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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
マザーシステム
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5分の攻防

「ご…5分!」

葵はそう言うとワールドシステムの子機の場所へと向かう。

「…!5分だね!ズメイさんとリリスはシレーヌさんの援護を!ハルさんとミドリさんは海王さんを!」

「了解!」

それぞれが動き出し加勢に向かう。

「それと…」

リッチーの方に目を向ける。

「リッチーさん!魔力を分ける!お願い!」

それだけ言うと意図がわかったようにリッチーはうなずく。

「なるほど、魔力のほとんどを使うことになりますが…」

そうしてリッチーは魔力を籠め始める。

「それと私は魔方陣を…」

私も動き始めた。


「うおぉぉぉ!!」

「…」

ズメイが偽シレーヌに向けて岩をも砕く一撃を食らわせようとするが軽々と避けられる。

「余が前に出る!」

「うちも!」

リリスとシレーヌがすかさず追撃するが受け流されて反撃を食らいそうになる。

「動きにくい!なんじゃこれは!」

リリスは海の中だからか思ったように体が動かずやりづらいようだ。


偽海王は周りの水の操作を続けている。

「うぐ…!なんだこいつは!?魔力が無尽蔵か!?」

海王が対抗してみんなが巻き込まれないよう水の操作をし返すが籠められた魔力が膨大でついていくのがやっとなようだ。

偽海王はさらに同時に自分の幻影のようなものを何体も作り本体がどこにいるかわからせないようにしている。

「く…どれが本体だ!?」

ハルは氷の飛礫を生成してぶつけようとするがどこにいるかわからずあちこちに攻撃を仕掛けている。

「落ち着けハル!魔力感知を!中央左から3番目だ!…蔓よ!」

ミドリは正確に偽海王の位置を探って攻撃するが全て無意味かのようにブチブチと攻撃の植物を引きちぎる。


「…」

少し離れた場所で眺めているがもう何秒も持たないだろう。

しかし思ったより対応できている。

これだけの時間があれば…!

偽海王の位置を魔力で探り正確な場所を捉える。

「見つけた。みんな!こっちに走って!全力で!」

「何を…!?…いやわかった!」

海王は困惑するが、まがまがしいほどに魔力を込めていたのがわかったのだろう、全員がこちらに向かって走ってくる。

偽海王と偽シレーヌも追いかけてくるが関係ない。

「魔力の鎖よ!」

「!?」

あらかじめ用意していた魔法陣を起動して偽海王と偽シレーヌの足を鎖で固定する。

「リッチーさんお願い!」

「承知…しました!」

リッチーは腕を前にしてその魔力を解放する。

「アイス…エリア!!」

手の先からものすごい速さで氷が生成され、あっという間に偽海王と偽シレーヌは包まれていく。

「アースウォール!」

その上にさらに岩を生成、固定し二重に包んでいく。

「これで捕まえました!あとは残りの時間を耐えれば…」

そうして出られないようさらに魔力を注ぎ続けていく。

「これで…勝ったのか?」

海王が驚愕の目で見つめるが私は首を横に振る。

「わからない。ケンタウロスの時とかは交代で何時間も耐えたけど…」

葵の方を見つめるともう少しかかりそうだ。

まだ前哨戦も前哨戦だ。

何とかこれで抑えたい。


そうして数分、緊張した面持ちで待っていると異変が起こる。

ピシッっと岩に亀裂が入り始める。

「!!もうちょっとなのに…!」

そうしてどんどん亀裂が大きくなってくる。

そしてバカアァァン!!という音とともに巨大なイカ姿の偽海王と偽シレーヌが現れる。

「か、解除した!逃げて!」

同時にワールドシステムをいじっていた葵が叫ぶと私たちを閉じ込めていたシールドがなくなった。

「ジャストだった!…でも!!」

偽海王と偽シレーヌもジジッっと姿がぶれ始めるが止まらない。

「ぐ…!アイス…!」

魔法を唱えようとしたがもう二つの巨大なイカに阻まれる。

それがズズンと偽物の上にのしかかる。

「早く行け!時間で消えるのであろう!?」

海王とシレーヌだ。

「ウチらが止めてる!エルクルちゃんたちはやることがあるやろ!」

「!…でも!!」

下で偽物の二匹が暴れている。

「ぐ…!時間がない!今決断せよ!」

「…わかった!絶対追いついてきてよ!」

「もちろんだ!あぁ、それとこれを持っていけ!」

何か光るものがこちらに飛んでくる。

パシッと受け取りそれを見る。

「これは…」

「行け!」

こくりとうなずきそれを懐にしまう。

そうして二人は戦い始めた。


「大儀であった!」

「行きましょう!」

ズメイとリッチーが手招きして走り出す。

「どうしたぬしよ!?早く行くぞ!」

リリスがもたもたしている私に声をかける。

「わかってる!でも葵さんがまだ後ろにいる!」

後方のワールドシステムのところにいたので葵だけ遅れているのだ。

「私が!」

「自分も護衛を!」

ハルとミドリが戻り、抱えて走って来た。

「た…助かった…!」

「よし、行くよ!」

そうして海王とシレーヌを置いて走り出す。

チラッと後ろを向くとワールドシステムの子機が石になっていくのが見えた。




ギャグの霊圧が消えた…。

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