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魔王様は足止めたい  作者: たっつん
マザーシステム
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影との攻防

『バグの排除を開始します』

背後に歪な気配、黒い影だ。

『システムコード:ミラー。対象、竜人ロンギ』

「拙者でござるか!?」

その言葉と同時に影は徐々に人型になっていく。

そして…

「メテオ!」

私は容赦なく隕石を降らせた。


ドゴォン!と音がして影を一撃で粉砕する。

「拙者の影がぁ!!」

「え?何言っているのロンギさん?あれはシステムが作った敵だよ?」

「それはそうでござるが…」

「ん?まだ足りなそうだね」

散り散りになった影はまた集まろうとしているようだ。

「待て、余がやる。メテオ!」

リリスが前に出て唱える。

先ほどより少し大きい音が響き渡り影は完全に消え去った。

「どうじゃぬしよ!さっきのより大きいぞ!」

張り合われても困る…。


「…」

見ると影は霧散したように見える。

チラッと葵の方を向くとすでに作業を始めているようだ。

このまま作業が終わるまでもう何もないとは考えにくい。

いつもしつこいくらいに抵抗するのがシステムの力だから。

「!!」

その予想は霧散していたはずの影が集まって1人分の影ができ始める。

『ミラー失敗。対象の変更、竜人ズメイ』

「次が来た!」

幾分か影のスピードが落ちている気がする。

「我の影だ!我が行く…!」

『対象の追加:リッチー、ミドリ、ハル』

さらに3人分の影がワールドシステムの子機から放たれた。

「みんなの影が…」

いくらズメイさんでも4人の影相手は無理だ!

「また私のメテオで…!」

しかしミドリが手を出して止める。

「魔王さま、問題ありません」

「わたくし達全員ですね」

リッチーが少し笑いながら言う。

「私も腕が鳴ります」

ハルも前に出始めた。


「うおおぉぉぉぉ!!」

ドカァン!とズメイが一撃を食らわせるとともにみんなが動く。

影の形が確定する前に攻撃をして潰していく。

「面白い!余も参戦じゃあ!!」

「拙者も負けてられないでござるな」

全員参加の消耗戦だ。

「私も…」

「魔王様は待機を!想定外があった時に備えてください!」

魔法で援護しようとしたがリッチーに止められる。

「う…」

私の状態を見て言ったのだろうがもどかしい。

でも実際警戒は必要だし周りの状況はちゃんと見ていよう。


そうして10分、どうにか影を攻撃してしのいだ。

影の方も反撃を繰り返している。

「はぁ…はぁ…しつこいな」

「兄者…拙者、もうしんどいでござるよ?」

ズメイやロンギが息切れを起こしている。

「ミドリ!影の形ができ始めているぞ!」

「わかっている!」

ハルとミドリも補い合っているが限界そうだ。

「あっぶないのう!余が助けなければ死んでいたぞ!」

「罠は張っていたのですが…助かりましたリリス殿」

リリスとリッチーも押されている。

みんなかなり疲れてきている。

「葵さん、どう!?」

「も、もう少し…。スリープ状態…長かったから…時間かかる…」


まだかかるか…。

まだもう一波来そうな…嫌な予感がする。

「みんな!警戒を…」

『形態を変更。強制排除モードへ移行します』

「…!!」

やっぱり来た!これは初めて聞くものだ。

警戒していると影は少し引き、一つの塊となってまとまるのが見えた。

「わたくしが!ファイアボール!」

リッチーがそれに向かって魔法を繰り出す。

その炎は着弾したが、全く同じ魔法として跳ね返って来た。

「な!?ぐおっ…!!」

「リッチーさん!」

それを見たハルは風の剣を持って斬りかかる。

「よくもリッチーを!」

「ダメ!ハルさん!」

しかし斬れるわけではなくハルの腕が引き込まれ、体全体を飲み込んでいった。

「な!?」

「みんな!とにかく退却を…!」

しかし時すでに遅く、その影はすべてを包み込むように私たちの足元へと一気に広がっていった。

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