VS偽リリス
『王者の腕輪』
黒い影のような偽リリスが右手を掲げ光を放つ。
「ぐあっ!」
「ぬうぅぅ…!」
「くっ!」
「うぐ…これは…!」
光に包まれた四天王達が苦しみだす。
「ぬしよ、これは…!」
「うん、私たちは効かない!」
私達にも光に包まれるがシステム上魔王として生まれた魔族は対象外だ。
見れば葵も魔族ではないので問題なさそうだ。
「わ、私も効かない。でも…」
「どうするのじゃ!?戦力が半減どころではないぞ!」
「わかってる!すぐに…!」
私は海王から渡されたものを取り出して右手に装着した。
「王者の腕輪!」
腕輪から光が放たれ四天王達を包んでいく。
「!?…楽になった」
「これで戦える!」
覇王の腕輪を無効化するアイテムだ。
海王がミラーという現象を見て持たせてくれた。
「これがなかったら詰んでたよ…」
前に使ったときに割れた王者の玉は他のに比べ小さいが修復されている。
「…」
覇王の腕輪を無効化した光景を見た偽リリスは腕を掲げるのをやめ、一歩、また一歩とロボットのように歩いてくる。
その動きはとてもゆっくりでこちらに来るまでかなりの時間を要しそうだ。
「不気味ですね…」
リッチーがつぶやく。
「リリスだったら絶対やらない歩き方だしね。本来ならすぐ突っかかってくるはず」
「確かに余はあんな変な歩き方では…ん?突っかかってくるとはどういう意味じゃ!」
細かいなぁ。
「よし、じゃあ合図したら一斉に攻撃を…。いや待って!?あれは!」
偽リリスは突如歩くのをやめ、クラウチングスタートのようなポーズを取り始める。
「みんな!固まってシールドを!」
そう言った瞬間、ドカァァン!!と後方で壁が崩れる音が鳴る。
「な…!」
偽リリスは正面にはおらず、いつの間にか音のなった後方へと移動している。
「高速移動攻撃…」
散々苦しめられて私の右腕をぐちゃぐちゃにしてくれた技だ。
「葵さんを守ってワールドシステムまで!1か所に固まってガードを!」
そうして一斉に全員が走り出した。
「わたくしがやります!」
リッチーが渾身の魔力を籠めて後方にシールドを張る。
それと同時にガキィン!!と音が鳴りシールドにひびが入る。
「く…!先ほどの魔力消費がなければ…!!」
偽海王さんたちの一戦で魔力を使いすぎたようだ。
多分次は持たないだろう。
「こっちだ!ちっこいの!!」
ズメイがリッチーの少し離れた場所で戦闘の構えで立ち止まっている。
「…!」
偽リリスがズメイに向かって高速移動の体勢に入った。
「ズメイ!何を!」
リッチーが叫んだ瞬間、パリン!と風圧でシールドが割れ、ズメイの右手と偽リリス蹴りが激突する。
ギギギギ…!と火花のようなものが飛び、ズメイの右腕から血が噴き出す。
「ズメイさん!」
「ぐぅ…!時間を無駄にするな!早く行け!」
「く…わかった!」
振り返って走り出す。
「我でも止められる程度か!大したことないな!」
「…」
偽リリスの眉がピクリと動き勢いが強まるように力が入る。
そして私、リリス、ミドリ、葵がワールドシステムの目の前に到着する
「ズメイさん!こっちはたどり着いたよ!」
「そうか!ぬ…ぬぬぅ…!どりゃあぁぁ!!」
上空に偽リリスを蹴り飛ばす形で攻撃を受け流した。
「種子砲!」
「ウィンドショック!」
隣にいるミドリといつの間にかリッチーを抱えてズメイの近くで飛んでいたハルが同時に攻撃を行う。
「!」
ドカァァン!!と音がして煙が立った。
「リッチー!ズメイ!」
ハルはズメイを拾ってワールドシステムに向かって一目散に飛んでくる。
「ぐおおおお!!我を引きずるな!擦り切れるぞハル!」
「くっ!重量オーバーだから仕方ないでしょう!」
そうしてワールドシステムまで全員を運び込んだ。
「ズメイさん!右手は大丈夫!?」
「は、ハルの引きずりの方が重症であるぞ…」
「そ、そう」
右手もグーパーとしているので一応大丈夫そうだ。
「葵さん、どのくらい!?」
「い、今から10分で…どうにかする!」
葵がワールドシステムの確認していじっている。
「…」
煙の中から偽リリスがゆっくりと出てきた。




