竜との和解
「そこを余のメテオが炸裂したのじゃ!不死鳥のあの顔を見せてやりたかったのう!」
「ちびっこいのにやるなぁ!不死鳥とは戦ったことがなかったぞ!」
「王は速く、破壊力があり、何より強かった。私のスピードを持っても敵わず…」
「王と戦ったのか!私も勇者がこの地に立ち寄って戦ったのを見たが果てしなく強かったぞ!」
そんな言葉がそこかしこから聞こえる。
完全にお祭り騒ぎだ。
少し疲れた私はズメイ、ロンギとともに
「ズメイさん、竜は孤高とか言ってなかったっけ?」
めっちゃフレンドリーな感じに見えるけど…。
「うーむ、そうだな。なんといえばいいか…」
「わしがお答えしよう」
さっきの長老っぽい竜がこちらに来て座り込んだ。
「えっと、さっきの…」
「長老と呼ぶがいい」
見たまんまの長老だったよ…。
「竜は孤高だ。だが交流はしっかりと持っている。強さを重視し…例えば我が一族で一番強いものを倒した際はこのような騒ぎになる」
「あー…えっ?」
じゃあさっき倒したゲンって竜は一番強かったってことか。
なんか悪いことしたなぁ。
…いや私が倒したわけじゃないけど。
「…」
ふと仰向けに倒れている竜のゲンを見る。
「まだ気絶してるけどあれ大丈夫なのかな…」
「安心するでござる。竜はそんなやわではないでござるからな」
「体内ズタボロにされたのに?」
「わしほど年老いていたら大変だが若いからな。3日あれば完治するだろう」
「それはそれで怖いよ」
とんでも生物なんだな。
「魔王様、ただいま戻りました」
辺りを散策していたミドリ、リッチー、葵が戻って来た。
ワールドシステムの痕跡についてなにか探し回ってく
「みんな、ありがとう。どうだった?」
「それらしいものは見つからず、わたくしの魔力探知などにも引っかかりませんでした」
「魔力探知にも…葵さんは…葵さん?」
「…」
元々多い方ではないけど葵はここに来てから一層口数が少ない気がする。
「えっと…どうしたの?」
「り、竜…怖い…」
「おぅ…」
海底で天井が崩れるなかでも勇敢に作業をしていた人が何か言っているよ…。
っていうか不死鳥は大丈夫なのになんで…まぁいいか。
「う…。ま、周り見てきたけど…わからない…」
葵は周りをキョロキョロしながらやっと答える。
「むぅ…そっか、あとで私たち全員で探し回ろう」
「何かを探しているのかな?」
長老が聞く。
あ、そっか、竜の住処なんだから何かおいてありそうな場所とか聞けばいいんだ。
今のお祭り状態の感じなら答えてくれるはず。
「えーっと…あなたたち竜と同じ大きさくらいの機械なんだけど…」
頭にはてなマークがついているのが見える。
「ん?機械…?なんだそれは?」
「あー…鉄の塊みたいなものかな?ボタンとかがいくつもついていて、幻惑魔法見たいなディスプレイ…画面があって文字が書いていて…」
結構説明が難しいな。
「鉄の塊…。うーむ、覚えはないが…」
「じゃあこのあたりで何か変って思う場所とかあまり立ち入らない場所ってない?」
「変かどうかわからぬが竜に伝わる七不思議と呼ばれるものならあるぞ」
「七不思議って…」
そんな学校の怪談みたいな…。
「天に昇る炎のブレス、夜な夜な行われる闇バトル、凍る湖、糞尿マーキングドラゴン、不可視の祭壇、埋められた宝石、人間界で働くメイドドラゴン略してメイ〇ラゴン…」
「ちょ…めちゃめちゃだよ!」
メイ〇ラゴンいたよ!
それはもう不思議と言っていいのかわからない。
あと全部実際にありそうなのが何とも言えない。
「でもパッと聞いて気になるのはない…ん?不可視の祭壇?」
「おお!それに目をつけるとは…!神聖な場所なのであまり立ち入らないが不思議な場所でな」
「不思議と言うと…?」
「ある竜がその場所には何もないのに祭壇があると言い張った。他の皆は何も見えないのに強情でな。戦いで決めることになり、見えないと言ったものが勝利。なにもないということになった」
いや最後だけわけがわからない。
でも…。
「葵さん」
葵に目を向ける。
「た、多分…ビンゴ…」
「長老さん、その場所に連れて行ってくれるかな?多分私たちが探しているものだと思うから」




