勇者パーティ
「これはすごいものだ。我が王国にも一台欲しいものだが…機構がわからぬな…」
「わかるか?我が海の最終兵器だ。ジャスティスキャノンという」
「ジャスティスキャノン!」
「この名前嫌いなんやけどなぁ…」
海王さんと王様、もう仲良くなってるよ。
さっきそれで死にかけたはずなんだけど…。
っていうか名前めっちゃダサいな。
「いやそんなことより!」
遠くの方を見ると明らかに少なくはなったがまだ影がうようよしている。
「…」
マザーシステムの方は沈黙状態だ。
「どう考えても影が弱すぎる。絶対この程度では終わらないはず。何かロードをしている…?」
ブツブツと考えながら手動で起動できる罠を張っていく。
「みんな!」
「わかっています」
ミドリがそう答えるとみんなは回復魔法で傷を治し何が来てもいいように準備を整える。
「王様!海王さん!シレーヌさん!これ、多分まだ前哨戦だ。システムは次の手を打ってくる!」
ワイワイと話している二人に声をかける。
「何?これが前哨戦だと?1万の軍勢であるぞ」
「ふん、いやだとしても我がジャスティスキャノンがあれば問題は…」
キンッ!と音がした。
『99…100%生成完了。ジェネレイト:勇者パーティ』
は?今何て…。
ドカァァン!!と大砲から音がする。
「何!?」
見ると大砲が真っ二つに割れているのが見えた。
「ジャスティスキャノーーン!!」
「バカ!そこから降りるんや!」
大砲に張り付いている海王をシレーヌが引きはがす。
「ワルク!!きさ…」
ドゴォン!と音がして血の軌跡をつけながら吹き飛んでいく王様とそれを追うもう一人の人影が見えた。
「王様!」
「魔王様!ダメです!」
「ウォーターボール!!」
ハルがサッと手を出しリッチーが斜め上に向かって巨大な水を飛ばした。
「何を…!?」
上を見上げた瞬間、バチバチ!!と電気が分散するように広がる。
「うぐ…この威力!」
「どいてください!種子砲!」
ミドリが敵がいるであろう場所へ大きな種子を撃つ。
「シールドセット」
しかしそんな声とともに巨大なシールドが張られ、ガン!と弾き飛ばされる。
でたらめすぎる…!
さらに何か光の軌跡のようなものが遠くで通り過ぎたように見えた。
そしてぞくりと何か悪寒のようなものを感じる。
「シールド!ハイド!」
咄嗟に私はシールドを張って姿を消し、右へ飛んだ。
次の瞬間、パリンとシールドが割れ、左足に何か違和感を感じた。
見ると太ももから膝のあたりまでぱっくりと切れて割れている。
「ぐっ…!」
私がいた場所には冷たい目でこちらをにらんでいる人物がいる。
「これでも…食らえ!」
罠を起動するとそこに火柱が立った。
「うおおおぉぉ!!」
同時にズメイが渾身の一撃を叩き込む。
「!?…どこだ!」
しかしその場所にはもう誰もいない。
ブシュゥ!とズメイの右腕が切り刻まれたのが見えた。
「なんじゃ!?何も見えんかったぞ!」
リリスですら反応できない見覚えのある攻撃…これはもう。
「あそこでござる!」
ロンギが指を刺した先、割れた大砲の上に真っ黒な4人の影が見える。
「影の…勇者パーティ…」
最悪だ。
勝てる勝てないとかじゃない、何秒生き残れるかのレベルだ。
それにさっきのシステムの音声、最初の一万体の軍勢は前哨戦というよりただの時間稼ぎだったのか。
「…」
そうして絶望の中、私は葵をちらりと見た。




