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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
マザーシステム
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111/118

海の民の最終兵器

ドオォン!!と遠くの方で大きな音がした。

よく見ると影の一部がバラバラと開けたような気がする。


「余が出る!魔王殿はそこを守るのだ!」

「あ、王様!」

返事をする前に王様は飛び出していった。

よくないことが起こっている。

王様に何か支援ができれば…。

「考えている暇はありません!周りを守ることだけ考えましょう!」

ハルが叫ぶと同時に辺りの影が真っ黒な魔族型に変化した。

「くっ…!四方に分かれて!突破されたのは私がどうにかする!」

「「「はい!!」」」

私が叫ぶとそれぞれが均等に別れて防衛の体勢に入る。

同時に影たちが真っ黒な武器を構えて向かってきた。

「シールド!」

全体に大きなシールドを張ってこちらに入って来れないよう足止めをする。

あちこちでガンガンと武器を叩きつける音がする。

「多分10秒も持たない!位置はそれでいい?周りを補うようにお願い!」

「魔王様に近づけるなぁ!!」

「「おおおお!!」」

シールドがパリン!と壊れた。


戦いが始まった。

あちこちで武器と武器が交差する音が聞こえる。

「うおおぉ!!」

ズメイさんがドン!と影を粉砕するのが見えた。

大丈夫、その辺の影はそこまで強くない。

「…」

後ろを見ると葵があちこちを確認している。

影は巨大なマザーシステムを素通りして向かってきているのが確認できた。

はるか向こうの方ではドォン!と大きな音が何度もなっている。

王様が戦っているのだろう。


こんな多くの敵と対峙するとは思ってはいなかったが最悪ではない。

「危ないぞぬしよ!」

ガン!とすぐ後ろで音がする。

「リリス!」

「こちら側は余がやる!ぬしはそちら側じゃ!」

「…!ありがとう!よろし…ファイアボール!」

私も火の玉を飛ばして漏れ出そうな影に当てる。

向こう側に吹っ飛んでいき蒸発するように消えていくのが見えた。

最悪ではないとはいえ人数に差がありすぎてかなり劣勢だ。

「どうにか…打破できる方法を…!」


今打てる手はないかと考えていたら、突然ズトオォン!!と何か大きなものが降ってくるような音がした。

「何事!?」

また新手だったり…!?

「早すぎたと思ったが…もう始めているとはな!」

「あ…」

全長10メートルはありそうな大きな物体の上に見知った二人の姿。

まさかこんなに早く来てくれるなんて…!

「海王さん!シレーヌさんも!」

「来たでー!エルクルちゃん!」

周りには小さなイカやタコの軍団も見えた。

「腑抜けた顔はしていないようだな」

「まぁまだ負けてはいないからね!…っていうか何その大砲!?」

そう、彼らが乗っていたのはとんでもなく大きな大砲だった。

「我ら海の民の最終兵器だ!」

さ、最終兵器!?なんかすごそう!

「あんたら、気合入れや!近づけさせたらあかんで!」

シレーヌが叫ぶとイカタコ軍団が大砲の周りに等間隔で並んだ。

「「「水鉄砲発射!!」」」

そしてブシューッ!!と周りにいる影に向かって水を打ち出す。

「すごい勢い…」

影自体が消えることはないが1万体以上の軍勢を押し返している。

「四天王の皆様!下がってください!」

私たちの周りにもイカタコ軍団が集まってきて水を打ち出す。

「助かった!」

戦っていたみんながこちらに戻ってくる。


そんな光景を見ているとガコンと大砲から何やら音がした。

「充填完了!では行くぞ。第1、ホーミング弾発射!」

バシュウゥ!!と大砲の中から大量の魔力の光が放たれてあちこちの影を撃ち抜く。

「すごい…」

近くにいる影を掃討する勢いだ。

『魔族の生成…追加』

マザーシステムから追加の影が出てくるが関係ない。

出た瞬間に撃ち抜いて霧散させている。

「この程度か…」

近くにいるものを掃討するとブシュウゥ!と砲台の先から煙が出て魔力の光は発射をやめる。


「よし、向こうが何やら激しいな。では第2の弾だ」

海王の目の先は大きな音を立てている場所。

「あ!待って海王さん、あっちは…!」

しかし聞こえていないようで海王は叫んだ。

「魔力レーザー砲、発射!!」

その掛け声とともにごん太のレーザーが照射された。

「あ!ちょ…王様あぁぁぁ!!」

ギュイイィィ!!という音とともにそこには最初から何もなかったかのような破壊の後だけが刻まれる。

「あ…」

すでに何もないレーザーの通った後を呆然と見つめる。

「か、海王さん、あそこに王様が…」

「何!?また私はやらかしたのか…!」

「ほんとであるぞ海王!余の筋肉が危険信号を送っていなければ死んでいた!!」

「そう、ほんとに…えっ!?」

「…ん?どうした?魔王殿」

王様が私の横にいた。


い、生きてた…。

って言うか遥か向こうにいたのに。

やっぱこの人バグだよ…。

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