぐれていた。
直に受けていたら即死は免れなかっただろう。
「そんな……」
「私たちの遠距離攻撃とは絶望的に相性が悪い。だったら……」
「ハーッハッハッハ。どうした?壁に隠れていては吾輩に攻撃できないぞッ!」
クリアが壁から勢いよく飛び出す。
「く……クリア!?」
「竜巻ではね返せない物理攻撃で押し切る!」
クリアが手をかざす。
「“キメラハンド”!!」
異空間から巨大なモンスターの手が飛び出し、アゼロラを殴り飛ばす。
バゴォォォォォォォォォォンッ!
「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ダァァァァァァァァァンッ
アゼロラは近くにあった岩に叩きつけられた。
「ルナ今のうちに!」
「わかりました。弓王スキル“メテオアロー”」
バキュゥゥゥゥゥゥゥンッ!
凄まじい衝撃波とともにルナの渾身の一撃が放たれた。
「ちょ……ちょまっ」
バァァァァァァァァァァンッ!!
「……はい終了。大口叩いてた割に、あっけなかったね。やっぱり私たちの方が強いんだよ」
「く……クリア!?そそそそんなこと言ったら……」
「ハーッハッハッハ。良い一撃じゃあないかッ」
砂煙の中からアゼロラが現れた。
「敵が蘇っちゃうじゃないですかぁぁぁぁ!」
「ま……マジで?」
マジである。
「今の攻撃の礼だ。最高級の一撃をくれてやろうッ」
アゼロラは手で銃の形を作る。全体から強風が吹き荒れ、指先に集中する。
「“ウィンドフラッシュ”」
凄まじい旋風がルナたちを襲う。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
ルナたちは吹っ飛ばされ身動きが取れない。
「だ……ダメです……動けません」
「クソ……まだ私は……やれるはずなのに」
「ハーッハッハッハ。終わりだ。貴様らに絶対的な“死”を与えてやろうッ!!」
アゼロラは宙に浮きながら腕を天に向ける。
空が曇りだし、雲から雷を纏った巨大な竜巻が降りてくる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォッ
「ねぇ……ルナ。あれやばいかな?」
「どう見てもやばいじゃないですか!死んじゃいますよ!!」
「貴様らを仲間の元へ送ってやろうッ!
“ディザスターストーム”」
「勝手に仲間を死んだことにしないでくれる!?」
「も……申し訳ございません……ご主人様」
巨大な暴風にルナたちが巻き込まれる瞬間……
あたり一面に巨大な魔法陣が展開され、その上空に巨大なエネルギー玉がチャージされる。
“エネルギーインパクト”
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!
そのエネルギーから生み出された強大な衝撃波は、空から降りる巨大な竜巻と雲を全て吹き飛ばし、空に晴天をもたらした。
「え……」
「これって……」
「ば……馬鹿なッ!吾輩の最大威力の攻撃だぞッ!?」
「またせたな。お前ら」
「無宗!」
「ご主人様!」
どんな絶望的なピンチの時でも、仲間を助けるのは“俺”……
「じゃない!?」
ではなかった。
「な……なんだ貴様はッ!」
「ご主人様に似てるけど……」
「無宗じゃない……」
ちょこちょこと前に出てきた“それ”には、トレードマークのアーモンドのような2つのアホ毛、黒目黒髪。しかし、身長が圧倒的に足りなかった。
「か……かわいい」
「ご……ご主人様!?」
それはミニキャラ版の俺、“デフォルメ無宗”である。
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