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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
カルル・ヴェイル
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システムの真実

「え、エルクル…さん?あなた…排除されるべく…システムの…バグ…だ」


何を言っているかわからない。

私が…バグ?

「おい、ふざけるな、適当なことを言っていると…」

「待ってミドリさん!」

ミドリがカルルをつかみかかろうとしているところを止める。

「!?しかし!」

「ひっ!で、でも…嘘は言ってない…」

「カルル様…冗談ではないんですよね?」

「うん…うまく説明…難しいけど」

「お願いします。魔王様は私たちの大事な人です。」

「…わかった」


そうしてこちらへ向きなおし、一度深呼吸をする。

「隣の部屋にあったの…ワールドシステム。この世界を…構築してる」

「世界を…?」

「うん。一部の地形、魔境、魔法…。全部…あれから生まれた」

魔境や魔法があれから生まれた?

初めはそもそも魔法なんて便利なものはなかったのか。

そう思っていたらアーサーが口をはさんでくる。

「ちょ、ちょっと待ってください!魔境も!?ということは…」

「魔物…魔族も。人間以外は全部…」

「…っ!」

めちゃくちゃだ。

「魔族の生みの親が…あの機械…?」

「原初は…そう」

その後世代交代されて今ということか。

「それと、さっきの答え…合ってる」

「さっきの…?」

「私の名前…進藤葵。300年前に…前の世界、日本から…システムのバグで転移してきた。本来ありえない」

「カルル…いや、葵さんも…バグ?」

「そして…システム上、魔王は一人以上…生まれない。リリス。でもあなた…生まれた。研究資料読めた。だから…転移…いや、転生してきた?」

みんなの視線が私に集まる。

「…魔王様?」

あ…。

そうだね、こうなったらもう仕方がない。

「…ごめん、アーサーちゃん、みんな。そうだね、私はここじゃない世界の記憶を持っている」

「…!」

「大丈夫、私の故郷はここだけだから…」

「…はい。はい!」

そうしてアーサーの頭を撫でる。


しかしミドリはまだ納得できないようで頭に手を当てている。

「…いや待て、待つんだ。いろいろありすぎてわからない。これまで言ったこと、それが本当である保証は…?」

「わ、ワールドシステム自身。ありえない素材…ありえない…魔法石…。私、ここでずっと調べてる。疑うなら…研究…見ればわかる」

散らばった紙の束を見る。

「これが…全部…」

絶句。

「そうか…」

何とも言えない空気が流れる。

でも正直私もバグなんて言われて頭がめちゃめちゃだよ…。


と、思っていたら急に紙飛行機が私たちの中央を飛んでいく。

「おー!新記録じゃ!」

リリスだ。

「いや何やってんの?あなたものすごい当事者だよ?あのワールドシステムから生まれた…」

「なんじゃ?そんなことどうでもよいではないか」

「どうでもいいって…」

「余は今も生きておるし自由にやっておる」

「いや、それはそうだけど…」

「全部そのワー何とかのせいじゃとしても、大した問題ではないのではないか?バグである娘が300年も生きておるわけじゃし」

「まぁ…一応…」

た、確かに!

はぁ…なんか緊張してたのがバカみたいだよ。


「でも…今まで不都合…あったはず。よく生きてた」

「え…不都合?」

「システム…バグを排除しようとする」

あ、そうか。排除するべくって…!

「じゃあケンタウロス達が暴走したのも?」

「…バグのせい」

「王様がおかしくなったのも!?」

「バグのせい」

「不死鳥さんが急に襲ってきたのも!!?」

「バグのせい」

「じゃあ勇者たちが強いのも!!??」

「それは違う」

「うせやろ?」

マジかよ兄弟、それはバグであれよ。

素でやばいのかあの人たち。

システムの力凌駕してたよ?

どうなってんだ世界。

…いけない、口調がおかしくなってる。

「あ…システムの力も…少しある。でも…ほとんど…実力」

あんまりフォローになってないよ葵ちゃん。

はぁ、ツッコミすぎて疲れた。いや口には出してないけど。

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