勇者は俺を殺したいようです~第一王女の婚約事情~
暇つぶしの裏路地探検中に助けた女の子は……
この国の第一王女だった。いやぁ気づかなかった。
「えっと……セフィリアだっけ?なんでこんな場所にいるんだ?」
「な……名前呼び!?」
「ああ悪い。様をつけた方が良かったか?」
「まぁいいですよ。助けてくれましたし……特別です」
セフィリアは少し笑ったが、すぐに表情が暗くなった。
ピクッ。
俺のアホ毛がセフィリアの感情を感じ取った。
「悩んでることがあるなら話聞くよ。まぁ俺で良ければだけど」
「どうして私が悩んでると?……いえ、あなたにはお見通しなのでしょうね。……では私の悩みを聞いて欲しいです」
「いいよ」
セフィリアは俺に悩みを打ち明けた。
婚約相手の勇者が、いい人の皮を被ったクズだということ。
父は勇者をいい人だと思い、自分と婚約させようとしていること。
そして、婚約破棄をすれば家族想いな父を否定することになると感じていること。
セフィリアは自分が自分でありたい、そして父を否定したくない。
だからこそ、彼女は逃げるという選択をしたのだ。
「セフィリアは優しいんだな」
「でも……優しさだけでは何も守れません」
「でも時にはNOというのも優しさだ。お前のお父さんも娘を守ってくれると思ったから勇者を選んだ。娘の不幸なんか望んでない」
「でも勇気が……」
「その時は俺が一緒にハッキリ言ってやるよ。たとえ国王だろうと俺には関係ないからな」
「ふふっ。たしかにあなた、父に逆らってましたものね」
セフィリアに少し笑顔が戻った。
「何があろうと自分の進む道を選ぶのはお前だ。自分の人生だからな。何かあったら俺に言え。セフィリアの味方になってやるから」
「っ!……ありがとう」
その後、セフィリアの脱走がバレないように王宮に瞬間移動で送り届けた。
セフィリアは、部屋の窓から外を眺めていた。
「婚約相手が無宗だったら良かったのに……」
「どういうことだい?セフィリア」
「……っ!?」
勇者がセフィリアに会いに来ていた。
「君は僕と結婚して僕のものになって、僕の言うことを聞き続ける。それは決められたことであり、絶対だ。君は他の男のことなど1ミリも考えてはいけない。僕のことだけを考えるんだ!」
「……っ」
セフィリアは恐怖で反論できない。
勇者はセフィリアの顎に指をかける。
「他の男に行くなんて許さない。僕と君は運命の赤い糸で結ばれているんだ……そうだろ?」
「やめ……て……」
「無宗だっけ?……あぁ、あの最近粋がってる冒険者か。いいことを思いついた……」
勇者は邪悪な笑みを浮かべる。
「な……何を……」
数日後、ギルドにて……
「ようギルマス。元気なさそうだな」
「……」
「どうかしたのですか?」
ギルドマスターは暗い表情で口を開いた。
「Sランクパーティー《イレギュラー》に勇者との協力要請だ」
「勇者?」
「どういうことでしょう……」
「勇者か……」
「仕事内容は魔王の能力調査だ」
「ま……魔王!?聖剣でしか倒せない魔王と直接戦えって言うんですか?」
「そうだ。国からの依頼だから拒否権はない」
「アルマ知ってる。過去に魔王城に偵察に行ったSランクパーティー、全員帰ってこなかったらしいよ」
国王か勇者か、はたまたその両方か。そいつは俺たち、特に俺を本気で消したいらしい。
俺を消せるという幻想を抱いている“お花畑脳”な奴にはお仕置きをしてやらないとな。
「面白い」
俺は気づいたら笑っていた。
※活動報告に無宗とベルゼリオンのイラストを載せました。ベルゼリオンの見た目が気になる、興味があると思った方はぜひ見に来てください!
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