海底のワールドシステム
「はぁ…はぁ…着いた…!」
海王たちを置いてたどり着いた先は見覚えのある火山が鎮座していた。
周りの景色は少し違うが王者の玉を取りに来た入口のところだ。
「お、降ろして…」
「ん?あぁ、すまない」
ハルは小脇に抱えていた葵を下ろす
「…大丈夫でしょうか、あの二人?」
リッチーが来た道を向きながら心配する。
「大丈夫でしょ。シレーヌさんもいるしそんな簡単にはやられないよ」
「そうだといいのですが…」
ワールドシステムの対処はしたし時間さえ稼げば自然と消えてくれるはずだ。
あとはどうにでもするだろう。
「あ!そういえば葵さん、見た?ワールドシステムが石になってたの」
前聞いたときは葵さんは知らなそうだったけど何かわかれば…。
「み、見た…。あんな現象…初めて…。でも、原因…わかる」
「原因がわかるのですか?」
ミドリが聞く。
「うん…。た、多分、バグ…治せなかったから…。システムの方が負荷…耐えられなくて…フリーズ…した」
「フリーズだったの!?じゃああの子機、今システムとして動かないってことか!」
「で、でもあまりやらない方が…いい。システム…おかしくなる。多分、本体の不具合…原因も…それ」
「え!?」
私達のせいだったのか!
どうにか脅威を取り除いてたつもりだったけど…。
「でも、しょうが…ない。やらないと…死んでた。マザーシステムで…修復できるから。大丈夫」
「…そう。だったら私たちがちゃんとマザーシステムに連れて行かないとね」
私はそう決意したのだった。
「おしゃべりはそこまでじゃ。ぬしよ、裏口とはどこにあるのじゃ?」
「あ、そうだね。えーっと確か…」
正直説明が雑であんまりわからなかった。
前に入った入口の場所を通り過ぎて変な岩の場所ということだった。
行けばわかるそうだが変な岩って正直どれも当てはまりそう。
「ここからでも見えるそうだけど…とりあえず進んでみ…なにあれ!?」
「敵か!?皆構えろ!」
ズメイが叫び全員が構えるが敵とかそういう類ではない。
「いやあの…違う。あれ…」
そう言って指を刺す。
「あの…魔王さま、あまりこういうことは言いたくないのですが…なぜ前回は気づかなかったのですか…?」
ミドリが呆れながら言う。
そこに文字のオブジェがあった。
『初代海王参上!王者の試練、管理者裏口はここ!』
そんな文字がでかでかと書いてあった。
「いやあの…ね?試練が始まって焦ってたから…見逃してたんだろうね」
あぁ、この言葉はこういう時に使うんだろうね。
「テヘペロ!」
「…」
「みんな!気合入れなおして早く行ってみよう!」
「…」
そうして痛い視線の中私とみんなは近くへと寄っていった。
どっちにしろ文句は海王さんに言ってほしい。
文字のオブジェは鎖で地面に繋がれているのが確認できた。
鎖の周りの地面を見ると何か四角い跡がついている。
「これ、下が開きそう…っていうか認識阻害が仕事してないね」
鎖を引くと四角い跡の地面が少し動き出す。
「た、多分…ここ特殊。海底だし…初代の人が切った?」
まぁ初代海王さんがこんな文字書いてるくらいだしね。
見つけたのを誰かに見てもらいたかったんだろう。
「我がやろう」
そう言ってズメイが鎖を持つ。
「どりゃあぁ!!」
ガコン!と音がして地面の蓋が開き、下へ続く階段が見えた。
「地下かな?いや海底で地下っていうのもおかしな表現だけど…」
覗いてみるが暗くてよく見えない。
おそらくワールドシステムの部屋から試練の最奥に繋がってるんだろうけど。
「…行くしかないね」
「死んだ海王らのためにものう」
「いやリリス、海王さんたち死んでないから」
物騒なこと言わないでほしい。
そうしてゆっくりと階段を下りて進んでいく。
階段はそこまで長くなく、数段降りた後ずっと直線の通路が続いていた。
そうして暗い通路を進んでいくと突然壁のようなものが現れた。
「あれ?何これ?奥は続いてそうだけど水が…」
ゆっくりと手を触れるとバシャン!という音とともに広くて明るい部屋へと出た。
「これは…空気がありますね。飛べそうです」
ハルが羽ばたいて部屋の中をバサバサと飛び始める。
部屋の大きさは四方50メートルはありそうだ。
「中央にあるのって…」
葵さんの研究所で見たものと同じでとても大きい。
「わ、ワールドシステム…」
…ほんと嫌になるね。
私としては遠ざけたいけど生き残るためには近づかなければならない。
「ちょっと心の準備を…」
と思ったがシステムの方は待ってくれないようだ。
『システムコード:ミラー。対象、リリス。魔王システムを起動します』
「…余か!?」
そうリリスが言ったと同時にシステムが光り出し、黒い影を生み出す。
影は徐々に人型に変形していき黒いリリスの姿へと変貌していく。
そしてこうつぶやいた。
『覇王の腕輪』
魔族を跪かせる光が私たちを襲う。




