北の森へのメンバー
「すまぬとは思っておる」
ここは会議室。縛られたリリスが座っている。
「いやまぁ無理やり襲ったとかじゃなくてよかったよ」
庭へ行くとリリス対スケルトン10体の図が出来上がっていて絶賛バトル中だったため私が罠を張って縛り上げた。
話を聞くとお互いに了承してのことで、庭も終わったら元に戻す予定だったらしい。
「あんまりやりすぎるとかばえなくなるからほどほどにね」
「わかったのじゃ!」
いい笑顔だ、絶対またやるね。
「はい、じゃあ会議の続き始めようか。どこからだっけ?もう質問はいいよね?何かあったらアーサーちゃんを通じで私に…」
「え?リリス様はこのままでいいのですか?」
「いやだってほっといたら何かやらかすだろうし」
少し前に言ったように私の責任になるので管理下に置いておくのが一番安心できる。
「余はもうやらかさんぞ」
…ほっといて進めよう。
「じゃあ本題に入るよ。不死鳥のところに行った私たちはカルル・ヴェイルが存命していることを知った」
「カルル・ヴェイルというと、王都にて見つけた300年前に書かれた本の著者ですね」
ミドリが質問する。
「うん、その人は何かを知っているはず。それで少なくとも最近までいたと思われる場所もわかった。魔境を抜けた北の森だよ。ミドリさん、この森は知ってる?」
「…場所は知っていますが魔境外であれば自分の範囲外ですね」
「どいうことは未探索というわけだね。じゃあさっそく調査の準備を…といきたいんだけど話はこれだけじゃないんだよ。これを見てほしい」
私はファウストから送られてきた地図を広げる。
「この丸がついている範囲、魔境を抜けた先の森だよ。石のオブジェを調査していたファウストからこのあたりに何かがあるという連絡が来たの。これは偶然とは思えない」
予想だけど北の森の中に何かがあって都合がよかったからここにいたんじゃないか。
「少なくともカルルはこの森の中で石のオブジェ、ワールドシステムについて研究をしていた。だからカルル捜索とワールドシステムの痕跡、この2つを目的として調べていきたい。いいかな、みんな?」
「「「はい!」」」
「よし、じゃあメンバーを…」
と思っていたらミドリが手をあげる。
「自分からも報告があるのでお待ちを」
そう言うと一つの魔法石をテーブルの上に取り出した。
「魔法石の解析結果を報告します」
魔王システムの魔法石!
お願いしていた解析が終わったんだ。
テーブルに置かれた魔法石は何事もなかったかのように鎮座しており、光は完全に失っている。
「ん?これ、ユウシエッドが踏んで割れたんじゃなかったっけ?元に戻ってる?」
「はい、修繕しました」
「え?大丈夫なの?」
「いつでも壊せるような細工をして修繕をしましたので。おそらく危険はないだろうと判断してここに持ち込んだ次第です」
恐る恐る手に取り、眺めてみる。
よく見ると魔王システムという文字は消えかけていた。
「それで、何かわかったことはあるの?」
魔法石をテーブルに置きながら尋ねる。
「いくつかは。まずこの魔法石はどこかと通信を行っていた可能性が高いです」
「通信?」
「ええ、修繕中にてそのような兆しを一度だけ観測しました。その通信先についてはわからないですが…」
「…なるほど。じゃあそれが北の森の可能性もある感じだね。他には?」
「そうですね。断定はできないのですが、この魔法石はそこのリリスを生み出させるために存在している可能性が高いです」
「…!?余か!?」
少し眠そうにしていたリリスが急に指名されて驚いている。
「リリス、この魔法石に見覚えある?っていうか記憶としてはどこまであるの?」
リリスは魔法石を一瞥した後、首を振る。
「知らぬ。余が目覚めたときに覚えておるのは余が魔王であること、それと勇者を倒さなければという使命感だけじゃ。今はどうでもよいがの」
その割には覇王の腕輪とかいろいろ詳しそうだったけどね。
まぁ本人も説明できないんだろう。
「ありがとうミドリさん。これで全部かな?」
「はい、魔法石1つではわかるのはこの程度でした」
「十分だよ」
ますますワールドシステムについて調べなきゃいけなくなったね。
「じゃあ改めてメンバーを決めようと思うんだけど…」
と思ったらハルが手をあげている。
「すみません魔王様、今回私は同行が難しいです」
「どうしたの?」
「あぁ…」
ズメイが少し申し訳なさそうにしている。
「皆、ズメイが鍛えてくれて強くなったのですが調子に乗りすぎているようです。部隊を放っておきすぎました。誰がトップかわからせてきます」
あぁ、ハルさんが舐められてズメイさんの部隊になってきてるのか。
「頑張って…」
「はい…」
大変だぁ。
「となると…私、アーサーちゃん、リリスは確定として」
「はい」
「おい、なぜ余が確定なのじゃ」
「いやだってまた決闘とかで暴れても困るし私の責任になるし」
「しかしじゃな…」
「文句言わない!」
「む、むぅ…」
わかってくれたようだ。
あとはもう一人。まぁ今回は森だしほぼ半分決まりみたいなものだけど。
「では今回は自分が行きましょう」
ミドリが手をあげてくれた。
「まぁそうなるね、ありがとう。でも魔境の森の管理とかは大丈夫なの?」
「おそらく問題ないでしょう。何かあれば魔樹のマルクがどうにかしてくれます」
「そ、そう」
頑張れマルク…。
そうして北の森へ行くメンバーが決定した。
準備が出来たら出発しよう。
その後の話し合いで1週間後に北の森へ出発することとなった




