家を買いに行ったらクソ物件しかありませんでした。
「一部屋に四人は狭すぎる!!」
「……っ!?びっくりした……」
「急だね無宗」
「何をするんですか?」
今日やること。それは────
「家を買う」
というわけで俺たちは不動産屋を訪れていた。
「いらっしゃいませ。何をお求めで?」
「家を買おうと思ってな。広い家がいい」
「かしこまりました。予算はどれほどでしょうか?」
予算と言われてもな……イマイチ分からないな。
「普通の家はどれくらいなんだ?」
「一般的な家ですと、大金貨30枚から50枚程度でしょうか」
「なるほど。じゃあ余裕を持って上限金額は大金貨60枚にしよう」
「かしこまりました。どのような家をお求めでしょう」
「お前たちはどんな家がいい?」
「広い家!」
「しいて言うなら広い寝室がいいです。あと広いキッチンも欲しいです」
「わ……わたしは無宗が良ければなんでもいい……」
「ということで頼む」
「かしこまりました。では早速ご案内致します」
俺たちは1軒目の家に案内された。
「こちら、かなりオススメですよ。ご希望どおりの広い家です」
そこには広い庭に噴水が広がっていた。
「で、肝心の家は?」
「こちらになります」
不動産屋は庭の真ん中にある小さな小屋を指さした。
「小さいね」
「小さいです……」
「狭そう……」
「ちっさ!広い庭じゃなくて広い家を探してるんだけど!?」
「も……申し訳ありません。私としたことが……」
この不動産屋大丈夫だろうか。少し心配だ。
そして、2軒目。
「こちら、お客様にオススメですよ。うちの自慢のセキュリティハウスになります。泥棒も入らず、安心です」
「……」
そこには周りがマグマで囲われ、壁から大きなトゲが生えた家があった。
「クレイジーだね」
「クレイジーですね」
「怖い……」
「ちがぁぁぁぁぁう!なんやねんこれ!?」
「お客様、驚くのはまだ早いですよ?実はこの家普通にドアを開けようとすると……」
不動産屋が横に立ってドアを開けようとすると、落とし穴が現れた。中には本物っぽいドクロと大量のトゲで埋め尽くされていた。
「……」
俺たちは言葉を閉ざした。
「そしてこの横の植木鉢の下にある鍵を使うことで……」
ガシャンッ!
再び落とし穴が開いた。今度は中がマグマで埋め尽くされている。
「結局落とし穴なんだね」
「怖い……」
「だから家の上空まで飛んでいただき、煙突から入るという仕組みになっております」
「空飛ぶ前提で家作ってんじゃねぇよ!誰が買うんだこんな家」
「落とし穴のドクロは本物なのでしょうか……」
「知らない方がいいと思うよ」
「ここ……やだ」
「気にいると思ったんですがね……」
「ちなみにこの家の値段は?」
「大金貨200枚です」
「ねぇ、話聞いてた?思いっきり予算オーバーやんけ」
その後も活火山のてっぺんの家に案内されたり、洞窟の中にある家に案内されたりして散々な目にあった。こいつ絶対わざとだろ……
10軒目……
「しかしお客様も要望が多いですね。あれもダメでこれもダメ、こちらも大変ですよ」
「お前がまともな家を紹介すればそれで終わりなんだよ!」
俺は不動産屋の頬を人差し指で軽く突いた。
「痛いですお客様……」
しかし今回の家は案外良さそうだ。しかも豪邸だ。中に入って見てもおかしな点はない。しいて言うなら家具がそのままってことだろうか。
「キッチンもあります!」
「寝室も広い!」
「い……いいかも」
条件も満たしてる。やっとまともなのを出してくれたな。
俺は胸を撫で下ろした。
……今度こそ、普通の家だ。
「いくらだ?」
「大金貨20枚になります」
「こんな豪邸がそんなに安いんですか?」
「よし、ここを買おう」
「毎度ありがとうございます。あ……」
ん?何が「あ……」なんだ。やめろ。
俺の額から冷や汗が流れた。
「ど……どうかしたのか」
「この家、前の住人が突然いなくなりまして……」
「え?」
「実はここ……出るんですよ」
不動産屋が幽霊のポーズをとった。こいつ殴っていいかな?
「ゆ……幽霊ですか」
「怖い……」
ルナとフェリの顔が青ざめる。
「まぁそれくらいなら大丈夫でしょ」
「クリアは怖くないのですか?」
「私、オブサーバーだよ?余裕でしょ」
「すごい……」
まぁ幽霊ごとき俺の敵ではない。
そして俺たちは幽霊物件を購入した。
その日の夜、
俺たちは買い出しを終えて料理の準備をしていた。
「料理は私に任せてください!」
ルナは俺の奴隷になる前から料理係を任されていたらしいから、腕前は間違いないだろう。
食卓には美味しそうなスープと魚のソテーが並んだ。
「ルナって料理できたんだね」
「もちろんですとも」
「おいしそう……」
そんな会話をしていると……
ドンドンドンドンッ
「ひぁっ!な……何!?」
「2階から足音のようなものが聞こえましたね」
「怖い……」
フェリが俺の袖を握る。
ガタガタガタッ
近くに飾ってあった花瓶が揺れる。
「ひぃっ!」
クリアが小刻みに震えていた。
「あ、もしかしてクリアちゃん……ビビってます?」
「そそそソンナコトナイヨ?」
「ははは。クリア、無理しなくていいんだぞ」
全員が目を丸くして俺の方を見てる。
「え……どうした。俺何か変なこと言った?」
「浮いてます」
「ソファー」
「え?」
ガンッ!!
俺の後頭部にソファーが直撃した。
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